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ランニングマシン

作者: 中村いな

設定された速度は

私には速すぎた


どこまでも続くランニングマシン

止めることはできないランニングマシン


もし今ここで転けられたなら


倒れたままの私を


どこまでも運んで行ってしまうのかな


そうなんだろうな


ランニングマシンが向かうその先に

待ってる「やつ」が、

背を向けていている私にも

そこにいることが分かるから


逆らって走らなきゃ


でもその度に足元は

私よりも早く動いて

私の器官が

私の胸が

また痛む


もし今ここで

身を翻して

ランニングマシンと一緒に

走っていけたとして


私はその速さに、たえられるかな


あまりの速さに

ランニングマシンの先で待つ

「あいつ」にぶつかって

私が砕けたりしちゃわないかな


やっぱり

そっちには行けない


それでも少しずつ私を後ろへと

ランニングマシンは

連れて行く


抗う私も、もう限界


胸が痛くてもう


もう、




私は歩き始めた

下を向いて

うなだれて


待ち受けているあいつに

向かっていく


立ち止まったり


一歩だけ歩いてみたり


少し抵抗するふりをしてみたけれど


ランニングマシンは

相も変わらず私を連れていく



今思うと、


そんな私もいつの間にか

なぜか

流れに逆らうことなく

走っていたようだ


それでもまだ、

苦しかった


けれど、もう

痛くはなかった


そうか


私が逆らっても

私が同じ方に走っても

ランニングマシンはいつも一定の速度で


私を「  」に運んでいく

















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