来日系ヒロイン
書き方を変えてみましたので、もし何かありましたら御指導よろしくお願いします!
「とりあえず明日はどうしようか」
俺は夕飯を食べながら小夜と今後の展開について話し合う。
ちなみに今日の夕飯はハンバーグだ。
「そういえば明日から真は学校ね」
小夜は先程プレゼントしたリボンを着けていた。
よく似合っていて可愛い。あげてよかった。
「てゆーか小夜がこの街に居る魔法使いに何の用で来たかまだ聞いてないんだけど……」
昨日教えてもらおうとした時は巻き込めないと言って教えてもらえなかった。もう巻き込まれてる、と言うかもう魔法に全身浸かってる今なら教えてもらえるだろう。
「そういえばまだ教えてなかったわね。 私はこの街に居る魔法使いと同盟を組みに来たのよ。」
「同盟?」
「そう、同盟。昔は魔法使いは家系や派閥でまとまっていたのだけれども、今は魔女狩りの勢力が強まって来てるの。」
「だから同盟を組んで互いに協力して身を守るのか」
「えぇ、そうゆうことよ」
そうゆうことらしい。わりと魔女業界も大変なんだな。
「どうしてこの街にいるってのはわかったんだ?」
「その系統の魔法使いが同盟の中にいるのよ。『黄色』がね」
「『黄色』……人探し見たいな魔法の使いかな」
「違うわ、『黄色』は追跡と束縛の系統よ」
「それストーカーじゃん……」
恐ろしい奴だった。性格クズじゃないことを祈る。
「でも、遠すぎたせいかしらね。正確な情報がわからなかったのよ」
「遠すぎた? 魔法にも射程距離みたいなのがやっぱりあるのか」
「もちろんよ。ともかくそのお陰でこうして探すのに困ってるわけなの」
「なるほどな。大体わかった」
つまり小夜は『黄色』から得た情報を元にこの街にいる魔法使いと同盟を組みに来た。そんな感じだった。
「ちなみに真ももう同盟よ。私に弟子入りしたしね」
そういえば昨日大男と戦う前の会話で弟子入りしたんだった。結局ドタバタして魔法の基本すら教わってないが。
「んじゃ同盟の同盟は同盟という訳で俺もその魔法使い探しに協力するってわけだな」
「そんな感じかしらね」
この街にいる魔法使いがいい奴であることを祈る。是非とも仲良くして互いに協力していきたいものだ。もっとも、協力する様な状況が来ないのが一番だが。
「てか、なんでわざわざそんな魔法の射程距離ギリギリのとこに来たんだ? もっと近くにも魔法使いいるだろ?」
「……実はね」
小夜は深刻な顔をする。なんだろう、まさかとんでもない理由があるのだろうか。
「なんだ、何かヤバイ理由があるのか?」
「……怒らないで聞いてくれる?」
「約束するよ」
俺は内心かなり緊張しながら理由を聞く。
「なんで私がそんな遠くの魔法使いを探しに来たかというと……」
「……あぁ」
「……家出も兼ねてるのよ、この人探し」
「………………は?」
今小夜はなんと言った? 家出も兼ねてる? 家出?
「家出って……親と喧嘩でもしたのか?」
「まぁそんな感じよ。 それでしばらく離れたいから一番遠い日本まで来たのよ」
……よく分からなかった。つまりあれか、カッとなって飛び出して来たから宿とか服持ってなかったのか。
いや、ちょっと待て。小夜は今日本までと言った。という事は──
「……小夜ってもしかして外国住み?」
「そういえば言ってなかったわね。私、父親がイギリス人だからイギリスに住んでるのよ」
「えぇ?! 小夜ってハーフ?! マジで?!」
一番驚いたぞ。てか黄色凄いな、そんな遠くからでも検知できるのか。
「確かに私、母親似ではあるけれど……そんなに驚く事?」
「そりゃ驚くよ……だって日本語ペラペラじゃん」
「英語も話せるわよ」
正直同盟とかの話は内容がすっ飛んでしまった。
いや、確かに最初に見た時の雰囲気は外国人だったし眼は青い。
気づくポイントはあったはずだ。
「ちょっと待て、それじゃあどうやって日本まで来たんだよ」
「転移魔法で送ってもらった」
「転移魔法ってすげー疲れるんじゃなかったのか……やった人可哀想だな。家出に付き合わされるなんて」
「確かに悪い事をしたわ。後で謝らないと」
「いやまず親に謝れよ……」
「ごめんなさい、着信拒否してたから話すに話せなくて……」
無鉄砲ってレベルじゃなかった。ていうか聞きたいことが山ほどあって混乱する。
どうやってそれを大男に知られていたのか。どうやって帰るつもりだったのか。見つからない場合どうするつもりだったのか。そもそもなんで喧嘩でここまでどえらいことになったのか。
「よし! とりあえず聞きたいことが山ほどあるから答えてくれ」
「わかったわ」
「なんであの大男はそれを知っていたんだ?」
「多分、誰かから情報が漏れたのよ。 いろんな人に広まっちゃったから」
「ザルだな……」
秘匿もクソもなかった。絶対内通者いるだろ。
「どうやって帰るつもりなんだ? てか今の状態よくよく考えたら密入国同然じゃねーか」
「密入国に関しては何も言い返せないわ。 ちゃんと同盟を組めたら電話でも何でもして帰るつもりよ。 その時はちゃんと話せると思うから」
つまりバレなきゃいいってことか……身分証の提示とか求められたら死ぬな、これ。
「見つからない場合はどうするつもりなんだ? さすがにそこまで長くはいれないだろ」
「その時は諦めて帰るつもりよ。 また家出するかもしれないけど……」
「わりと小夜、頑固なんだな……」
どうやら同盟を組めば許してもらえるらしい。
組めなかった場合はまた喧嘩だが。
喧嘩の件は家庭の情報ということもあって聞かない事にした。
「とりあえずまぁ……頑張ろうぜ。魔法使い探し。ちゃんと家に帰れるように協力するからさ」
「真には本当に感謝してるわ。 色々と助けてくれて」
「いや、いいよ。なんなら見つかってからもしばらくいてもいいんだぜ?」
魔法使いが見つかれば小夜は帰ってしまう。それはやっぱり少し寂しい。でも小夜が帰れるようには協力したい。
そんな葛藤があった。
「そこまでしてもらう程迷惑はかけられないわ。 大丈夫よ、見つかってからもまた遊びにでも来るわ」
「……そうか」
寂しい、いつかは帰ってしまう事を思いたくない。
なんでこんなに寂しい気持ちになるのか。
「どうしたの?何か不都合でもあった?」
小夜は凹んでる俺を心配そうに見る。
「いや、大丈夫! とにかく──」
俺は気持ちを切り替える。どうせ帰ってしまうのなら今沢山話しておけばいい。
「大体聞きたいことはわかった。それじゃ話を戻そうか。明日は俺は学校だけど小夜はどうする? さすがに昼間からうろついてたら目立つぞ?」
「その件なんだけど、真は明日は学校で情報を集めてきてもらえる? 多分、いろんな噂が飛び交う学校なら魔法使いに関しても何か手掛かりがあるかもしれないわ」
「わかった。 小夜はどうするつもりなんだ?」
「私は私で探してみるわ。外に出なくても手段は色々あるもの」
「そうか、無理はすんなよ。 何かあったら連絡くれ」
これで明日の動きは決まった。とりあえず情報を集めるのが第一だ。
「ただいま〜」
「あ、じいちゃん帰ってきた」
丁度いいタイミングで祖父が帰ってきた。タイミング良すぎる。
「色々迷惑をかけてごめんね」
「気にするな、大丈夫さ」
そんな感じで話し合いは終わった。
しかしこの後、この話し合いで出た結論が全く意味の無いものになるとはまだ誰も知らなかった─────
設定ガバガバで死にそう




