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学校生活にこんな魔法はいかがですか?  作者: 炎尾
生活魔法で知り合おう。
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生活魔法で子供たちに好かれよう。③

お昼ご飯は孤児院が用意したもので子供たちと一緒に済ませ、復活した桜率いる生活魔法研究会は本番に向けて準備を始める。そこにはいつもと違う雰囲気が漂っている。


「桜先輩。茜と一緒にやってた機材の準備は終わりました。」


「姉さん。こっちの魔法の準備もひとまずいつでも使える状態だぞ。」


「オーケー。そしたら一回リハーサルをしましょう!」


いつもとは違う真面目な顔つきには理由があった。それは少し前にさかのぼり昼食の時間に戻る。





「いやー遊んだ遊んだ。」


そういって美咲は子供たちのいる場所から離れ昼ごはんの準備をしていた。といっても出来上がっているものを配膳するだけなのだが。


「ただいまー。やっと鼻血が止まったわ。」


そういって美咲の元に医務室で休憩していた桜が戻ってくる。


「おかえりー。ご飯の配膳してるから桜も手伝って。」


「オーケー。」


そういって桜は美咲の手伝いを始める。


「どう?ここでの子供たちとの触れ合いは?」


「もう最高ね。しばらくここに居たいくらいだわ。」


興奮した面持ちで桜は言う。


「そっそう。そう気に入ってくれてなによりだよ。とりあえずあんまり興奮してまた鼻血を出さないようにしてね。僕は介抱しないよ?」


その食い気味な桜の返答にに少し引きながら美咲は相槌を打つ。


「大丈夫よ。あと残すのは午後からの出し物だけね。」


「うん。そうだね。僕たちはしっかり準備してきて子供たちも気に入るものに仕上がってる自信はあるよ。桜の方は?」


「私たちも準備自体は大丈夫よ。たぶん子供にも気に入られるとは思うけど。」


「んんー?自信ないのかな?」


桜の少し微妙な返答に美咲は食いつく。


「出し物自体には自信あっても子供たちが気に入るかどうかはわからないじゃない?だからなんとも言えないだけよ。」


「そうかそうか。なら僕たちの出し物やった後だと子供たちの興味が向かないかもしれないね~。」


その挑発じみた言葉に桜が食いつく。


「何が言いたいの美咲?」


「だってね。僕たちがやるのは相当準備した代物だし?たった一週間ちょっとで準備したものに負けるわけないよねって思ってるだけだよ?」


一週間ちょっとの準備を強調して美咲は言う。それだけ時間を掛けてきたものに自信があるようである。


「上等じゃない。一週間で作った私たちの出し物がどれだけすごいか見て驚く姿が目に浮かぶくらいよ。」


「そうそう。そうこなくっちゃ。生活魔法研究会の力を拝見させてもらおうじゃないか。」


そういって配膳の準備を終えた二人は子供たちを呼びに行き、この話を桜は準備した面々に話した。すると。


「上等じゃないか俺の魔法が一週間もあれば何でもできることを見せてやろうじゃないか。工藤の方はどうかわからんが。」


「俺が準備したものがたかが一週間で出来るクオリティだと思ったら大間違いだ。正治はの方は知らんが。」


「「ああん?」」


桜は美咲に煽られ、桜から聞かされた話で互いに煽りあう正治と工藤。そして生まれたのが部員全員が真剣に準備をするという結果につながったのである。ここで話は冒頭に戻る。



「よし、とりあえずブラックアウト発動するぞー。」


そういって正治は魔法を発動する。


「それじゃこっちもつけるぞ。」


そういって工藤は機材に電源を入れる。


「レーザーポインタはちゃんとつきますか?」


「大丈夫よ茜ちゃん。これはちゃんと使えるみたい。」


レーザーポインタの調子を確かめる茜と桜。


「桜先輩。ちょっと暗くてカンペが見えないです。」


「そっか。忘れてた。ちょっと懐中電灯あるか院長先生に聞いてくるね。」


「ああ。それなら私が行きます。桜先輩はこのまま準備を続けてください。」


「オーケー。そしたら頼んだよ茜ちゃん。」


準備は急ピッチで進んでいく。現在の時間は13時。残り一時間である。


「桜先輩、懐中電灯借りてきました。」


「わかったわ。そしたら一回リハーサルしてみようか。」


そういってリハーサルを行い、30分くらいかけて最終調整を進め始める。


「んーちょっとこの懐中電灯明るくてメインの部分に支障出ちゃうかもしれないね。正治?」


「ああ。ライトの魔法陣をいじりゃいいんだろ姉さん?」


「ご名答。そしたら頼むわ。」


そういって桜は工藤と調整の反省をし始めた。


「ここをこうしてっと。よしできた。二階堂さん。光の強さを確認したいからちょっと発動してみて?」


1分もしないうちに魔法陣を書き上げ光に魔法の発動を促す。


「相変わらずの速さだね。でも私だと発動しながら準備したナレーション読むのは魔法の維持できなさそうだから少しきついかもしれないよ?」


「そうか。なら姉さんに頼むか。」


そういって正治は桜に相談に行き、最終調整をこなし本番まで休憩となる。




「ふぅ。」


一つため息をつきながら光は準備をしている部屋から出て軽く外に出ていた。彼女は緊張していた。なぜなら運動関連がさっぱり出来なかったため表彰とは縁が遠く、あまり人の前に立つ経験をしてこなかったためである。


「どうしたの二階堂さん?」


そこに同じく休憩にやってきた正治が来る。


「いや。ちょっと緊張しちゃってね。」


「なるほど。」


その話を聞いて今の様子の光に納得する。


「まぁここは孤児院で子供も10人くらいしかいないから失敗しても大丈夫じゃないか?」


緊張をほぐそうとする正治だが今回の光の様子はそれだけでは緊張が解けそうな状態ではなかった。


「そうは言ってもさ。そんなに気楽になれないよ。」


「それはどうして?」


「だってね、私ここに来るまで役に立ってないんだよ?正治君は魔法の準備とかしてたでしょ?私は桜先輩と二人でナレーションの準備、ここでナレーションを読むことしか出来ることがなかったんだよ。そしたらよけいに失敗できないと思っちゃうんだよ。」


そう。光は自分が役に立てないことを気にしていた。魔法は正治がすぐに準備する。必要な物は茜が準備する。機材の作成、果てはアイディアを出すというのは工藤が。そして桜は全体の指揮を取り光と一緒にナレーションの準備までしていた。そう考えると光はここまで準備したみんなのためにと思いより緊張を高めていた。


「ふーん。じゃあ成功させないとね。」


「あはは。だから緊張をほぐそうとしてたんだけどさ・・・」


少し乾いた笑いをする光。それを見て正治が動く。


「ねぇ二階堂さん。緊張してるのが自分だけだとでも思ってる?」


「?だって正治君あれだけ魔法に自信を持ってた・・・」


そこで光は正治の足元に目が行く。そこには結構なレベルで足が震えている正治の姿があった。


「大丈夫正治君?すごい足震えてるよ?」


「これは武者震いだ。気のせいだ。緊張なんかぜんっぜんしてないぞ?」


言葉には虚勢しか感じられない。


「ふふっ。緊張してたのは私だけじゃなかったんだね。」


「だから緊張なんてしてない。してないぞ?ただ姉さんとかも美咲先輩とかに啖呵切ったようだし失敗できなくて緊張してるんじゃないかと思っててな。いやだから緊張してるのは二階堂さんだけじゃないと思うぞ。」


正治はどんどん早口になり緊張を全然隠せていなかった。


「そんな状態じゃ説得力が全然ないよ?」


「もうそこに触れないでくれ。」


「はいはい。そしたらそろそろ時間だしもどろっか。」


時間は13時50分。もうすぐ出し物を行う時間となっている。


「その前に手出して二階堂さん。」


「?」


正治に言われるがまま小さい手を出す光。その小さな手を正治は両手でギュッと強く握る。


「ふぇ!?」


あまりに唐突な行動に混乱し声にならない声を出し光は顔を紅潮させる。だがその光の手を握る正治の手はとても冷たかった。


「緊張するとな俺の場合だけかもしれんが手がどうしても冷たくなるんだ。どうやら二階堂さんの手も冷たかったようだけど。」


「うっうん。そんなに冷たかったかな?」


「うん。冷たいよ。だから少しでも手を温めれば少しは緊張がほぐれるかなって思った。」


そういって無言になり正治は10秒ほど手を握り続け、少しは手が温まったのか手を放した。


「もういいの?」


「ああ。冴えない男に手を握られ続けるのもいいもんじゃないだろ。ごめんな。」


「いっいや。私も緊張してたから別にいいんだよ!」


少し先ほどまで手を握られ恥ずかしそうにしながら光は答える。


「ただこれ姉さんとやるには恥ずかしいし、男同士でやるのもなぁ。茜ちゃんにやったら殺されそうだし。」


「消去法で私を選んだの?それはちょっと悲しいなぁ。」


「いやいや。そういうわけじゃなくてな。手を握るなら可愛い女の子の方がいいだろ。」


その正治の言葉に光は顔を赤くする。その顔を見られたくないからか少しそっぽを向きながら話を続けた。


「しょうがない。少し緊張がほぐれたから今のところはそれで許しておいてあげよう。」


「はは。ありがとな。それじゃ今度こそ戻ろうか。」


「そうだね。」


そういって戻る二人。緊張をほぐすために正治に握られた光の手は先ほどよりも温かくなっているのだった。


明日の投稿でなんの出し物をやるか明らかに!

ちょこちょこふざけすぎてそういやそんなことあったなと忘れられてるかもしれませんが(笑)

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