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彩色の魔女  作者: 唄海
2章 英国の闘い
33/115

左回転

 ふらふらとした足取りで廊下を歩く。とにかく眠かった。


「あれ、風呂どっちだっけ」


 眠すぎて教えられた道を忘れた。と言うか、この屋敷はとにかくデカくて迷いやすい。

 そんな建物の中をバスタオルを持ってふらふら歩いてる俺は、傍から見ると物凄く怪しい。ちなみにこのバスタオルは借りた。


「何をしているんだ君は」

「げぇ……」


 歩き回ってると、曲がり角でベルと会った。今は敵対しているから、かなり会いたくない。できれば今すぐ回れ左して帰りたい。なぜ回れ右じゃないのかというと、俺は左利きだからだ。そのため、左の方がやりやすい。


「別に何もしてない。じゃ」

「待て、そう警戒するな」


 回れ左をして離れようとすると、後ろから声をかけられる。


「なんだよ」

「黒峯君も風呂だろう?」


 俺の持ってるバスタオルを見て、ベルは俺の状況を理解したようだ。


「そうだよ、風呂だ。だからさっさと行かなきゃならねぇ」

「それで、迷っていると」

「げぇ……」


 俺が風呂場がわからずに迷っているとバレていた。しかし、ここで迷っていると認めたらそれこそ完全に下に見られる。戦う相手にそんな弱みを見せたらそれこそ小夜にメンツが立たない。


「いや、迷ってなんかねーよ。風呂場くらいわかる」

「そうか」

「うん、それじゃあ! バイバイ! ホントに迷ってないから!」


 くるりと回れ左をしてそのまま廊下を歩く。大丈夫、とりあえず歩いてれば見つかる。

 ベルにバレないように早足で離れると、俺は再び風呂場に通じる部屋を探し始めた。




──そして十分後───



「ごめんベル、風呂場教えて」

「…………」


 あれから結局探し回ったが、結局見つけられなかった。そればかりか、何度もベルとすれ違い、その度に風呂の件について聞かれた。

 その結果、俺は敢え無くギブアップし、迷っている事を認めた。


「まぁ、そうだろうと思ったよ」

「マジで?! いつから?!」

「いや、最初から。だって黒峯君、あの後風呂場と真反対に歩いていったから」

「おう、まい、がー」


 自分のアホさに悲しくなる。なぜ十分前の自分はバレないと思ったのだろうか。


「見ていて面白かったよ」

「風呂場見つけたら湯船に沈めてやるからな……」

「はは、ごめんごめん。風呂場は、最初に君とあった所をそのまま行くとあるよ」

「ちくしょう、ホントに真反対じゃねーか」

「これで大丈夫だね」

「はぁ……そうだな」


 結局ベルから教えてもらい、俺は謎の敗北感に苛まれる。しかし教えてもらった通りに行くと風呂場らしきものが見えたので少しだけベルに感謝だ。

「はぁ……とっとと入って寝よう」


 大きなため息を吐き出し、俺は風呂場の扉を開け放った。



真「もしかしてライヴって分類上合法ロリなんじゃ…いや、ぎりぎり違法なのかな……?」

小夜「真、何考えてるかわかんないけどとりあえず2本だけ骨折らせて。後で治すから」

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