正月ってさ、気が抜けるよね。
『古月夕人』とは、著者の事です。
さて。気がつけば聖夜も過ぎ去り、世間は正月ムードとなっていたこの時分。
正月三が日を終えたと言えども、まだまだ気の入らない頃合でございます。
その要因の一つとしては、やはり久々の帰省であり、旧友との再会であり、何より新しいゲームソフトをお年玉で買った事などが挙げられる訳でございますが。
そのお気楽ムードに流され、気がつけば日曜日は明け、日付は月曜日へと変わっていたのです。
「……やべ。」
日曜日という物は、全く。この俺、古月夕人にとっては、深い意味を持つ曜日であったりする。
俺は『小説家になろう』という小説投稿サイトで、その利用目的通り小説を投稿する趣味を持っていた。
大きな夢や目標を持たない、薄ぼんやりとした若者である俺は、どうせまたマンガかアニメの影響で『継続出来る人間って、カッコイイよな!』と、感化されたのだろう。
未だ完治する様子のない中二病の症状である、一時的なパッションに突き動かされ、たまには真面目に何か取り組んでみようと始めたのが小説の投稿であった。
その時に掲げた取り敢えずの目標が『一週間、一投稿』である。
そして。その投稿の周期が、毎週日曜日であった。
「まずいまずいまずい……。これは、まずい。」
何がまずいって、このパターンがまずい。
自分の事を一番よく知っているのは、何よりも自分自身である。という古い言葉がある。
その言葉に則って、古月夕人という人格と物心がつく前からの付き合いがあり、今の今までの苦楽を共にしてきた俺には、これからの流れが簡単に予想できた。
正月休みの雰囲気に飲まれて、小説の投稿をサボってしまった。
→あの時もこんなんだったし~。とか何とか言って、これからも投稿をサボりがちになる。
→いずれ凍結。
「嫌だあぁあああああっ!!!」
頭では分かっている。
このままでは、まずい。
だったら頑張ればいいって?
そう出来ないのが、この俺さまだ! 自慢出来る! したくないけどね!
「しかし、どうする?」
このままでは『小説家になろう』というサイト名を忘れるのも時間の問題だ。
実際、今までもそのような失態は多発していた。
同じ過ちを繰り返すのが、真の愚か者である。という格言がある。
だが。それを古月夕人という人物が聞いた所で『だったら俺は愚者でいい。』と、格好良くもない開き直りを披露することだろう。
奴は強敵だ。正直言って、勝てる気がしない。
真の敵は己自身の中にある。って言うのは本当だな! もはやラスボスだよ!
しかし。
強大な敵を倒すのは、いつでも大いなる意志の力だ。と、俺の愛するゲームのキャラも言っていた。
俺の愛するキャラが言った言葉じゃないのが悔しいけど! 今はその言葉が心に染みるぜ!
さて、ここからは作戦会議だ。
俺の愛する作品のメインキャラクター風に言うのであれば。
『第一回 チキチキ!古月夕人の惰性っぷりを何とかしちゃおう大作戦!!
はい、拍手~!』
わー、パチパチー。
メンツはこの俺、ただ一人だ。何を隠そう、相手は俺自身である。
ここで他人の力を借りる事などできない。俺のようなド腐れ野郎にもその程度のプライドはあるんだぜ。
今回の話の流れを説明すると、今回は自己啓発系? の、一人の男の一人語り。まさに一人相撲である。
◇◆◇◆◇
故人は言った。
『敵を知り、己を知れば、百戦危うからず。』と。
この場合の己とは、今この文章を書いている、俺の小さな意思の炎だ。
そして。敵とは、来週そこに存在して間違いない、この熱を失くした燃えカス野郎である。
では。敵、即ち『古月夕人』という人格に対して考察してみるとしよう。
古月夕人。即ち、俺という人間を客観的に。と言うのも変な形容ではあるが、本当に客観的に説明するならば。
『屁理屈好きの中二病』と言った所か。
自分で言っておいて最低だな。絶対友達いねぇだろ。
……どうせいねぇよバーカ!
いたとしてもバカばっかだよ! でも俺はそんなバカとバカやんのが大好きなんだよバーカ!
……コホン。
それで。人格について考察するのであれば、これはアニメのキャラクターにも言える事だが、簡単なエピソードから分析を始めるべきだろう。
では、手短に身近な話から始めるとしよう。おお、語呂がラップみたい。テミジカミジカ、チェケラ。
正月明けすぐ。1月4日は徹夜をして、就寝時間は1月5日の午前6時。午後じゃなくて午前だよ。のっけから最悪だ。
そして起床時間は同日午後6時。午前じゃなくて午後だよ。本当に最悪だな。
綺麗に12時間入れ替えたら丁度良さそうだな。
それでも12時間睡眠はやりすぎか。
さて。ここで、12時間睡眠、という所に少し注釈を加えるとしよう。
この12時間の睡眠。実は一貫した睡眠ではない。
流石に睡眠時の事に対しては確かな発言は出来ないが。恐らくは3度、4度以上は寝直している気がする。二度寝など比にもならない。
では、説明しよう!
これは古月夕人の三大特技の一つ『無限の就寝』!!
古月夕人は生まれつき、寝つきが異常に悪く、さらに寝起きも異常に悪い!
しかし、その問題を解決する為、古月夕人は新たな特性、この『無限の就寝』を得たのである!
この特性により古月夕人は、途中で目が覚めても再度、睡眠状態に凄まじい早さで移行できるのだ!
これによって寝つきが悪い事による睡眠時間の低下を補う事に成功した! 家族の怒りは頂天に達したがな!
だが。それだけでは多くの人が持っている『二度寝』と変わらない。
古月夕人の『無限の就寝』の真骨頂は、その連続性にあるのだ!
通常は『二度寝』を繰り返すと、いつかは完全に目が覚めてしまう。
しかし! 古月夕人はその異常な寝起きの悪さにより、どんなに『二度寝』を繰り返しても爽やかな朝を迎える事がない!
コレが、『無限の“就寝”』と呼ばれる由縁である!
この特性によって古月夕人は、恐らくは、その気になれば、1日中睡眠だけで過ごす事も可能になったのである!
古月夕人の三大特性はあと二つ残っている。だが、ここで説明はできない。
なぜなら。いきなり作った設定だから、あと二個が決まって無いのである!
凄いだろう! これが中二病のパッションの為せる技さ!
「ぐっ!」
やはり古月夕人の『開き直り』は厄介だ……!
危ない。危うく流される所だったぜ!!
「おーい。風呂空いたぞー。」
「おー。今入るー。」
しかし。取り敢えずお風呂が空いたから風呂入ろっと!
◇◆◇◆◇
それから一週間。
古月夕人の『怠惰』を打ち倒す戦いは、まだ、始まったばかりである。
――第一部、完。
次回の投稿も近そうだ。