幸せの青い鳥は・・24
24.
"Time travel タイムスリップ 15 "
食事を終えて席を立ち、じゃぁ、また今後会ったらその後の進展を
教えろと言って歩いて行った奴の背中に、今日は話につきあってくれて
ありがとな、と声無き言葉を投げた。
若林の意外な意見は少なからず義仁に影響を与えた。
恋人時代から、そして結婚してからも妻だけを見つめてきた義仁には
若林の言うことを100%鵜呑みにはできなかったけれど。
それは無理もなかった。
だって義仁は妻を女性として一番輝いていた時代に亡くしたのだから。
取り敢えずOKとも断るとも返事はしていない、のだから
まだ猶予はあるよなぁ、という気持ちに義仁はなっていた。
若林の意見を聞くまでは、考えさせてくださいのひと言で
断ったつもりでいたのに……だ。
義仁は今まで都眞子のことはそういう対象として見たことがなかった。
……が
返事を待ってもらっている間にもっと都眞子のことを意識して
考えてみようという気にはなったのだった。
いやいや、若林に会う前までは義両親も自分の返事が
断りであると分かってくれていると解釈していたはずなのに……
自分の気持ちに変化ができると相手の受け取り方まで
自分の中で微妙にスリ変えていた。
24-2.
……打診
だがあれから義両親より、全くと言っていいほど都眞子との話題を
出されることはなく、なかなか決心のつけられない義仁にとって
何も知らないはずの都眞子にいきなりふたりの将来のことについて、話を
振るなんてことはできようはずもなかった。
刻々と何も決められないまま……
何も決まらないまま……
時だけが過ぎていき、義両親から提案を受けた9月から気が付くと
寒さが身に染みる12月になっていた。
そして全国中の子供たちが喜び期待するイブがやってくる数日前。
早めに仕事が終わり大を義両親の家へ迎えに行った時のこと。
◇ ◇ ◇ ◇
義両親ととまちゃんが大のプレゼントの準備の為に大に聞いた。
「そそっ、大、クリスマスにはサンタが来るけど欲しいモノ何か
もうお願いしてるのか?
「秘密……秘密だよ」
それを聞いたとまちゃんが大に近づき……
「ね、とまちゃんだけには教えてくれるよね?」
と、聞き出しにかかった。
俺や義両親はふたりのやりとりに興味津々で、その時を待った。
とまちゃんだけに、なのに、大は普通の声音で秘密を彼女に
話したのだった。




