幸せの青い鳥は・・28
28.
"Time travel タイムスリップ 19"
結婚を前提とした付き合いを義兄からクリスマスイブの数日前に
申し込まれた。
大のクリスマスのお願いを皆で聞いた後のことだった。
好きだった人からの申し込みは、天にも昇るほどの心持と言えるくらいに
とてもとてもうれしいものだった。
ただ、あのタイミングでっていうのが正直心に引っ掛かかった。
今のいままで義兄からの好意を感じたことがない中での
交際の申し込みだったので、うれしさの後で冷静になって考えてみると
違和感湧きまくりなのだ。
私は自分というものを比較的知っているつもりだ。
実の姉が人も羨むほどの美貌に恵まれていたせいで、よけいそれは
顕著かもしれない。
好きな人と付き合えるなんて・・
ずっと好きでいた人と結婚できるかもしれないなんて・・
何の取り得も無い自分のような女にとってこんな僥倖はそんなに
ううん、無くったっておかしくないというのに、こんなチャンスが
巡ってきたのだから、理由なんて考えずに・・例え義兄が大の願いを
叶えてやりたくて私に交際を申し込んできたとしても、とやかくグタグタ
余計なことは考えず、前に進めばいいんだ、そんな風に前向きに
考えるのよ都眞子、そう私は自分に言い聞かせた。
28-2.
初めてのデートは大を連れての初詣だった。
知らない間柄でもなく、子供のいる人とのデートってこんなものなの
かもしれない。
両親が私たちの付き合いを気遣ってか、今までなら大を送って行き
義兄の帰りをふたりで待って、帰宅していたのだけれど、泊まって
くればいいと言うようになった。
・・・
多忙で今夜も残業していると、メールが届いたのに気がついた。
義母からだ。
「義仁さん、今日も都眞子が大ちゃんを送っていくと思うけれど
義仁さんの帰りが遅くなるようだったら、都眞子と話をする時間も
無いでしょうから都眞子をそちらに泊まらせてもらったらと思います。
都眞子にもそう言いつけてありますから」
はぁ~、参った。
まだ交際宣言してから初詣に出掛けたのが初デートだっちゅうのに
お泊りOKもらっちゃたよ。子供じゃないんだからこれがどういう
意味かくらいはおよそ見当がつくわな。
なっ、なんか・・帰るの、緊張してきたぁ~。
四十になってこんな緊張感を味わう日がこようとはぁ。 はぅ。




