生活魔法で子供たちに好かれよう。
5月5日孤児院ボランティア当日。先に工藤の家に寄ってから孤児院の前に集合した5人は多めの荷物を抱えていた。
「結構荷物になるものでスマンな。」
そういって工藤が謝る。
「気にすんなよ。これが今日のメインに必要なんだ。むしろ魔法がおまけになってる気もするくらいだ。」
「そうそう。こういったときは部員同士でしっかり協力しないとね。」
「そういってもらえると助かります。」
そう近藤姉弟に言われながらボランティア部の人が来るまで待っている中、その少し後にボランティア部と佐藤先生がやってくる。
「おーもう来てたのか。」
「ごめんね。僕たちも準備したもの持ってくるので少し遅れちゃったよ。」
そういって美咲は遅れてきたことを謝罪する。そこで生活魔法研究会の部員の一人とは違う茜に気づき挨拶をする。
「あっ茜ちゃんじゃない。今日手伝ってくれるのって茜ちゃんだったんだね。」
「姉御!今日のボランティアに姉御がいるなんて聞いてなかったですよ!」
「「「あっ姉御?」」」
そこで近藤姉弟と工藤が首を傾げる二人にその関係性を聞く。
「いるとは思ってなかったから紹介するけど私の家は道場やってて護身術を教えてるんだよ。そこにご近所だった茜ちゃんもちょくちょく来て教えてたんだよ。」
「あー。道場の話は知ってたけどそこに茜ちゃんも通ってたわけね。あの時投げてきた彫刻刀は護身用だったわけね。」
「どうりで私たちに向ける敵意の視線が怖かったわけだよね。本気ってのもあっただろうけどそういったところにも秘密があったんだね。」
そういいながら桜と光は初めて茜と会った日を思い出していた。
「茜?もしかして初めて会った人にそんな危ないものを投げたの?」
「いっいや。しょうがないじゃないですか・・・。お兄ちゃんを取られると思ったので・・・。」
ニッコリしながら美咲は茜ににじり寄る。それに対し言い訳をしながらどんどん声が小さくなり怯える茜。
最後の方の言葉はもはや美咲にしか聞こえない程度だった。
「だからって初対面の人にそんな物を投げちゃいけないでしょうに。これはあれかな?今度きっついお仕置きメニューでもこなしてもらおうかな?」
「姉御ぉ!そっそれだけは勘弁を~。」
その珍しい茜の光景に一同は新鮮さを感じていた。
「僕っ子にあのスタイルと可愛さで護身術を教えてもらえるのか・・・」
「俺はお姉さん系寄りの人間ではないがあれで手取り足取り教えてもらえるなら・・・」
「「これはアリだな・・・」」
ただ茜の新鮮さを感じながらも馬鹿二人の思考はいつも通りであった。
「まぁそれは置いといてまずは院長先生に挨拶に行くよ。」
「美咲先輩その前に一つ聞いていいですか?」
「ん?なんだい光ちゃん?」
「なんかボランティア部の人少なくないですか?」
光の疑問はもっともであった。ボランティア部の部員が美咲を含めても5人しかいないのである。
「あはは。気づいちゃうか。実はねこっちの手違いでボランティアをダブルブッキングしていたんだよ。だから今日こっちに割ける人員が孤児院の院長となじみのある私と子供好きな部員だけなんだよ。そういったことから桜にヘルプを頼んだんだけどね。」
申し訳なさそうに話す美咲。
「だけど子供たちは10人くらいしかいないらしいからたぶん手は足りると思うよ。」
「そういった事情があるんですね。だったら私たちも頑張らなきゃですね!」
「光ちゃんにそういってもらえるとありがたいよ。それじゃ今度こそ院長先生に挨拶に行くよ。」
「おおっ君たちが今日みんなの面倒を見てくれるボランティアの人たちかい?」
そういった院長先生は気のいいおばさんという感じの人であった。
「はい。今日はここにいる人たちで子供たちの面倒を見させていただきます!」
「いやいや有難いねぇ。子供たちは元気だからね、いつも大変だから嬉しいよ。」
「あなたがここの院長先生ですか。私が今日この子たちの引率の先生である佐藤と申します。今日一日ではありますがよろしくお願いします。」
「あらあら。ご丁寧に。こちらこそよろしくお願いします。」
そういって佐藤先生と院長先生は挨拶をする。
「なぁ正治。あの先生まともに挨拶できたんだな。」
「ああ。まったくだ。」
だがこの失礼な会話が先生には聞こえていたようで軽く正治たちの方を向き口パクと他の人に見えないようにジェスチャーでこう伝えた。
「後で殺す。」
その合図をどうやら光も見ていたようで正治たちに質問する。
「ん?なんか先生言ってなかった?」
「ああ。ただの殺害予告だよ。」
「ご丁寧にジェスチャーまでつけてな。」
「この短時間で何をしたらそうなるのさ・・・。そして二人とも平然としすぎてるよ。」
「いつものことだ。気にするな。」
「俺たちもあの先生にはシスコン呼ばわりされて恨みはあるからな。」
「どっちも得がない関係だね。まぁ二人らしいけど。」
そんなやり取りをしつつ院長先生との挨拶もそこそこに子供たちと会うことを促される。
「それじゃ今日は子供たちをよろしくお願いします。連絡のあった通り一つの部屋を開けておきますので準備をなさるならそちらをどうぞ。」
「ありがとうございます。桜。荷物はその部屋に持って行っておくといいよ。」
「わかったわ。それじゃそれを置いて子供たちに会いに行きましょう!」
子供好きな桜は興奮を抑えられないようで、その様子は早く会いたいと顔に書いてあるようだった。
「それじゃ私が先に行ってみんなを呼ぶからその後にボランティア部の人と一緒に入ってきてね。」
そういって美咲は一足先に子供たちの所へ向かった。
「みんなおはよう!元気にしてたー?」
「あっみさきおねえちゃんだー!」
「ほんとだー!」
「おはよー。みさきおねーちゃん!」
そういいながらわらわらと美咲の元に集まる子供たち。全員小学生になる前くらいの大きさである。美咲は何度かここに足を運んでいるためすでに顔を覚えられているようだった。
「ただ今日は私だけじゃないんだ。みんなと遊んでくれるお兄ちゃんとお姉ちゃんたちを連れてきたよ!お兄ちゃんとお姉ちゃんたちのみんなと仲良くしたいから元気に挨拶してあげてね!」
「うんー!わかったー!」
そういって子供たちは美咲の言葉にうなずく。
「それじゃあみんな入ってきて!」
その言葉を聞いてボランティア部の人たちと生活魔法研究会の全員が部屋に入る。
「さてみんな挨拶だよ。おはよーございます!」
「「「おはよーございます!」」」
それに対し部屋に入った部員たちも挨拶で返す。
「「「おはよーございます!」」」
「よくできました!この人たちが今日遊んでくれるお兄ちゃんたちとお姉ちゃんたちだよ!そしたらみんなの自己紹介だよー。できるだけ覚えてあげてねー」
「「「はーい」」」
その後全員が自分の名前を言うという自己紹介をし何をして遊ぶかという話になる。
「さぁみんな?何をしてあそぼっか?」
そう美咲がいうと子供たちはやりたいことを言い始める。
「おにごっこー」
「ブロックあそびー」
「おままごとー」
「そっかそっか!じゃぁ今日は全部やろうか!まずは外も晴れてるし鬼ごっこからだー!」
「「「わーい」」」
そういって子供たちは外に行く準備をし始める。
「それじゃあみんなも外行く準備をよろしく。鬼ごっこだけど子供たちとレベルを合わせてあげてね。」
そういって美咲は外に行く。
「なんかすごいですね美咲先輩。」
そう光がつぶやくと羨ましそうに桜が反応する。
「ぐぬぬ。私もあれだけ子供と仲良くしたい・・・。美咲だけずるい・・・。」
「こんなに早くから嫉妬してどうするんですか桜先輩!仲良くなるために私たちは努力しないとだめですよ!」
そう中学生の茜に言われ立つ瀬が桜はなくなる。
「むぅ!見ときなさいよ!私が一番仲良くなってやるんだからー!」
そういって桜は元気よく外に出ていった。
「ところで何してるの正治君?工藤君?」
「いや外で遊ぶなら日焼け止め塗らないと。」
「俺たちは陽の光で溶けてしまう人種だからな。」
「人間は溶けないよ!ふざけてないで早くいくよ!」
そういって光は二人の手を引っ張り外に向かうのだった。
おお。PV数が1000超えてる。投稿始めてから一か月も経ってないペーペーにしては頑張ったんじゃないですかね?
あらすじもタイトルももうちょっとぱっとするものであればもっと読んでもらえたかもしれないですね(笑)
とりあえずこれからも更新頑張りますので応援よろしくお願いします!




