幸せの青い鳥は・・105
105.
" The present time-現在 16 "
~ 都眞子、離婚後 5 ~
「お義兄さん、わたし・・」
「とっ、とまちゃん・・ちょっ、と待った。
俺はね今すぐ返事が欲しいわけじゃないんだ。
だから今即答しなくていいよ。
返事は1年先だって構わないんだ。
良い返事が聞けるまでずっと待ってたいんだ」
そんな、何でそんな大切なことをあの時話してくれなかったのか?
私は義兄を恨みたくなった。
あの時、どんなにわたしがそのことで悩んだか。
あの時、ちゃんとひと言、私のことが好きだと言ってくれたなら
好きだから別れたくないって言ってくれていたら・・。
あの時は、好きだったお義兄さんを振り切る為もあって、前々から
信頼がおけて心を預けられる土筆くんにさっさと乗り換えたわたしだけど
流石にあっちがだめなら、すぐにこっちっていう風に割り切ることは
できない。
できません、お義兄さん。
105-2.
とまこ、そんなこと言ってまた好きな人からの申し込みを断るつもりなの?
アンタ馬鹿なの?
大の大人が、言いにくいことを私なんかの為に吐露してくれたって
いうのに、けんもほろろにまた断ろうっていうの?
ほんとにそれでいいの?
私が身の内で葛藤していると、義兄が徐に席を立ち
返事はまた今度聞かせて、と言ってレジで精算してさっさと帰ってしまった。
お義兄さんの不器用な言動を見ていて、私は義兄の私への気持ちが
本当なのだなぁと、ここにきて信じることができた。
「何だかなぁ~、なんだかなぁ~」
義兄の居なくなったテーブルで独り気がつくと、呟いていた。
返事は1年先でも構わないと義兄は言った。
OK以外の返事を待つためなら、一生待ちそうな様相を感じた。
義兄の本気度が、徐々にじわっじわっと私の胸に届いてきて
どうすればいいのか分らなくなってしまった私は、泣いてしまいそう
だった。
ただ足踏みするしかない私はどこへ向かっていけば良いのか
ただただ大変なことを聞かされてしまったと、途方にくれるばかり
の私がいた。




