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神話
この国には神話があった。
昔々、男神と女神の二柱の神が棒で大鍋の混沌をかきまぜ陸地を産み出した。
次に植物を産み出し、動物を産み出し、知性のある生き物を産み出した。
そうしてたくさんのものを産み出してもまだ多くの混沌が大鍋に残っていた。
しかし思いつくすべてのものを産み出した神は満足し、鍋に混沌を残したまま立ち去ったのだという。
その残された混沌から勝手に生まれたのがスライムだ。
ひとつのスライムが生を得ると、そこからまた新しいスライムが生まれる。
そうしてありとあらゆる個性的な色のスライムを産み出したのち、大鍋は役目を終えたのだという。
すなわち、スライムはもっとも命の源に近い存在であるともいえる訳で、生き物としての可変性可塑性可能性が最も高い存在ともいえるわけで……
スライムとしての命を終えたとある個体が、元の人間の姿にもどって、裸の子供のような姿で深い森の中に落とされていても不思議ではない――




