幸せの青い鳥は・・36
36.
"Time travel タイムスリップ 27"
~♪ タァ~ンラララララァ~ン、タラァ~ンラリラリラァ~ァ♪
タンタラリラリ・タリラリラァ~タリラリラァ~ァ♪
"アンナ・マデリーナ"のメロディが突然耳に聞こえてきた。
映画の題名にもなり、作中で流れた悲しい曲で・・
主人公は失恋する。
作中、字幕で語られる真実。
人は愛し愛される人に出会える者もいれば、そうでない者もいる、と
恋する乙女にとって超理不尽な啓示。
私は出会えた幸運な人間の部類に入れるのだろうか。
脱衣所に備え付けられている大振りの鏡の中に映る自分の姿を
見て、髪型や顔を素早くチェックし、考えに考え抜いて持参した
寝間着替わりの衣服をまとい、期待を込めて私は義兄の待つ部屋へと向かった。
36-2.
お風呂に入っておいで、と声をかけたものの、さぁどうするかな?
考えながら俺は自分の隣にとまちゃん用の布団を敷いた。
彼女が未経験であろうとなかろうともう今夜何が起きるかくらいは
予想がついているだろうから。
後は勝手の分からない俺がどんな風に動くかだ。
ほとんど交際期間もなく、それでいて何年もの間身内のように
接してた相手となんて、戸惑うよな。
亡くなった妻の美保子とは大恋愛をし、それなりの年数付き合って
結婚した。もちろんSEXしたのは恋人時代だった。
世間で言うところの初夜はすでに初夜ではなかった。
美保子との初めては普通のホテルだった。
お互い熱くなって機が熟した時、まさにって時にひとつになった。
だからどうしてこうしてなんて、段取りなんて考えることなく
通過した。
熱くもなっていない今、段取りばかり考えてしまい、正直憂鬱だ。
まだ交際らしい交際も数こなしてない状況でこんなシチュエーションを
リクエストしてきた義母を恨みたくなる。
結局俺たちは話す話題も見つからず、早々に寝ようってなった。
ここで何も無い夜を過ごすことになれば、恐ろしいことにもしかすると
俺たちは夫婦生活の無い、大の為だけの仮面夫婦になったりはしないのか?
と不意にそんなことが脳裏を掠めた。
駄目だ、男だろっ!
頑張れっ、オレ!




