アニマの個性
「要は魔法陣って心臓に体を与えればいいって事だな?」
「あぁ、そうだな」
本棚の谷を歩きながら、俺はガルの説明を要約する。
あの後、俺とガルとなぜか付いてきたライヴの三人は研究室へと向かっていた。その途中、移動も兼ねながらガルはアニマの作成方法を説明してくれた。
なんでもアニマは魔法陣を基本とした擬似的な生物であるらしい。一度作成したアニマは自分で魔力を生成する為、作成した本人から魔力が奪われる事は無い。ただ、緊急時には魔法使い自身の魔力を与えることも出来る。
そして、自身の基本となる魔法陣が魔法使いの管理下にある為、アニマは魔法使いには逆らえない状態にある。
「あれ? でもあのトリ頭、めちゃくちゃ喋ってたじゃん」
ガルのアニマであるあのトリ頭は、ガルの意志とは逆にベラベラと話していた。
「アニマも擬似的とはいえ生物なんだ。だから、個性がある。それに、何から何まで強制しちまったら、信頼関係も成り立たねぇ」
「信頼関係あるのか……」
意外と使い魔にしては知性があって驚く。まぁ確かにそれだけ知性があれば、いちいち命令して動かす必要はなく楽そうではあるが。
「それでさっきの話の続きなんだけど、アニマってのはどんな姿にもなれるのか?」
話を戻す。心臓になる魔法陣の姿は変えられないが、その他の見た目等はどうなるのか。もしかして、自分で考えて決めたり出来るのだろうか。
「だとしたら迷うな……カッコイイヤツにしようか、不気味なヤツにしようか……」
「あー、それなんだが」
ガルは少しだけ申し訳なさそうな顔をする。
「外見ってのは勝手に決められる。性格なんかもだ」
「なんてこった」
「あぁ、だから俺みたいになる可能性もある」
「うわぁ……」
あんなに面倒そうなアニマを作ってしまったらたまったもんじゃない。
だが、かと言って俺1人よりはアニマと組んだ方がベルに勝てる可能性も上がる。
「悩んでても仕方ねぇ、こうなりゃ出たとこ勝負だ!」
やる気を出したところで、丁度研究室へ着いた。俺は立ち止まって深呼吸をすると、迷いなく研究室の中へと踏み込んだ。




