幸せの青い鳥は・・100
100.
" The present time-現在 11 "
~ 都眞子、結婚後 11~
「自分の気持ちに嘘はつけないから・・離婚してほしい」
「やだっ、何言ってんの・・ちょっ、止めてよそんなこと言うの」
「これ」
土筆くんが差し出して来たのは緑の紙だった。
もう彼のサインと保証人のサインが書かれていた。
私はそのサインの文字から目が離せなかった。
「私のこと、嫌いになった? 」
震えそうになる声を抑えて私は彼に尋ねた。
彼はそれには答えず、ただ私に謝るだけ。
「ごめん、ほんとにごめん。
まだ暮らし始めて1年にもなってないのにこんなことになって」
と言ったきり、彼は自室に篭ってしまった。
これから少ししたら晩御飯っていう時間帯で、食欲も出なかったんだけども
食事の時間になって彼の部屋をノックしてみた。
いつ出て行ったのか、もぬけの殻でよくよく見てみるとスーツや私服諸々
すぐに必要なものも彼と一緒に部屋からなくなっていた。
冗談などではなく、彼の発した言葉は本当で現実だったのだと
悟った。
「終わった、私の楽しい時間が終わってしまった」
余りに幸せだったから、それを手放さなければならないと思うと
私はとても辛かった。
ほんとうにほんとうに、こんなに辛いことが
自分の身の上に起こるなんて、信じられなかったし信じたくなかった。
もう好きじゃないって言われているのと同じなんだから
さっさと離婚届にサインして土筆くんを自由にしてあげないといけない
そう思った。
私の両親はもちろん、カンカンに怒った。
義両親や華さんからは、謝罪された。
私は彼を執拗に追い詰める嫌な女になりたくはなかった。
なので、彼の要望をすんなりと聞き入れたのだった。




