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スライムだって胸パッドにはなるし  作者: 垂直わーるど
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相棒

「何をしておる!」

 鋭い声がかかって、ドワーフ女は力を緩めた。続いて、その手を青髪女の胸元から出す。

 ドワーフ女の脅威から逃れて、オレはひとまずはぁーーーと息を吐いた。全身がひりひりと痛い。


 ドワーフ女は、と見ると妙にかしこまった気をつけの姿勢で、彼女に鋭い声をかけた相手の方を向いている。(こちらには背を向けている)


 と、ドワーフ女が何かに気が付いたように飛んできたなにかをつかんで瞬時に後方(つまりは青髪女の方)に投げてきた。

 見ると、ホウじいさんだ。


 ドワーフ女によって遠くに投げられたホウじいさんだったが、いつの間にか自力でもどってきていたらしい。

 たぶん、ドワーフ女に何か反撃をするところだったのだろう。ホウじいさんの鋭い爪が一瞬だけドワーフ女の頭をかすめ、それがそのまま青髪女に飛んできたのだからたまったもんじゃない。

 ドンくさい青髪女は、「ふぎゃっ!」と顔面でその爪を受けて、涙目になりつつ、(たぶん無意識に)ホウじいさんを自分の左胸に押し込んだ。


 隣に同じ大きさのものがもう一つあるというだけで安心する。それがたとえ種族の違うフクロウであってもだ。


 ああ、安心する。


 そんなオレの気持ちを読んだかのようにドワーフ女が言った。

「まずいな」

「え?」

と青髪女。

「なにが?」

とオレ。

「お前ら殺されるかも」

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