ボランティアの出し物の準備をしよう。④
ここでサブタイを変えようと思ったため少し長くなってます。
GW中日の最後の平日。その日先生も含め部室に集まった5人。そのなかで工藤が机に突っ伏しこれ以上ないほど落ち込んでいた。
「ねぇ。なんで工藤君あんなに落ち込んでるの?」
「それはね二階堂さん。彼がとても残念な辱めにあったからだよ。」
「おっそれは面白い話か?」
「私も気になるね。どんなことがあったの?」
佐藤先生と桜が会話に入ってくる。
「彼にとって悲しい事件だったんだよ。」
全員がそう話していると工藤が机に突っ伏しながら会話に入り込んでいく。
「俺は受けじゃねぇ・・・」
「なんかすごい不穏な言葉が聞こえたんだけど・・・」
「実は前の休日にな・・・」
そういって落ち込んでいる理由を話し始めた。
「俺は前の休日する作業がなくなって某アニメショップに行ったんだ。買いに行ったのは試聴して気に入った男性アイドルのCDだったんだ。」
「うんうん・・・ん?」
そこで雲行きがあやしくなってきたため首を傾げる光。そんな中工藤は話を続ける。
「ただその日はGW始めの休日だったために混んでいてな。行列が色んなコーナーを通って入り口付近までの行列になっていた。まぁ仕方なく並んだんだがな。」
「ほうほう。それで?」
佐藤先生は話の続きを促しながらもその様子にある程度予想がついているのかニヤついている。
「そこで行列が進んでいくにつれて俺はあるコーナーに踏み込んだ。それはBLコーナーだった。」
「うっわ。なんて面白い・・・酷な場所なんだろ・・・。」
桜から思わず本音が漏れる。
「俺は背が高いから上にかかっているBLポスターに引っかかり、そこで前にいる女性のお客が俺の持っているCDを見て会話を始めたんだ。」
その会話の内容がこれである。
「ねぇねぇあの人結構かっこいいよね。」
「そうだね背も高めでいい感じの人ね。」
「それでどっちかしら?」
「あれは鬼畜攻めと見せかけて実は受けね!」
「だよねー」
その会話の内容を話した後彼はこう絶叫する。
「俺は受けなんかじゃない!ノーマルだ!BLのネタなんかじゃない!」
その言葉を聞き佐藤先生と桜は爆笑し、光は同情の視線で見ていた。
「ぎゃははは!ポスターに引っかかり受け扱いか!」
「アハハ!持ってるCDもそう勘違いさせるスパイスになってるってわけね!」
「そんなに笑ってやるなよ。いくらBL向けの顔してるとはいえこいつは悲しんでいるんだぞ!」
「正治君、それフォローになってないよ。それは悲しい事件だったね工藤君。」
そういって光は落ち込む工藤を慰める。
「ああ。二階堂さんだけだ。俺を慰めてくれるのは・・・。みんなこの話をすると俺の事を笑っていくんだ。」
だが次の光の慰めの言葉によってまた崩れ落ちることになる。
「大丈夫だよ!なんか友達が漫画研究会で正治君と工藤君でBL本作ってるって言ってたけどそこでは工藤君は攻めで書いているって言っていたから!」
「な、なんだって・・・」
「ちょっと待て二階堂さん。その話によると俺も被害者になっていないか・・・?」
そのセリフにまた佐藤先生と桜が笑い始める。
「もう・・・やめてくれ・・・笑いすぎて息が出来ない・・・」
「もう・・・だめ。光ちゃんその話は反則だよ・・・。」
少し笑いすぎて危険な状態になっているが。
「大丈夫だと思うよ。その友達は書きたいって先輩に話して許可もらったから書いてるって言ってたし。」
その言葉にすぐさま反応するBL対象者二人。
「今すぐその友達とは縁を切るんだ二階堂さん!」
「俺は俺たちになんの許可もなく俺たちのBLを書くことを許可した先輩をシバいてくる!」
「俺も行くぞ正治!」
だが部室を出ていこうとする二人を桜が止める。
「あーダメダメ。これからボランティア部の人が当日の日程の話をしに来るから。」
「工藤はともかく俺の名誉より大事なものがあるわけないだろう姉さん!」
「正治はともかく俺がこれ以上BLの被害者になる前に許可を下さい桜先輩!」
二人とも自分のことしか考えていないという面で息ピッタリだった。
「ダメだって言ってるでしょ。少しくらい待ちなさい。」
しかしこの被害者二名は目を合わせ、うなずくと強行突破に走った。
「逃がすか!」
そういって光は逃走防止用の魔法陣を発動させる。
「くそう!開かない!」
「何故だ姉さん!俺の尊厳と名誉が刻一刻と失われているんだぞ!」
「あんたたちに名誉も尊厳もないでしょうが。」
「「そんなバカな・・・」」
「馬鹿はお前たちだ。今度からは新しいあだ名が出来そうで何よりだ。」
そういって笑う佐藤先生。
「そこまで俺たちを貶めたいか!それでも教師か!」
「そうだそうだ!俺たちは授業が面白くないから寝ているだけだろう!」
その言葉を聞いて佐藤先生はこう告げた。
「そうかお前たちはそんなに補習を受けたいようだな。」
「「マジすいませんでした!補習は勘弁してください!」」
息ピッタリで土下座をして泣き落としを始める二人。そこに部室の前に人影が来て部室を開けようとする。
「あれ?開かない?桜ー?来たよー。」
「ああ。今解除するね。」
そういって桜は逃走防止の魔法を解除する。するとドアが開きそこにはスタイルがよく茶髪のショートカットで可愛い系の女子がいた。
「えっと?これはどういう状況?」
そこには泣きながら先生に土下座をする馬鹿二人と仁王立ちする先生がいるという意味不明な光景が広がっていた。
「えっと僕は中村美咲っていうんだ。よろしくね!」
「僕っ子キタァァ!」
唐突に叫び声をあげる工藤。その叫び声に美咲は少しビクッとする。
「工藤君うるさい。」
桜がそこで工藤に注意をする。
「えっとね。僕が孤児院でボランティアをすることを桜にお願いしたんだけど進捗ってどんな感じなの?」
「とりあえずやれる準備はほとんどできたわ。あとはリハーサルがしたいかなって感じ。」
「ほとんど準備できてるんだね?安心したよ!ちょっと前まで何するかすら決まってないって言ってたんだもの。」
「決まったら早いんだよ?まぁうちの部員に予想以上に高スぺックなのがいたからってのもあるんだけど・・・」
そういって二人は部員である三人を見る。
「とりあえず紹介するね。女の子が二階堂光ちゃん。」
「よろしくお願いします中村先輩。」
「ああー。僕のことは桜と同じく名前で言っていいよ。同じ苗字の人がこの学校にいるみたいだからね。」
「そうなんですか?では美咲先輩って呼びますね!」
「うん。よろしくね光ちゃん。」
そういって握手をする二人。
「次にそこの背が高い方が工藤道則君。今回の出し物提案者であり機械方面とか作成物において半端じゃないスペックを持ってることが判明したわ。」
「よろしくお願いします美咲先輩。」
「へぇそうなんだ!何か作成物で困ったら手伝ってもらってもいいかな?」
「ええ。面白いものであればいいですよ。」
「面白いもの限定なんだ・・・」
ちょっと美咲は残念そうな顔をする。しかしすぐに顔をほころばせながら工藤と握手をした。
「それでこっちの一般的な感じの人が私の弟の正治。私よりも魔法が使えるからガンガン頼っていいよ。」
「そこは姉さんが頑張れよ!えっととりあえずよろしくお願いします美咲先輩。」
「よろしくー。へぇこの子が桜の弟君なんだ。ふーん。」
そういいながら美咲は正治のことをじっくりと見る。
「そんなにじろじろ見ないでくださいよ!ん?もしかして授業中にしてた居眠りでよだれのあとでもついてます?」
「あはは。そんなのはないよ。ただ君の姉さんから聞いてた通り面白い反応をするんだね?魔法で困ったときは頼りに来るからよろしくね。」
「ええ。わかりました。その時は任せてください。」
そういって二人は握手をした。
「それで知ってると思うけどこっちの没個性な感じの先生がうちの顧問の佐藤先生。」
「おい。今没個性って言ったか?」
先生が桜を見る。しかし桜はその瞬間に目を逸らす。
「いいえ?別に何も言ってませんよ?」
「俺はお前ら姉弟になんでそこまでいじられるのかわからん。まぁそんなことはいい。ボランティアの件は一応俺がこいつらの面倒を見るから当日よろしくな美咲。」
「はいその日はよろしくお願いします。」
一通り自己紹介も終わり美咲がボランティア当日の日程のことを話始めようとする。
「えっととりあえず自己紹介はこんな感じでいいかな。それでボランティア当日のお話なんだけど反し始めて大丈夫?」
「ええ。メモの準備は私がしてるからいいわよ。」
「それじゃ早速。当日はボランティア部の人と一緒になって孤児院でボランティアをするよ。時間は朝9時から午後15時くらいの時間子供たちと遊んであげること。それで生活魔法研究会の人たちの出番は午後の14時頃を目処に準備した出し物をしてもらうって感じ。一番最後の出番だから期待しちゃうよ~?」
そこで光が手を上げ質問をする。
「具体的に午前中は何をするんですか?」
「基本的には子供たちと遊ぶことだよ。それで昼頃から僕たちが準備した遊びとかそっちで準備した物をやってもらうって感じ。」
「わかりました。ということは私たちも朝9時からそちらに伺えばいいんですね?」
「うんそういうこと。それでほかに質問はあるかな?」
そこで工藤が次に質問をする。
「俺の妹も参加するけどそれは大丈夫ですか?」
「それは桜から聞いてるから大丈夫。」
サムズアップしながら桜が工藤にアピールをしそれに工藤はサムズアップで返す。
「オーケーです。それとこれも重要なんですが。出し物用に作った機材等の置き場とかそういったのは何かありますか?出来れば位置の調整とかでリハーサルの時間が欲しいんですが。」
美咲はあーそのこと考えてなかったと言わんばかりの顔をしていた。
「それは考えてなかった。とりあえず孤児院の院長さんに連絡取ってみるよ。それを運び込んで準備するのに一部屋あればいい?」
「ええ。部屋の大きさは桜先輩から聞いてるんでそちらで用意できる部屋の大きさを確認してもらえるとありがたいです。準備に念のため昼過ぎからは時間が欲しいですね。」
「わかったよ。その時間は僕たちの準備した遊びで子供たちの興味がそっちに行かないようこっちで注意しとくね。」
「はい。お願いします。」
「それでほかに質問はあるかな?うんなさそうだね。それじゃあ当日はよろしくね!僕はまだ準備があるからこの辺で失礼するね!」
そういって美咲は部室を出ていった。
「よし!それじゃああとは当日だね。」
「うまくいくよう頑張りましょう!」
「当日の魔法は任せとけ!」
「んじゃ機材の準備は俺に任せとけ。最高の出来にしてやんよ。」
「頼もしい限りだね。それじゃあとは当日頑張りましょう!」
そういって全員の意思表示を確認してその日は解散となった。なお話の流れで正治と工藤が漫画研究会に訪問をすることを忘れ無事BL作品は完成したのだった。
またブクマ一件増えました!ありがとうございます!
背が高いとポスターに頭がよく引っかかるんですよ。引っかかった後にそのポスターを見るとときたま後悔することがあります。




