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学校生活にこんな魔法はいかがですか?  作者: 炎尾
生活魔法で知り合おう。
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入学式 後編

工藤はその男子生徒を二度見し、おもむろにバッグに手を入れる。流れるような作業でパスワードを解除。

今の状況に絶対に必要な最小限の行動でその番号を入力する。


「もしもし!警察で・・・」


「ストップストーップ!こんなことで警察の手を煩わせるな!俺はここの生徒だ!」


そういいながらその男子生徒は警察に電話をしているであろう携帯を奪い、すぐに通話を切る。


「こんなこと・・・?お前は何を言っている。学校に不審者がいたら警察を呼ぶのが当たり前だろう!」


「それは俺がこの学園の生徒かどうかを確かめてからやれ!どっからどう見てもこの学園の生徒だろうが!」


その言葉を聞いて改めて工藤はもう一度相手の恰好を見る。


「いやいや!女子の制服着て入学式に来ている貴様はどう考えても不審者だ!」


「待て待て待て!見た目がおかしいのは否定できん。だがこっちの事情も聞いてから判断してくれ!」


「入学式に女子の制服着てくるような変態にどんな事情があるんだ!常識を考えろ!」


「常識を出されると辛いがそこには日本海溝より深く、富士山より高い訳があるんだ!」


「深さと高さが釣り合ってねぇな!」


ギャーギャーと喚く二人。だが少し落ち着いたのか工藤はその男子生徒から事情を聞くことにした。


「それで?落とし穴より深く、エベレストより高い事情ってのはなんだ?それ次第では通報も考え直してやる。」


「おおっ話が分かるな!なんか深さがすっげぇ浅くなってるけど。」


「細かいことは気にするな。それで何があったら女子の制服を着て入学式に出ることになるんだ?」


「ああ。実はな今日の朝食を食べる際にソースをこぼしてしまってな・・・。替えの制服がないから姉さんに頼んで女子の制服を借りたんだ。」


その話を聞き工藤は男子生徒から携帯を奪い返そうとしたがその男子生徒はそれを避ける。


「最後まで話を聞け!」


「ソースこぼしたからって女子生徒の制服着て入学式来る変態がどこにいる!理解ができない!」


「ここにいる!あと変態じゃない!」


どっからどう見ても変態なのだが携帯を取り戻すのに失敗した工藤は話の続きをしぶしぶと聞くことにする。


「チィッ!それで?」


「露骨に舌打ちしたなお前。まあいい。入学式は午前で終わりだから魔法で容姿を多少中性的な容姿にいじる魔法を作って使用すればやり過ごせると思ったんだ。だけどこれにも欠点があってな。」


その話を聞いて目を見開く工藤。


「お前今なんて言った?」


「ん?欠点があるってことか?」


「いや。その前。」


「露骨に舌打ちしたな。」


「そこじゃない!中盤の魔法を作って容姿を多少いじったって言ってたよな。」


「ああ。言ったな。」


その発言を聞いて工藤はなぜだという顔をする。


「なんで短時間でそんな魔法作れるのにソースのシミを落とす魔法を思いつかない!」


「なるほど!その方法があったか!」


手をポンと叩きその方法があったかと納得する男子生徒。


「むしろなんでその方法を最初に思いつかない・・・」


呆れて物を言うことが出来ない工藤。それもそのはず。生活魔法とは生活の役に立つ程度に使える魔法である。それを短時間で作るというのは容易に出来ることではない。あまつさえ容姿を変えるなんて魔法聞いたことすらないのだ。


「まぁそれはそれとして。この魔法には欠点があってな。サクッと作った魔法で詰めるところまで詰めれなかったから制限時間があってな条件によっては3時間くらいしか持たないんだよ。」


「むしろサクッとそんな魔法作って3時間も持つことがすでに意味不明だよ・・・。」


男子生徒が言ったことが常識から離れすぎていて工藤は頭を抱える。


「ただ入学式が思った以上に終わらなくてな。特に校長の話が長くてこの魔法の維持が怪しくなってきてたんだ。軽く風を生み出す生活魔法で校長のカツラをフッ飛ばしたわけだ。んで魔法の効果時間がギリギリになったから人気のないところで解除してもう一回使おうと思ったところにお前が来たわけだ。」


「ああ。あの風お前だったのか。あれはナイスだった。あれで無駄な校長の話を終わらせたんだからなそこは評価してやろう。」


「痛快だったろう!」


「ああ。」


工藤は校長のカツラをフッ飛ばしたことを聞いて少し態度を軟化させる。


「ふむ。女子制服を着てきた理由はわかった。ただお前の思考回路はさっぱり分からんが校長の件で通報はやめてやろう。だから携帯返せ。」


「おお。話が分かるな!」


そういって携帯を返す男子生徒。そこで工藤の胸についた安っぽい造花に目がいった。


「まぁお前も新入生みたいだしせっかくだから自己紹介しとこう。俺は近藤正治。お前は?」


「俺か?俺は工藤道則だ。」


「工藤か。これからよろしくな!」


「女子の制服入学式に着てくるやつとよろしくしたくはないんだが・・・」


もっともである。


「まぁそういうなよ。」


「わかったよ。よろしくな変態!」


これ以上ないほどの笑顔で変態と言い切った工藤。


「俺は変態じゃねぇ!」


「まぁそういうなよ。そんなあだ名持ってるやつそうそういないぜ!」


「そりゃ大体は警察にに厄介になってるからな。」


「お前もいつか厄介になる日が来るって。そん時はあいつはいつかやると思ってましたってちゃんと証言してやるから安心しろ。」


「それ何も安心できねぇからな!てか完全に俺を見捨ててんじゃねぇか!」


「ソンナンコトナイデスヨ(棒)」


「その棒読みを何とかしてちゃんと目を見てそのセリフを言ってくれ。」


これがこれから学園でいろんな意味で有名になる二人の出会いであった。

なお今日の出来事を姉に話したところやっぱりバレたのかと笑われ正治の家での地位はさらに落ちたという。


できる限り素早い投稿を心がけますのでこれからもよろしくお願いします!

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