ワシ
「あ、フクロウ」
青髪女が言う。
「そう。ワシはフクロウじゃ。ホウ」
そう言ってフクロウは胸を張った。
「ふ、フクロウなのにワシって最高っすね。ぶっ」
「そうじゃろ。おぬしなかなか冗談が通じるヤツじゃな。ホウ」
「いや、本当。最高っす。わっはっはっは」
俺が笑うと、青髪女が悲鳴を上げて俺を押さえた。
「体を震わせないで! 自分の意志とは関係なく胸が動くのってすごく気持ち悪いんですけど」
「そもそも元々揺れるほどの胸は無かったからな」
俺が言うと、フクロウも冷たい目で同意を示した。
「その気持ち悪さも巨乳の醍醐味じゃ」
「え~? そうですかぁ?」
「まぁ、よくわからんがな」
そりゃそうだろう。フクロウも俺も胸の大きさとは無縁の生き物だ。
「と、とにかく。わたしのおっぱいのバランスが悪いということはわかりました」
「俺はおまえのおっぱいではないがな」
「んん? えっと、わたしの胸とスライムさんの体のバランスが悪いということはわかりました」
「そうそう」
「なので、もう一体スライムさんに協力をお願いしたいのですが……。お願いしたいのですが……」
「おりょ? みんながいない?」
俺は青髪女のワンピースの胸元から首を伸ばして周囲を見まわした。
さっきまで大勢のスライムたちが惰眠を貪っていた木陰にも、大スライムが好んでよく寝ている岩場にもきれいに誰の(スライムの)姿も無い。
「あっれぇ???」
「それはきっとアヤツのせいじゃろう。ホウ」
フクロウが羽を伸ばして、俺と青髪女の後方を指さした。
「ん?」
後ろを振り返って、俺と青髪女は同時に悲鳴を上げた。
「ギャー! ドワーフ!」
「きゃー! 王兵!!」
そこには鎧を着たドワーフの姿があった。