幸せの青い鳥は・・44
44.
"Time travel タイムスリップ 35"
~ 職場の人 ~
私は急いではいるが、声かけられないほど・・逼迫してもいないので
っていうか、急いでるから彼らを追い越しちゃうし、だから挨拶くらいは
しておかないとねぇ~。
「土筆くん、お先にぃ~」
熱心に話していた土筆くんが追い越しざまの私の方を見て
「お疲れ」
と、声を掛けてくれた。
「今日はちび太くんとデート?」
「ふふっ、今日も・・ですよっ」
「いいなぁ~、俺らもデートなんだっ」
「えーっ、イケメンさんデートですか、いいですねっ」
「いいでしょ、長山さんなんかに負けてられないからねっ」
「はいはい・・、ではっ」
私は後ろに向けていた顔を正常な位置に戻し、駅に向かった。
はて?
土筆くんに義兄との交際のことは、話してないっていうかぁ・・
社内の誰にも私話してないしぃ~。
なのに、私に負けてらンないって?どいぅこと?
きっと、単に私には負けてませんよぉ~ってことなんだろうけどさっ。
交際相手がいる今の自分は、いちいち反応してしまうじゃ
あ~りませんかっ!!
44-2.
きゃっ、あたしってバカ?
彼はちび太くん、つまり大とデート?って聞いてきてたじゃない。
もうもうぉ~、何でもすぐにお義兄さんとの交際に結び付けちゃって
私かなりイってるかもぉ~。
こういうの浮かれてるっていうんだよね。
しかし、モデルのようなあのイケメンは誰なんだろう?
どこで知り合ったのだろう?
帰りの電車の中で座っていた私の頭の中は、そんな疑問符が
浮かび、きらっきらっと飛び交うお星★さま付きの天使の輪っかが
私の頭部をすっぽりと囲んでしまっていた。
私は所謂腐女子じゃないけど、同性愛者に抵抗はない。
信頼できる相手がいるって
好きでいられる相手がいるって
愛することのできる相手がいるって
素敵なことだと思うから。
異性であれ同性であれ、そういう相手と出会えるって
すごいことだもの。
ほんのちょっとした行き違いで人を疎ましく感じたり、それだけじゃ
済まなくて憎悪の対象になったりすることのほうが、ずっとずっと
容易いってこと、知ってるから。
過去にどれほど好きでいたとしても、一度好きでなくなった感情は
好きという感情には戻ってくれないってことも。




