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時は残酷。うん、真理。

奨学生選抜テストなる物も終わった。

出来? 気にしない方がいい事もあるよね、世の中。


さて。これで三月末まで、俺の時間は全て自由になった事になる。高校の登校日とやらがあったりもするが、それはどうでも良い事である。どのくらいどうでも良いかと言うと、学校の存在くらいにどうでも良い事だ。


この時間は、主に新生活に向かう為の準備期間だとか言われている。誰が言っていたのかは忘れた。もしかしたら俺かも知れない。


だがしかし。俺は一体何をすればいいのだろうか。

高校卒業を控えてもなお、夢も希望も特に無いこの俺は一体何をやらかせばいいのだろうか。


……食う寝る遊ぶは子供の仕事。20歳より前なら子供だやーい。


とにかく。それほど暇な俺は、前回の続きでもやろう。思い至ったが吉日。すぐやろう、テキトーに。


◇◆◇◆◇


前回は確か、(前回参照中)、そう。オタクに目覚める直前の話だった。

しかしどうでもいい話だな。正直抜かしても構わない気がする。


性格が大きく変わったのは、その時ではない。

オタクに目覚めたのは、あくまでキッカケに過ぎないのだ。


しかし。取り敢えず順を追う事にして、その時の話をしよう。


確か小学校、4年か5年の時の話だ。


休み時間。前の席にいた少年が、何やら変なイラストの書かれた小説を読んでいた。

そう、いわゆるラノベ。ライトノベルと呼ばれる物だ。ブックカバー無しで読むとか、そいつスゲー勇気だな。


当時の古月夕人は、とにかく本が好きな少年だった。

好きな本はダレン・シャン(著、ダレン・シャン)。あとズッコケも好きだった。絵本みたいな物だが。


だから。その時暇を持て余していた夕人少年は、その少年に本を貸してくれないかと掛け合ったのである。

そこで彼の目が光る。

颯爽と引き出しからもう一冊のラノベを取り出し、俺に差し出したのだ。


決め台詞は、『こいつなら、読んでもいいぞ。』(かっこよく。)


多少脚色したが、きっとあれは『布教』と呼ばれるものだったに違いない。

で。ものの見事にハマった訳だ。色んな意味で。


それ以来だ。そういう趣味になったのは。


それから数年後。確か小学6年の事。


人生を変えるラノベに出会う。

今でも最高の作品と信じて疑わない、言うなれば『俺の嫁』的な作品である。


母と共に本屋に行った折の事だ。

恐らくラノベコーナーを通り過ぎた時、あるタイトルが目に入る。


俺はその本の事を知っていた。

友人から借りたラノベに付いていた販促兼用の栞に、そのタイトルが書かれていたからである。


タイトルは敢えて伏せようか。とにかく、挿絵の綺麗な本だった。


普段、友達から借りて読むだけだった俺は、非常にそれが欲しくなった。

しかも、その場には母親がいる。当時お小遣い制度が無かった俺には、最大のチャンスであった。


当然。俺は親の説得を試みる。


……面白いぐらい簡単に買ってくれた。

本当に二つ返事。なんだろう。長期戦を覚悟していた当時の俺、拍子抜けである。


しかし。買ってくれたのは悪い事ではない。むしろ嬉しい事だ。

帰宅した後は即座に読んだ。もう、食い入るようように。


それが、いけなかった。


小学校高学年といえば、まだまだ精神の不安定な年齢だ。

その時期の子供は、新しい経験に特に感化されやすいのである。


そして、モロに感化された。


読み終わった時、文字通り世界が変わったね。

見える物が全て違って見えた。見えない物が見えるようになったような感覚だったような気もする。


読み終わった後、いくらかの間は放心状態だったよ。

それくらいに、その物語が衝撃的だったって事だ。


その物語はミステリー調の物だった。


現代を舞台にした、現実離れした設定のキャラクター。不思議な事件。驚きの事実。事件の真相。それからさらに明かされる、事件の本当の姿。

人間の愚かさ、優しさ。悪意や憎悪。その矛先。狂っていく人間。現実の残酷さ。美しさ。そして人間の多様性。可能性。


その作品を簡単に批評するなら、俺は『美しい』と答える。

ただ。綺麗な作品。本来汚い感情ですら、その作品では美しかった。


多分それを読んでからだろう。

それまでにも軽い傾向はあったが、俺の性格が大きく歪んだのは。


そこからはトントン拍子さ。

その作品に没入して、現実との差に呆れ果てる。まあ、よくある話だ。


中学校入学、反抗期突入、母親への暴力、やり過ぎて警察のお世話にもなった気がする。


……あれ? 何か抜かしちゃいけない物を抜かした気がするな。


ああ、そうだ。俺が殺人犯になりかけた時の話を忘れてはいけなかったな。


しかし。割と重い話題だ。俺じゃなければトラウマになるかも知れないエピソード。

軽く流すには勿体無いし、被害者の方にも悪いだろう。


どんな話題も面白おかしく話せてしまうのは、古月夕人の良い所であり汚点だが。

この話においては、苦手だが空気を読みつつ。


次回。改めて描くとしよう。

今日の所は、取り敢えず朝ごはんでも食べようかな。


次回。古月夕人の衝撃の過去が明らかに…!?(ありがち)

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