生活魔法研究会始動!
成宮先生と正治の魔法談議から数日。土日の休日を挟んで部活動申請の期間が終わり今日から部活動が始まる。生活魔法研究会の部室の前に三人は集まっていた。
「はぁ部活とか嫌だな。俺は家でゴロゴロしながらゲームをしたい。」
「ここまで来てまだそんなこと言ってるの工藤君?」
「だってそうだろ。昨日発売のゲームまだ全然できてないんだから。」
正治がそのゲームに反応する。
「それはあのギャルゲーか?」
「ああ。それだ。」
二人が声を揃えてゲームのタイトルを言う。
「ドッキドキ!姉さんと一緒!」
「ドッキドキ!妹と一緒!」
「うわぁ。」
タイトルを聞いて軽く引く光。
「ああん?綺麗なお姉さん落とした方がいいに決まってんだろロリコン正治。」
「てめぇこそ。あどけない可愛さの妹を選べないとか考えられないんだよ年増し好きが。」
「いいだろう正治。お前とは一度決着をつけなきゃと思っていたんだ。」
「ああそうだな工藤。お前には引導を渡してやらねばなるまいな。」
そこで光はため息をつき
「いつまで部室の前で揉めてるの?ほら!早くいくよ。」
そういって部室のドアを開けた。
「「待つんだ二階堂さん。こいつには許されざる罪が・・・」」
「二人ともまた随分と馬鹿なことで揉めてたのね。」
「これは二人とも変態のあだ名は間違ってないかもな。」
ドアを開けるとすでに部室にいた桜と佐藤先生がそう言い放った。
「桜先輩二人を連れてきました。」
「ご苦労様光ちゃん。このままだといつまでたっても入ってこなかっただろうしね。」
「私もそんな気がしました。」
「HAHAHA!そんなことあるわけないじゃないか!俺は魔法大好きなんだぞ。なぁマイケル!」
「おいおいジョン!俺まで魔法好きにはしないでおくれよ!でもしっかりここには来る気だったさ。HAHAHA!」
「なんでお前たちはさっきまで喧嘩してたのに息ピッタリでふざけられるのかわからん。」
呆れる一同。とりあえず今馬鹿二人は無視しようと決めた桜が話を始める。
「さてそろそろ部活を始めようか。とりあえず正治。盗聴防止の魔法よろしく。」
「HAHAHA!任せておいてくれジェシー。」
「あんたいつまでそのキャラ続ける気なのよ。」
そうふざけながらも盗聴防止の魔法を使う正治。ふざけてはいるが魔法の腕だけは素晴らしい男である。
「オーケー。これで何話しても問題ないよ姉さん。」
「わかったわ。それじゃあ正治のフェチの話でも・・・」
「ノォォ!何話しても問題ないといったけどそういう話は違うんだ姉さん!」
「いいですよ桜先輩!どんどんそういう話をしてください!こいつを嵌めるための弱みはいくらあっても足りませんから!」
その発言を聞き正治は調子にのった工藤に釘を刺そうと動く。
「おいこらてめぇ。調子こいてんじゃねぇぞ!俺が工藤の弱み握ってないとでも思ったか!」
「ほぅ!いったい何の弱みだというんだね?」
そういった瞬間正治はカバンから「数学ノート」と書かれたものを取り出す。
「うららかな日和。おだやかな風。こののどかな春を・・・」
「ヤメロォォォォ!」
ほとんど奇声に近い声を上げて数学ノートを奪い取ろうとする工藤。それを華麗にかわす正治。
「おいおい?いったいそりゃなんだ?」
「工藤君が一瞬でそんなになるなんてよっぽどの物だと思うんだけど。」
そこでニヤリと正治は笑いこの中身を告げる。
「これはな工藤が中学生の時に書いていたポエムだ!」
そういって机に数学ノートと書かれたポエムを大きく広げる。
「イヤァァァ!ヤメテェェェ!ミナイデェェ!」
工藤は奇声を上げながらポエム集を回収しようとするがそれを正治に取り押さえられそのポエムは白日のもとに晒される。
「うっわ!こりゃ痛ってぇな。」
「見てるこっちが恥ずかしくなっちゃうレベルだねこれ。」
「工藤君にこんな趣味があったとは。これがあればパシリに使うのは容易そうね。」
三者三様の反応を見せる。とはいえこれは仕方がない部分がある。
それは中学生の時にアニメ文化等に染まり始めると痛い中二病にかかってしまったりするものである。その際に作ったものは大概痛いものが多い。結果このポエムも割と痛いものに仕上がってしまっているのである。
「今後お前が俺をゆすろうとするのであればこれを昼時に放送部がやっている校内放送ラジオに投稿する。」
「正治・・・貴様ぁ・・・!」
正治から解放され工藤は正治に恨みの視線をぶつける。
「大丈夫だ。ゆすらなければ特に何か行うことはない。」
「ちくしょう!まさかこんなものを手に入れているとは・・・」
「まぁこれで釘はさせたな。さてそろそろ本題入ろうか。」
そういって真面目な顔をした正治はやっと本題に入り始める。
「まずこれからここで話すことは絶対に口外しないこと。これを話すと下手をすると学校にいられなくなる可能性もあることを理解してほしい。」
「えっ?私たちいまからそこまで重要な話するの?」
光は珍しい正治の真面目な顔つきと言動から少し驚いたような顔をしながら話す。
「そうなんだよ二階堂さん。これを話してしまえば先生であってもこの学校にいられなくなる。」
「げっ俺もかよ。絶対に気を付けねぇとな。」
「少し危機感を持ってもらえればそれでいいんですよ先生。そんでここにいる姉さん以外の全員にこれを書いてもらう。」
そういって自分のカバンからある用紙を取り出す。
「これは何?」
「誓約書だ。ここで教えることは誰にも教えてはいけないって内容のな。」
「なんでこんなものを書かなきゃならないんだ?」
工藤が質問をする。
「それはここで教えることが国からある程度止められてる類の情報だからだ。これ以上はこの誓約書を書いてからな。」
「いいぜ。書こうじゃないか。」
「私も気になるから書くよ。」
「ここまで聞いて俺だけえ仲間はずれってのは嫌な話だな。しょうがねぇ書くか。」
そういって全員が誓約書にサインをする。
「それで。なんで一般の生徒がそんなこと知ってるんだ?」
佐藤先生が話の続きを促し、正治は先ほどの続きを話始める。
「それは俺が魔法の使い方を誤ると証拠もなく暗殺とかそういったことが出来るくらいに危険な存在だからです。」
「危険な存在って・・・正治君の魔法ってそんなに危ないものだったの?」
「ああ。魔力コントロールをしっかりできるようになれば魔法を遠隔で発動することや複数同時に発動できるようになる。魔法を簡単に作れるようになるといったことが可能になるんだ。二人にとってはいつぞやぼかした話になるかな。」
二人はインスタントチェンジの魔法の話の時にぼかされた話を思い出す。
「ああ。魔法の話をしてくれたあの時の話だね。」
「そりゃこの部活に入るとは決めてないときにはぼかすわけだよな。」
「そうだな。俺も必要以上に広めるわけにはいかないんだわ。広めるにはこの誓約書を書いてもらった人間だけだ。」
「なぁなんでお前はこういう話をして教えられるのに俺たちは話しちゃいけないんだ?」
「それは俺が魔力コントロールのことに自力でたどり着いたからだ。このことに自力でたどり着くと国から直々に接触してきてむやみやたら広めてはいけないと誓約を結ばされるんだ。それで教える場合にはさっきのような誓約書を書いてもらってとことん教えることになっている。」
「げっ。とことん教えられるのかよ。」
「おお。そうだぞ。国としても魔法陣を新しく作る技師は欲しいんだ。だからとことん教えるようになっている。とは言えそれは悪用されると大変なことになる魔法になる。ジレンマを抱えているから仕方なくこんな形になってるらしい。」
「そういや市販の魔法ってどう作ってんのか知らなかったけどそういう人たちが作ってんのな。」
「そういうことです。だからやるからにはとことん教える。そして口外禁止が一緒についてくるんです。」
「なるほど。ということは私たちはこれでとことん魔法を教えられるわけなんだね。」
「やったな!みんな魔法大好きにしてやるから安心していいぞ!」
「洗脳する気満々じゃねぇか!全然安心できねぇよ!」
「まぁ魔法大好きは冗談だが少なくとも姉さんクラスには使えるようになってもらうよ。」
そういって姉さんを指さすとそこにはこっくりこっくりと船をこいでいる桜がいた。
「ん?話し終わった?」
「ある程度終わったよ。あとはここにいる全員にこの部活で行う方針の説明だけ。」
「そっかそっか。それじゃあそっちもよろしくね。」
「全部丸投げかよ姉さん。」
「しょうがないでしょ。ちょっと別の部活動からの相談も受けてたからね。」
「そうなのか。まぁそれは今度みんなに伝えてくれ。」
「はいよー。」
コホンと咳ばらいをし正治は全員に問い始める。
「さて、必要なことは話した。そのうえでとことん魔法を教えるうえでここでの部活は選択式でいこうと思う。素早く魔力コントロールができるようになるスパルタとじっくり魔力コントロールをできるようになるノロマコースの二つだ。さぁ選んでくれ!」
「言い方すごく悪くない!?」
光からツッコミが入ったのだった。




