幸せの青い鳥は・・10
10.
"Time travel タイムスリップ 1 "
突然、両親から改めてお礼を言われ、私びっくり。
「とまちゃん、大のことすまないね」
「えーっ、いきなりどうしちゃったのぉ?
私、大のことちっとも負担に思ってないしぃ・・。
大の世話は楽しいわよ。今はね、少子化で私みたいに幼児の時から
身近で接するチャンスのある人間はすっごく少ないと思うから
そういう観点からも私はむちゃくちゃラッキーだと思ってるくらい。
大は私の天使だよ、ってここまで言ったらちょっと照れるけどさ」
私はまだ若く健康だし、大の全てに関わっているわけではなく
帰宅後と休日のみのお世話だったから大変なんて思ったことは
なかったので、両親からの労いの言葉に少し驚いた。
それに本当に天使のような大の側にいられるなんて幸運だと
思ってるからね。
返した私の返事に両親は顔を見合わせて何やらモジモジしている。
10-2.
・・・佐和子の胸中
私たちの娘で次女の都眞子は29才を間近に控えている。
長女が孫の大を残して亡くなってから3年が過ぎようとしている。
とにかく家族一丸となって大を守る、育てる、慈しむをスローガンに
ここまで私も夫もそして娘の都眞子も頑張ってきた。
無論、義息子の義仁さんもね。
そんな中、都眞子の29才の誕生日を思い、ふと立ち止まって考える時間を
持った。後1年もすれば娘も30才。
いくら昔と違い現代の女性の結婚が晩婚化しているとはいえ
ここは親たるもの、娘の将来を慮り、決断の時ではなかろうか
そんな想いに私は囚われた。
父親である夫の気持ちも私と同じだったようで、私たちは時を同じくして
都眞子の将来について話し合うこととなった。
都眞子が大事なように孫の大も大切なのは同じで、大が都眞子を
姉の美保子の代わりに母親のようにべったり甘えて育つ姿を間近で
毎日見ている私たちにすれば、都眞子の結婚問題はそう簡単なもの
ではなかった。
さりとて、大が不憫だからと都眞子の幸せをおざなりにして
良いわけがない。
ここは我々が一肌脱いで都眞子の幸せを考えてやらねばと思う。




