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学校生活にこんな魔法はいかがですか?  作者: 炎尾
生活魔法で知り合おう。
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自己紹介

入学式の翌日、ワイワイとクラス発表がなされている掲示板の前に人だかりができている。工藤はその人ごみをうまくかわしながら掲示板を見ていた。


「さて俺のクラスは何処かなっと。」


掲示板には自分のクラスは1-Bと書かれていた。


「ったくなんでこんな面倒な発表の仕方をするのかね・・・?」


クラスの教室に移動しながらぼやく工藤。それもそのはず。生活魔法が広まっている世の中でわざわざ掲示板なんかを使ってクラスを発表するのだ。よっぽどこの学園の先生は頭が回らないんだろう。

そんな風に考えながらもクラスに到着し扉を開ける工藤。そこには黒板に席は自由とでかでかと書かれている。軽く見渡すとそこにはクラスで友達を増やそうと話しかけているもの、緊張しながら椅子に座っているもの、ケータイをいじっているもの、生活魔法を使いレトルトカレーを温めるものと様々である。


「いや!最後のはおかしいだろ!」


「いったい何がおかしい?朝ご飯を寝坊で食べられず今軽食を取ろうとしているだけだろう。」


「そんなことしたら教室にカレーの匂いが漂うだろうが!」


この教室にいる人間はこう考えていただろう。ツッコむべきはそこじゃないと。


「ってお前だったのか変態。」


「誰が変態だ!俺は正治だ!昨日自己紹介しただろうが!」


「まぁまぁ落ち着け。今日はちゃんと制服を着てきたみたいだな。」


「?お前は何を言っている?学校に制服を着てくるのは当然じゃないか?」


「お前にその常識があったことに俺は真剣に驚いている。」


くだらないことを話していると徐々に座席が埋まり、学校特有の鐘が鳴りクラスの担任がきて朝のHRが始まった。


「おはよう。今日からこの1-Bクラスの担任となる佐藤だ。一年間よろしく頼む。」


佐藤先生は適当な自己紹介をしながら連絡事項を話していく。


「今日の予定は部活紹介がある。体育館で行うからその時は指示に従うように。あとこの後に一時間取ってあるHRで自己紹介をするからな。みんな適当な自己紹介を考えておくように。」


そういって教室を出ていく佐藤先生。周りがざわつきながら自己紹介を考える中、正治と工藤も同様に自己紹介を考えていた。


「なぁ正治。自己紹介ってなにをすればいいと思う?」


「それはあれだろ。自分の趣味とか得意なこととか適当に言えばいいんじゃね?」


「なるほど。ちなみに正治はどんな自己紹介をするつもりだ?」


「俺は魔法使って女子から黄色い声援を浴びようと思っている。」


そういって魔法陣をちらつかせながら自慢げに話す。


「黄色い声援って。くだらないこと考えてんだな。」


「くだらないとはなんだ。せっかく高校生になったんだしモテて恋愛とかしたいだろ!」


「お前の常識から外れた頭じゃ無理だと思うがな。」


「くっ!これだから顔面偏差値が高い奴の発言はイラつく!」


「ん?どこ行くんだ?」


「トイレだよ。」


そういって教室のガラガラと音を立てながらドアを開ける。そこで工藤が昨日の出来事を思い出し正治に忠告をする。


「そうか。ただ間違って女子トイレに入るなよ。今は制服もちゃんとしてるんだからな。」


「大きなお世話だ!」


そしてHRの時間となり宣言通り自己紹介の時間が始まった。


「そんじゃ自己紹介してもらうかな。窓側の席の奴から頼む。自己紹介する奴は教卓の前で行うように。」


佐藤先生が軽い指示を飛ばし窓際の席にいる生徒から自己紹介を始めた。

ちなみに正治と工藤は廊下に近いところに座っている。


「加藤玄太です。趣味はカバディ、特技はセパタクローです。一年間このクラスで~・・・」


やたらとマイナーなスポーツが得意な自己紹介から始まり順調に進んでいく。

そして正治が教卓の前に立ち、自己紹介を始めた。


「近藤正治です!趣味はゲーム、漫画、特技は生活魔法です。一年間よろしくお願いします!これだけでは味気がないので魔法を使って一発芸をやりたいと思います。」


そういっておもむろにハンカチと何かが書かれている紙を取り出した。


「今から一瞬だけ魔法で有名なイケメン俳優の顔になります。うまくいったらカッコいいー!みたいな黄色い声援をお願いします!それでは始めます。先生はこの紙に書いてある魔法陣の発動ををお願いします。ドラムロールをイメージしながらで発動できますのでお願いします。」


「ん?ああわかった。」


そういって佐藤先生が魔法を発動するとドラムロールが鳴り出した。無駄にハイクオリティである。

ハンカチを顔の前に被せドラムロールが鳴り終わるとともに正治はハンカチを取る。

すると


「キャーカッコいいー!」


と聞き苦しいクラス全体から野太い歓声が飛んだ。


「これは違う!俺が求めていた結果と180度違う歓声だ!」


教卓をドンッと叩き悔しそうな声を上げながらクラスから笑いが起きる。そして顔を変える魔法の効果が切れ元の顔に戻る。

そこでふいに目に入ったのはニヤつきながら「近藤正治の自己紹介では男子のみで歓声を上げて」と書かれた紙をひらひらと見せびらかすように持っていた工藤の姿だった。


「てめぇ!工藤やりやがったな!」


こんな自己紹介は嫌だ(笑)

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