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学校生活にこんな魔法はいかがですか?  作者: 炎尾
生活魔法で知り合おう。
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部活までの一週間⑧

「ここでは人も多い。この隣の会議室を使わせてもらおう。」


そういって成宮先生は職員室の隣にある会議室に案内する。


「それじゃあ失礼します。」


「とりあえず盗聴防止用の魔法は使っておくから心配は何もいらない。存分に魔法の話をしようじゃないか!」


そういって成宮先生は魔法を発動させた。


「配慮ありがとうございます。ただその前に一つ聞いていいですか?」


「ん?なんだね?」


「先生はどちら側の人間なんですか?」


この質問は互いの立場を確認するものである。盗聴防止用の魔法など簡単に使える人間は一般的にはいない。大して生活に便利な魔法ではないためである。こういった魔法を何事もなく使える人間は国から目を付けられ誓約を結ばされるのだ。その誓約の内容はシンプルに一つである。


魔力コントロールのことを広めない。

これは魔力コントロールによって魔法が遠隔で発動出来たりといったことができるようになる。その情報を流してしまうと悪用する人間が大量に出てきてしまうため広めてはいけないという誓約を結ばされる。


ただそれだけだと魔法を作成する人間が少なくなってしまうため少数の人には教えてもいい決まりとなっている。その際には教えた人たちは魔力コントロールを広めることを全面的に禁止される誓約を結ばせることが決められている。


つまり正治が聞いたのは広めることを許された側か、人に教えられて広めることを全面的に禁止されている側の人間かということである。


「私は広めることを許されてはいる。しかし部活動でこれを広める気はないというスタンスだ。正直部活動に入る人を選ぶことができないからね。」


「なるほど。自分も許されている立場です。驚きましたよ。初めて同じ立場にいる人を見つけました。」


「それは私もだよ近藤君。その年で大したものだ。君が教えられるということは君の姉の桜君は広めることを禁止されているのかい?」


「ええ。俺が教えましたから。聞いたところ変わった魔法を使って色々な情報を秘匿したことから部活動の人員がやめていったようですけどね。」


「それだけではないようだよ。周りが自信を無くしたようだ。自分にはあんな魔法を使えないと思ってしまったらしい。魔法に関してのヒントは出ていたのだから魔力コントロールに気づく人間が一人はいるかと思ったがそんなに簡単な話ではなかったようだ。」


「まぁそうでしょうね。自分もたどり着いて使えるようなるには3年掛かりましたし。」


「それだけでたどり着くとは。私は先生になってから魔法の習熟の差から違和感を感じてね。そこから研究を重ねて5年以上掛かってしまったよ。とはいえ同じ立場の人間に出会えた私は本当に幸運だ。これからしばらくは刺激のある美しい魔法を楽しむことができる。」


「先生は根っからの魔法好きですね。」


「ああ。それはそうだともそうでなきゃ教師になったりしないさ。魔法を作る技師には憧れを持っていたが当時はそこまでたどり着けなかった。今思うところはあるがそれでも魔法に関われるだけで私はいいのさ。」


そういって自分の立場について語る成宮先生。


「まぁ私の話はこんなものでいいだろう。ところで君はいったいどんな魔法を作るんだい。」


「俺は大体不味い状況を回避する魔法を主に作りますね。例えば最近作ったのはこの顔を変える魔法なんですけど。」


そういって正治はインスタントチェンジの魔法陣を取り出す。


「よくこんなのを作ろうと思うな君は。うん。面白い。でもこれじゃあ長い時間持たないんじゃないか?魔力の消費が多いように見える。」


「あーやっぱり気づきますか。焦って短時間で作ってしまって大して詰めて作ってないんですよ。」


「焦って作った?こんなものをかい?君はどれだけ魔法に関して時間を使ってきたんだい?末恐ろしいよ。」


「ははっ。使った時間は内緒です。」


「ちなみに焦ってこれを作った事情は聞いていいのかい?」


「あー。それはですね・・・まぁいいか。」


そういって正治は入学式のことを成宮先生に話す。


「ははっ。君は本当にすごいよ。そんな発想になって入学式に出るとか前代未聞だ。ということは校長のカツラの時の魔法も君か!」


成宮先生は校長のカツラを飛ばした犯人を正治だと断定する。


「ええ。その通りです。やっぱりわかりましたか。」


「そりゃあわかるさ。あの魔法の効果時間は設定次第では3時間かそこらといったところだろう?あの日の校長の話は長かったからね。そんなことで焦るのは君くらいしかいないよ。」


「ええ。お見事。全部看破です。」


そういって正治は拍手をする。


「となるとこの魔法はもう少し詰めないといけないね。」


「先生ならそっちに気を向けてくれると思いました。俺はこれがバレて変態扱いを受けていますからね。」


その変態扱いをしているのは言わずもがなもう一人の馬鹿と佐藤先生、桜の三人である。光はこのことを特に話すそぶりを見せないためノーカンである。まぁもう変態と言われ続けたせいで取り返しはつかない状態ではある。


「そんなことはしないさ。私は魔法の美しさに魅入られてここにいる。そんなことで君を馬鹿にするのは時間の無駄だろう。私の興味はそっちの魔法にしかないさ。」


「ありがたいです。ではこの魔法に関してなんですが時間が持たないのは魔力を大きく使ってしまうことなんです。どう思いますか?」


「ふむ。私の見解では細かい顔の設定を一括でやってしまうからではないかね?」


「なるほど!パーツごとに設定すれば消費魔力を抑えられて効果時間を延ばせるってことですね。」


「その通りだ。パーツ一つの指定なら消費魔力が少なくなる。状況によって変える必要のないパーツもあるだろうから使い勝手もよくなると私は思うよ。」


「いやあその手があったか。今のを反映して魔法陣を書くとこんな感じですかね。」


そういって新しい用紙に修正を加えて魔法陣を書いていく正治。


「いやぁそれにしても面白い魔法だ。こんな魔法見たことがない。なにか他に面白い魔法はないかい?」


「いつもカバンに入れてるのはありますけどこんな感じの緊急用の魔法陣ばかりですね。」


そういって単語帳のように束ねられた魔法陣を渡す。


「緊急用の効果とは正直思えないな。これを使える人間に売ったら相当な額になるよ。」


「ただ面白みがないんですよね。俺の得意な魔法のイメージは相手をおちょくる魔法なもので。」


「ふむ。そうだね。君は入学式に校長のカツラを吹き飛ばした。次は対策を取るだろう。」


「わかりました!校長が長く話さなくてもいいように対策用の魔法を考えるということですね!」


「その通りだ。校長の話は長いし、行事の時間はオーバーして困りものなのだよ。スマートではないし美しくない。そんな無駄な時間を過ごすより私は魔法を考えたい。」


「なるほど。でしたらこんな魔法はどうですか。」


そういって正治はサラサラと魔法陣を書き始める。


「ほう。これはどんな魔法なんだね?」


「名前をつけるとしたらスリップという魔法です。ただ足元に仕掛けると滑るというだけの魔法ですが。」


「それをどう使って校長の話を短くするんだね。」


「逆転の発想です。話始めてしまえば長くなるなら話す前に話しづらくしてしまえばいいんですよ。これで滑って転ばせて恥ずかしい思いをさせてしまえばと思ったんですが。」


渾身のキメ顔で説明する。


「その発想はなかった。いいじゃないか!私も創作意欲が沸いてきたよ!」


そういって今度は成宮先生がサクサクと魔法陣を書き始める。


「できた!これはハウリングといったところだな。マイクをハウリングさせて話すのを妨害する魔法だ。そうすれば話づらい雰囲気がどんどんできてくる。」


「いいですねぇ!そしたらこんな魔法は・・・」


「だったらこんな魔法は・・・」


こうして二人の校長の話を妨害をするためだけの魔法の話が白熱したが、先生の仕事の都合でお開きとなった。


「すまない。仕事が残ってないのであればまだまだ話をしたいところなんだが。」


「いえいえ。久しぶりにここまで魔法の話をした気がします。」


「ああ。私もこれからさらに美しく魔法を扱えそうだ。」


「何かあればこれからは部室にいるようになると思うのでどんどん来てください!」


「ああ。余裕があれば寄らせてもらうよ。その時には新しい魔法の話ができればいいね。」


「ええ。こちらこそ。魔法のことで困ったら助言を求めに来ますんで。」


「その時は面白い魔法を頼むよ。」


「ええ。もちろんそのつもりです。」


こうしてこの日の二人の魔法談議は終わりを告げた。

生活魔法スリップ

足元に仕掛けるとあら不思議。滑るのでバランスが崩れて転倒するんです。ホントにそれだけの魔法。

ただ作者の中では割と使う予定のあるイタズラ魔法。


生活魔法ハウリング

これを使うとあら不思議。マイクがハウリングしてしまうんです。これもそれだけの魔法。

こっちは使い道が限定されているが作者にとっては使い道はあるかもしれない魔法。


ここで部活までの一週間が終わりです。これ以上日常が思いつかなかったとかそういう風に考えちゃいけない。

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