ボランティアの出し物を考えよう。③
「新しいお茶です。皆さんどうぞ。ところで皆さんは今日どんなことで集まったんですか?」
そういって新しいお茶を持ってきた茜。この部活が今何をやっているのか興味本位で質問する。
「それはねボランティア部に頼まれて孤児院で魔法を使って出し物をすることになったんだよ。ただその出し物が部活でボロボロになった状態じゃ何も思いつかなかったんだ。それで今回ここで考えようってなったんだよ。」
「丁寧な説明をありがとうございます。二階堂先輩。」
「いえいえ。」
軽く常軌を逸した行動をとり続ける馬鹿二人に慣れてしまったためか先ほどまで命を狙われていた相手にも光は普通に話す。ある意味彼女も普通ではなくなってきた部分があるようだ。
「ちなみに茜ちゃんも来るかい?」
「えっ私もですか?」
「ああ。これやるのはGWのこどもの日だから休日だろ?それだったら一緒にどうだい?」
「うーん。そうですね・・・」
ボランティアに茜を誘い始める正治。少し悩んでいるようなので背中を押した。
「ボランティアに来れば工藤のカッコいいところ見れるかもしれんぞ。」
と小さい声で言う。
「わかりました!私も参加します!一緒に案を出すの手伝いますね!」
「茜ちゃんも手伝ってくれるのかい?正直あと一週間くらいしか時間もないし人手は必要になりそうだから嬉しいよ。」
そういって桜はサムズアップをして茜にもボランティアを手伝ってもらうことを了承した。
「それでどういった出し物やりますか?桜先輩。」
「正直子供って言っても色んな好みがあるから全員を満足させるのって難しいんだよね。ボランティア部の人には魔法を使って欲しいって言われたけどね。」
「この部活に頼む以上そうなりますよね。ただ魔法なら俺と二階堂さん、茜は役に立ちませんよ?」
「そこはそれ以外にもどうにかする方法を考えなきゃいけないよねぇ。」
桜はそこで言いよどむ。魔法を使うのを依頼されているためそれ以外のことでも何か活躍させるとなると難しいためである。そこで茜がある提案をする。
「別に魔法以外のものを使うのもいいんですよね?」
「それは問題ないと思うよ。」
「でしたらこの家の地下に行ってみませんか?この家の地下はお兄ちゃんが好きな機械いじりの産物が沢山あってもしかしたら良いアイディアが出るかもしれませんよ?」
「そういや前来たときは俺も地下には入ってないな。どんなのがあるんだ?」
前回ゲームすることがメインで地下までは踏み込まなかった正治が質問する。
「んー。大したもんは無いと思うぞ。ふざけて作ったラジオとかパソコンとか二足歩行ロボットとかそんなもん。」
「いや。なんかどんどん頭おかしいものがふざけて作られてるん気がするんだが。」
「それふざけて作る範囲のものじゃないと思うんだけど。」
自作している範囲の物を聞いて正治と光は少し引く。
「確かに面白そうなものから何か思いつくかもしれないね。茜ちゃん。案内してくれる?」
「はい。わかりました。」
そういって一同は工藤の家の地下に移動するのだった。
移動した工藤宅地下にはそれは色々なものが置いてあった。パソコンに使われている部品の類やコード、使い込まれたドライバーなど多種多様なものがそこにはあった。
「私はんだごてなんて学校以外で初めて見た。」
「えっそうか?一般家庭なら普通にあるだろ。」
「いや一般家庭にはんだごてを使う場面はないからね工藤君。」
普通じゃありえないものが当たり前のように点在していて一同は色々なものに目移りする。
「これは?」
「それはゲームをテレビに出力するコードだな。」
「ほう。これは?」
「それはムンクの叫びをモチーフにした目覚まし時計だな。叫ぶとうるさいから時間になるとうめき声が聞こえるようになっている。」
「なるほど。じゃあこれは?」
「それは俺の数学ノートだな。だが実際は外側をカモフラージュにした俺のポエム集だ。中学生のころ・・・ってオイコラ正治。てめぇなんでそんなもん持ち込んでやがんだ?」
自慢げに語っていた工藤だったが正治の出したものに怒りをあらわにする。
「なに言ってんだ工藤よ。俺はお前の素晴らしいポエムの制作秘話を聞きたかっただけじゃないかぁ?」
正治はニヤつきながらポエムの話を工藤に問う。
「んなもん話すわけねえだろ!俺の恥ずかしい過去持ちだして何を企んでやがる!」
だがそこに茜が参戦する。
「何言ってるのお兄ちゃん!私はそのポエムは素晴らしいものだと思ってるよ!」
「何を言ってるんだ茜!俺はこのポエムのことを素晴らしいなんて一つも思っていない!」
「そんなことないよお兄ちゃん!私はそのポエムが素晴らしいと思ったからコピーを取って冊子にして、ご近所さんに配ってその良さを伝えようと・・・」
「ゴッフ・・・!」
「お兄ちゃん!?」
その言葉を聞いた瞬間血を吐いて工藤は倒れた。後ろでその話を聞いていた光と桜が同情する。
「自分の恥ずかしさの塊をご近所に配られているとかさすがにかわいそうな気が・・・」
「近所でこの話題は絶対に出せないね。天然で鬼畜の所業を行う茜ちゃん恐るべし・・・」
倒れた工藤を見て介抱する茜を見ながら正治もまた戦慄していた。
「このポエムまさか俺だけじゃなく近所にまで配られていたなんて。なら学校でさらしても今更の話じゃないか・・・!?よし。晒そう。」
「うん。正治君は死体を蹴るのが大好きなんだね。」
「私もこんな馬鹿な人が身内だということが恥ずかしいレベルだよね。」
「同情します。桜先輩。」
その後工藤を起こしボランティアの出し物を考えるが結局まとまらない時間が続く。
「んーここで使えそうなものはないかもね。」
「確かに。二足歩行ロボットとかは男の子とかに好かれても女の子には向かないですよね。それに魔法じゃないので使えないですし。」
「工藤の家の地下とかまで来たけど結局振り出しに戻るんだな。」
「まぁアイディア浮かぶかどうかの参考程度だしな。」
「あまり役に立てなかったようですね。」
そういって少し茜は落ち込んだ。
「いやいや茜ちゃんのせいじゃないよ。」
「そうだな。そういえば茜ちゃんはどういったものが子供受けすると思う?」
ふと正治は既に全員に一度は質問したことを茜に聞いてみる。
「んーそうですね。子供受けするかはわかりませんが、私が子供のころは早寝をすることが多かったのでよるとか暗い空間は少しテンションが上がってましたね。」
その話に光が自分の昔のことを思い出しながら話に乗っかる。
「あっそれわかるかも。夜は寝るものだから年越しに夜更かしするのとか少しワクワクするんだよね。」
「俺も子供のころは肝試しみたいな怖い場面を除いて暗い状況ってなんかテンション上がったりしてたよな。」
「なら肝試しとかどうだ?魔法で驚かすこともできるし。」
その正治の提案に桜は少し苦い顔をする。
「さすがにこの時期に肝試しは違う気もするし子供に泣かれるのは私は嫌だよ。」
そこで茜がもう一つこういう子供だったという話をする。
「あとは子供のころキラキラしたものとか好きでしたね。ツヤのあるキレイな石とか集めたりしてた時もありました。」
そこでまた一同が考え始める。
「なぁ少しアイディアがあるんだが誰か小学生に知り合いいないか?」
茜以外の全員がその言葉を聞き行動に移す。
「正治君どうしよう?工藤君どうやら考えすぎて頭がおかしくなっちゃったみたい。」
「そうだな。茜ちゃん頭を冷やすための冷えピタとかあるか?」
「私はもしもの時にすぐに警察に連絡できるようにしとくよ。」
「いやいや。俺は大丈夫だ!頭は正常だから安心しろ!」
その言葉に正治は反論する。
「いきなり小学生とお知り合いになろうとするペドに正常な奴などいない!」
「馬鹿野郎!そんなんじゃねぇよ!小学生の時の教材が欲しかったんだよ。」
「まさか縦笛か!?」
「いや正治君ハーモニカかもしれないよ?」
「いずれにしてもこれは問題ある行動だね。」
「わかった。俺の言葉が悪かった。だから話を聞け!」
絶叫する工藤。そしてなんとかその場は収まった。
「とりあえず何をするかのアイディアを聞いてくれ。」
そういって工藤は自分のアイディアの話をし始めた。
「なるほど。確かにそれなら魔法も使うし魔法が使えなくてもできることは割とあるな。」
「子供の好きそうな部分がいくつも入ってるね。」
「工藤君。これならいけるよ!」
「さすがはお兄ちゃん!」
そう全員が賛同する。
「よし。そしたらこれで出し物はこれで行きましょうか!」
そう桜が言って出し物は決まったのだった。
新たにブックマークしてくれた方ありがとうございます!日刊からは消えましたが今までよりPV数も増えて読んでもらえているのがわかり少しですが評価されていることがわかって嬉しいです!
それとボランティアの内容はこの章最後にする予定のボランティアの日まで引っ張ります。
この回からだいぶヒントが出始めますのでよろしければ予想してみていただけたらと思います!
一章が終わりが近づいているのでよろしければもう少しお付き合いください!




