キミ、依存症。
初めまして。
聖涙といいます。
投稿するのは初めてなのでいたらないところもあると思いますが読んでいただけたらうれしいです。
ーあのとき、キミに'さよなら'をしたのは間違いだったのだろうか?
3年前のあの日、確かにキミに'さよなら'をした。
アタシとキミは依存していて
それは、アタシが死んだらキミも死んで
キミが死んだらアタシも死んでしまう
そんな関係だったから。
4年前の小学校の最後の学年が始まった日
アタシとキミが出会うことはきっと決まっていたことなのだろう。
最後のクラス替え、一学年150人ほどのこの学校は全くしらないなんていう人はいないけど全ての人と話したことがあるわけではない、そんな中途半端な人数をしていた。アタシもキミの顔と名前はしっていたけど、話したこと、直接顔を会わせたのは初めてだった。
「おはよー、今年もよろしく」
新しい学年の始まりはいつもと変わりなく
いつもと変わらない友達との
いつもと変わらない会話からの
ごく普通の1日の
始まりだった。
その日キミは少し遅れてきて、新しい担任の挨拶
とともに教室に入ってきて。あの瞬間をアタシが
忘れることはきっとないだろう…
「おいっ、遅刻…」
先生が言いかけた言葉を止めたのは涙のせい。
アタシとキミの静かな、それでいて確かな涙のせい。
それから、アタシはいつもキミのいる弓道場に
行くようになって、キミはいつもアタシのそばにいた。
キミは頭も良くてかっこよくて、
アタシもまわりに自分たちがどう写っているか
考えられるほど大人じゃなくて…
ついにあの日はきてしまったのだ。
きっと、あの日がなければアタシは自分たちの異常さに気づかなかっただろう。
「ねぇ、ちょっといいかしら?」
アタシに声をかけたのは学年でも可愛いと有名な子を中心とした集団。
そしてアタシはキミの前から姿を消した。
何時間がたったのかはわからないけど、
アタシが保健室で目覚めたときキミはその手に
ハサミを有していてまわりには怯えた顔をした
アタシを呼び出した子たちがいた。
「大丈夫?もう、こいつらは手を出さないから。」
キミは満面の笑みで言ったのだ。
そのとき、アタシは気づいてしまったのだ。
自分たちの異常さに…
そうしているうちにキミは剣道で有名となりアタシはなんとなくで投稿した趣味の小説が審査員の目にとまり本格的に小説を書くようになっていた。
そして、10月のある日。小説を書くために図書館に一人でいたアタシは知ってしまったのだ。'ツインソウル'
あぁ、アタシとキミを繋げていたのは恋とか愛とか生易しいものじゃなかったのか、と。
知ってしまった、アタシとキミの間にあるものは
恋愛感情でも愛情でもない、魂の繋がりだったことを。
'ツインソウル'それは前世で同じ魂をもったもの。確かにその別れた魂たちが引かれあい結ばれるのは、出会えることは素晴らしいこと、らしいけどそのときのアタシには永遠に外れることのない鎖で繋げられている、としか感じられなかった。
ーだってそのときのアタシはキミと…
いっそのこと一緒に死んでしまいたい…そう願ってしまったから。
だから、アタシはだ
それからの行動はもう決まったようなものだった。
キミにだけはバレないように、、、
3月某日ー
桜はまだ蕾で、アタシたちはもう二度と着ることはないであろう制服に身を包ませて…
「今日で、卒業だね。」
もう、アタシとキミ以外、誰もいなくなった教室。
黒板には'卒業おめでとう'とか'今までありがとう'とか書いてあって、机には名残惜しそうな落書きが残っていた。
「ていっても、どうせ中学も持ち上がりで増えることがあっても減ることはないだろう?」
そういってキミは優しくアタシの髪に触れた。
「うん、そうだよね。」
そういって、アタシはキミに最初で最後の嘘をついた。アタシはキミと同じ中学にはいかない。キミが殺されるのは、キミのせいだろうがアタシのせいだろうが許せないから。
ー心のなかでキミにそっと'さよなら'をした。
そして、高校の入学式。
あの日と違って桜は咲いていてキミとアタシは真新しい制服に身を包ませていたけど…
「やっと、見つけた。」
キミを見てアタシはやっぱり泣いた。
そして、この運命は変えられないことを悟った。
「ごめんなさい、愛してる。」
初めて口にした愛の言葉。
甘んじてこの運命を受け入れようしゃないか。
キミが死んだらアタシも死のう。
けど、キミを殺しはしない。
離れる辛さを知ったから…
この運命ののなかでアタシとキミは依存しながらも生き抜いてみせようじゃないか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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