部活までの一週間⑦
生活魔法の授業が終わり最後の国語の時間。授業開始の鐘がなり佐藤先生が教卓に上がる
「うーっす。それじゃあ授業始めるぞー。号令頼む。」
「はい。きりーつ。礼。ちゃくせーき。」
生活魔法の時間と変わらず大してやる気のない号令により授業が始まる。
「よし。大体授業のはじめは自己紹介をするんだがこのクラスは俺が担任のクラスだ。それは省かせてもらう。」
そういって何やらプリントを配る準備をする佐藤先生。
「とりあえず最初の授業は漢字、ことわざ、四字熟語の抜き打ちテストを行う。」
その瞬間クラス全体から「えー。」「やりたくなーい。」「聞いてねーぞおっさん!」といったブーイングが上がる。
「おーっし。ブーイングは無視してテスト配るぞー。このテストは評価を付けるものじゃなくある程度の実力を知るためのものだ。だから気楽にやってくれ。」
そういってテストを配り始めた。その際に「あっ」と言い忘れたことを思い出しこう告げる。
「それと俺の事おっさんと言ったやつ。俺はまだ20代だ。そんなことを言う馬鹿な変態とシスコンは授業態度マイナス1点な。」
「「そんなバカな!」」
「馬鹿はお前らだ!」
佐藤先生は正治と工藤にため息を一つついてテストの説明をする。
「時間は25分。全部で50問あるからそれなりサクサク解いてけよ。それじゃあ始めー。」
そういってテストが始まり教室全体が静まり返ったのだった。
「25分たったからテストを終了する。解答用紙は前の席の奴に回して集めてくれ。」
一番前の席に集まってきたテストを集める佐藤先生。
「残った時間先生は丸つけをやってるから残りの時間は教科書と一緒に購入したはずの漢字のノートで予習するなり教科書読んだりして自習するように。まぁ他のクラスと違って自己紹介させてないから時間余るんだけどな。」
そういって残りの時間の使い方を自習の時間にあてた。そうして自習によって授業が終わり佐藤先生が授業を締める。
「よーっし。みんなの実力は大体わかった。解答用紙は次回の授業に返却する。そん時に解説も行う。漢字のノートは持ってくるように。あと授業が終わったら馬鹿二人は職員室に来るように。そんじゃ号令。」
授業の始まりと同じようにやる気のない号令で授業が終わった。
「よーし!終わった!これで今日は帰れる。」
「そうだな。俺はあとで成宮先生のところに行かなきゃならないけどな。」
そういいながら正治と工藤はだべり始める。そんな二人のもとに光がやってくる。
「なんで二人とも当たり前のように話してるの?さっき先生に職員室に来るようにって言われてたよね?」
「えっそんなこと言ってたか?」
「うん言ってたよ。」
「えっマジで?そんなこと言ってなかったよな工藤?」
キョトンとする正治。それに応じるように工藤が言う。
「俺も聞いた記憶ない。俺が聞いたのは馬鹿二人は職員室に来るようにって言ってただけなはずだ。」
「えっ?それ言ってるよね?」
「えっ?どこに俺たちの名前があるんだ?」
それを聞いたときに光は「なるほど。」と納得する。
「えっとね。馬鹿二人って言ってたのはたぶん工藤君と正治君のことだよ。」
「「はい?」」
意味が分からないといった正治と工藤。
「馬鹿二人ってこのシスコンはともかく俺もってどういうことなんだ二階堂さん?」
「そうだぜ?この変態はともかく俺が馬鹿なわけないだろ?」
「なんでそこまで相手のことは馬鹿に出来るのに自分のことはまるで理解できてないのかな?」
そういって二人が光に抗議をし始めると教室のドアが開き佐藤先生が入ってくる。
「おい変態とシスコンの馬鹿二人。なんで職員室こねぇんだ!?言ったよな?職員室来いって!?」
「先生待って下さい。言いましたよね?馬鹿二人って。俺は馬鹿じゃありません。」
「そうです。この変態馬鹿はともかく俺は馬鹿じゃありません。」
今度は先生にまで馬鹿じゃないと抗議する二人。その二人に佐藤先生は先ほどのテストを取り出す。そこには輝かしい0点の文字が刻まれていた。
「これのどこに丸が見える?」
そういった先生にこの二人は何を言っているんだという顔をし、余裕の表情を見せつける。
「先生こそ何言ってるんですか?」
「ここに丸があるじゃないですか。」
そういって二人は指を指した。点数の所に刻まれている0という数字を。
その回答を聞いた瞬間耐えきれず笑い始める光。
「あははっ。二人はホントに馬鹿なんだね!0点の0を丸って言う人を見るのは初めてだよっ!」
「俺は今まで教師やってきてここまでの馬鹿は見たことがない。正直これからが不安になってきた。」
そういいながら佐藤先生は顔に手を当てどうしたものかといった表情になっている。
「っていってもなぁ?正治もたぶん同じ考えだろ?」
「ああ。そうだな。評価関係ないって言ってたのに真面目に回答するわけないよな。」
「だよな。」
そのテストの回答には
次のことわざを答えなさい。
細心の注意を注意を払うこと
正治→石橋では危ういので近寄らず
工藤→転ばぬ先の棒切れ
次の四字熟語を答えなさい。
何度失敗してもあきらめず起き上がること
正治→七転八倒
工藤→七転び八起き
「ははっ工藤。お前四字熟語がことわざになってるぞ?」
「何言ってるんだお前のは起き上がれてないじゃないか?」
そういって互いの回答を笑い始めた二人。
「おまえら授業態度さらにマイナス一点な。」
その言葉を聞いて二人は当たり前のように抗議をし始めた。
「先生!このテストは評価に関係ないって言ったじゃないですか!」
「そうだそうだ!言ってることとやってることが違うじゃないですか!」
「何言ってるんだ?テストでは評価を付けていない。今の評価は授業を受ける姿勢からつけたものだからなんの問題もない。」
「「なにぃ!」」
「わかったら今度からはちゃんと授業を受けやがれ。そしたらこのマイナスも取り返せることがある。かもしれない。」
「聞こえたぞ!最後のかもしれないってなんですか!取り消す気ないじゃないですか!」
「あーあーうるせぇ。そろそろいいか。いつまでもやってると全員の帰りも遅くなるからな。」
その言葉を聞いた瞬間先ほどまで抗議をしていた二人は一瞬で静かになった。
どうやら成績よりも早く帰る方が重要らしい。
「そんじゃ連絡事項とか確認してくるわ。」
「先生早くしてください!」
「俺はこのあと成宮先生との話があるんです!早くしてください!」
何事もなく手のひらを返す二人。そこでさっきまで笑っていた光が会話に混ざってくる。
「ホントに正治君も工藤君も面白いね。先生。私この二人のことはまともに取り扱ったらダメな気がします。」
「奇遇だな二階堂。俺もそう思う。正直ここまで息ピッタリに手のひら返しされるとなんも言えなくなるな・・・。とりあえず職員室戻ってくる。」
そう言い残して佐藤先生は教室から出ていった。
「全く。俺たちの帰る時間を遅らせるようにして何考えてんだあの先生は。」
「まったくだ。俺たちの時間は有限なんだぞ。」
「清々しいくらいに自分のことしか二人は考えてないね。私は正直二人の頭の中を少しのぞいてみたいよ。」
「二階堂さん?頭の中なんて覗いても脳みそしかないよ?グロテスクだよ?」
「ああ。この変態の頭の中なんか覗いたら二階堂さんの目が腐ると思うぞ。」
「一つの例えだよ例え。二人とも素でこれなんだもの。ある意味すごいよね。」
「待ってくれ二階堂さん!俺の素がこいつと同じとかやめてくれ!俺はこいつと同じ変態にはなりたくない!」
「俺もこのシスコン野郎とは同じではないと抗議したい!」
「フフッ。ほんとに似た者同士なんだから。」
このあと佐藤先生が教室に戻ってきて連絡事項を告げ、今日の授業はすべて終わったのだった。
そして放課後。正治は職員室の前にいた。
「失礼します。成宮先生いますか?」
「来たね。近藤君。さぁ話をしようじゃないか。」
二人の魔法談議が始まる。




