宇宙食堂
ここ――宇宙厨房のドアをくぐった瞬間、魔法の気配を感じた。
たぶん、移動魔法的なものであり、今いる場所は城内のとあるドアの先にあるべき部屋ではなく、どこか別の地点にある建物のどこかなのだろう。
そう考えるのが自然である。ここはあまりにも広すぎるし、室内を満たす空気も城のものではない。
ただ、ここでにぎやかに食事をしアルコール等を摂取しているヤツらは城内の気配を持つものが多い。やはり兵卒が多いか。
妙に身体能力の高そうな者が多い気がする。
宇宙厨房――とはいっても、正式には『厨房』ではなく『食堂』と称した方がいいかもしれない――の店内のテーブルは木製。各テーブルにおおむね椅子が八個配備されているので、たぶんトールマンサイズの八人掛けだ。
それが無数にあり、端が見えないほど奥まで続いている。
そして客の数も多い。
こんな場所で、シンデレラの秘密を聞き出すような真似は避けた方がいいだろう。
そう思い、口を開こうとしたところで、異常に気が付いた。
オレの目の前に置かれたジュースの表面が不規則に波打っている。地震ではない。一瞬何かの魔法かとも思ったが、それよりも物理的なものだ。
上を見あげる。
そしてそこにあるモノを見て、観念した。
あざやかな羽に彩られたグリフィンが天井の梁におり、こちらを見下ろしていた。その羽がゆっくり羽ばたいており、その風がグラスの水面を揺らしていたのだ。
こちらが存在に気が付いたということを向こうも認識をした。
そうして、その認識で改めて周囲に目を向けると、鳥族やその関連種族(バジリスクやフェニックス、ガーゴイルまでもいる)の多いこと多いこと。
気が付くと、オレたち三人は鳥族連中に周囲を包囲されていた。




