液状化
そこまで一息に話したところで、オレは口をつぐんだ。
あれ? ぜんぶ話しちゃっていいのかな?
いや、その前に大事なことをまず最初にいのいちばんに確認しておかないと――
「あ、あのさ。ホウじいさんは――――――グェ」
押しつぶされて変な声が出た。
上にのってるのは、あいつだ、あいつ。
「もおー、もうもうもう。スラちゃん、すっごいすっごい探したんだからねっ」
「わ、ワナワナ……」
重いんだけど……
「てっきり、ぼくわぁ。ぼくの体ってほら大きいでしょ。だからぁ、てっきり、スラちゃんを踏みつぶしちゃって、液状化させちゃったかと思っちゃったよぉ」
「い、今、今この瞬間にも液状化しちゃいそうなんだが……」
苦しい……
「え? なんで?」
「おまえが重いからだ……」
「え、あ、ほんとにぃ? あ、ごめんなさーい」
やっと体の上のものがいなくなった。軽くなったはずだが、体はまだもとの形にもどらない。
「あ、やだ、スラちゃん。その形もキュート」
「そりゃどうも」
まだ声もまともに出せない。オレは軽く咳払いをした。
気付くとホウじいさんの姿が消えていた。頭上に目を向けると、枝にとまっていた。
「ホウじいさん!」
呼び掛けると、ワナワナもそちらに目を向ける。
「わぁ、かわいいフクロウさん。お友達?」
ホウじいさんが羽を膨らませ、身震いする。
「申し訳ないが、ワシはケルピーが苦手でのう」
「ううん。気にしないで。そういう子が本当に多いの」
「そうか、すまんの。じゃあ、ワシは城に戻るでの」
「ホウじいさんはお城のどこにいるの?」
「宇宙厨房じゃ」
言い置いて、ホウじいさんは飛び去った。




