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第38話 魔力の視える青年
驚き、警戒する。
当然だ。
なぜならここはゴウト国 首都アズマス。
この国の心臓部であり、君主が住まう処だ。
これからそこへ向かおうとしている道中に待ち構えていたシキ・オオメ・リー という少女。
『ちょっと、そこでお茶でもいかがですか?』という、ときめく展開ではなさそうだ。
「なに、なに?もしかして僕ら、この子に口説かれてるの?」
ハルダスがきゃっきゃっとはしゃぐ。
「バカなんですか?絶対にそんな感じじゃないですよ」
「えっ?違うの?」
「どんな思考回路してたらそうなるんですか?彼女は俺たちをつけて来てたか、待ち構えていたと考えるのが自然でしょう!」
「恥ずかしがり屋で僕らが人気のないの所に行くのを待ってたとか」
棘のあるトーヤの言葉も全く気にせず、ハルダスが期待を込めた口調で言った。
二人のやりとりがおかしかったのかシキがクスクス笑う。
「ぜひ殿方、お二人、ご一緒したいですわ」
シキが言った。




