夕食後
「〜♪」
鼻歌を歌いながら、俺はシンクの前で夕飯の後片付けをしていた。喉元過ぎれば何とやら、先程の死地はもう記憶の彼方へと飛んでいってる。
「食べたら眠くなってきた……」
「太るわよ」
「わ、わかってるわよ! ライヴ、そう言うあなたこそ食べすぎたんじゃないの?!」
「食べても太らないから大丈夫」
「ぐぬぬ……」
小夜達は座ったまま、ライヴとおしゃべりをしていた。それにしても、意外と小夜とライヴは仲が良い。
いくら魔法使いと言えど、彼女達はまだ青春真っ盛りだ。それなりに通じる物もあるのだろう。
「それより小夜、胸は太らないの?」
「ふ、太らないわよ! 胸なんて邪魔なだけよ!」
「へぇ〜」
「それよりライヴはどうなのよ? どうせ私と変わりないでしょ?!」
「残念、この前少し増えた」
「ぐぬぬぬぬ……」
俺はそっと手を止めて会話の内容を聞き取ろうとする。人間、やはり好奇心には勝てない物だ。
べ、別に小夜の胸の話が聞きたいわけじゃないんだからね!
「真、何聞いてるの!」
「いえ、何も聞いておりませぬ、洗い物をしてますのよ!」
急いで食器類を洗う。焦りすぎて口調がおかしくなったが、多分バレてない。
「よし、片付け終わり〜」
伸びをして、出てきたあくびをかみ殺す。時差のせいで気がつかなかったが、もうとっくに寝てるような時間だ。
「なんで小夜、お腹周りは肉がつくのに胸は付かないの?」
「知らない!」
「お前ら少しは落ち着けって……」
未だに胸の話をしてる二人の仲裁に入る。これ以上こんな話をされると、男として色々と危なくなる。年頃の男子は意外と脆いのだ。
「真君、女の子はあなたが思うよりずっとはしたないのよ」
「んな事聞きいてねぇ!」
「はぁ……もう疲れたわ……」
「俺のほうが疲れたよ……眠いし……」
片付けが終わって気が抜けたのか、猛烈な睡魔が襲ってきた。このまま床に倒れたら眠れそうだ。
「寝るならお風呂入って来なさい、真君」
「はい……そうします……タオル貸してください……」
そんな訳で、入浴の時間になった。




