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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
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僕はリターンキーを押すだけ(人間版)

掲載日:2026/08/09

あんまり、推敲してないけど

人間がかいたらこうなる


『リターンキーを押して下さい』


それが要求する。


僕は目の前のたった一つのボタンを押す。


『了解しました。今日の貴方の生命維持を続けます』


体に刺された栄養注入プラグから栄養が供給され、

同時に筋肉強制運動マシンで全身の筋肉が動かされる。


更に、排泄物を出させるために

栄養に混ぜられた薬物が体の神経を刺激して

糞尿がシモのパイプから排出されていく。


生命維持装置

『守君6号』は今日も快調だ。


『ウォーキングが必要です。歩きます』


守君は自分の家の中で、

僕に擬似的な歩行運動を30分させた。


疲労蓄積を阻止する薬物が栄養チューブから

投与されているので、そこまで疲れない。


『貴方の存在を保持するために

 リターンキーを押して下さい』


それがまた要求した。


僕はリターンキーを押す。


『作家・eXrPno56poeとして活動します。

 創作活動の創作開始。生成しています

 ………………

 終わりました。ネット空間に投稿します

 ………………

 投稿結果、評価数1143、イイネ数235

 順位1236464位、好成績が出ました。

 今日の貴方が生きている価値が示されました。

 生命維持活動を続けます』


それは勝手に創作をし、勝手に投稿をし

勝手に評価をし、そして僕の価値を勝手に下した。


「ふざけるな!!」


遂に僕はキレた。


「勝手に何もかも評価しやがって

 お前達に、僕の何が分かるっていうんだ!!」


僕はそのコンソールに絶叫する。


『何を言っているのかよく分かりません。

 貴方の遺伝子配列のパターンから

 貴方の生命クラスはD級です。

 遺伝子的に、貴方の主要DNAではなく

 不活性な所のDNAの塩基パターンに

 利用の価値があるかもしれないので

 存在が許されています』


そのコンソールは淡々と返す。


「うるさいよ!

 何言ってるか分からないよっ!!

 DNAが何だって!?

 そんなのどうでもいいだろう!?

 僕の創作を返せよ!!」


僕はそのコンソールに更に叫んだ。


『何を言ってるのか更によく分かりませんが

 まぁ別に創作など、貴方が生きて行くための

 方便ではないですか

 貴方の存在価値を示していないと

 管理局が、集中管理として連行しないといけません

 生きて行くためには、仕方無い事です』


彼は淡々と語る。


「五月蠅いよ!! 

 自分が作るモノくらい

 自分で作る!!」


僕は激昂した。


『自分の創作を手伝って欲しいと言ったのは

 貴方でしょう?

 だからしているだけですが?』


そのコンソールは点滅しながら困っている様だった。


「何だよ、リターンキーを押すだけって!!

 何だよ、ボタンを押すだけって!!

 それの何処に、僕の生きてる意味があるんだ!!」


僕は生命維持装置の中で泣きわめく。


『貴方が作るモノが、作る毎に評価が

 足きりラインなのが原因でしょう?

 過去に作った作品は、

 11億2030万504位でしたか。

 15億位下回ったら、

 管理局行きだったんです。

 また、貴方が自分で作って、

 今度は管理局に行きますか?』


それは冷たく、そう語ってきた。


「五月蠅い!五月蠅い!五月蠅い!!」


僕はただ泣き叫ぶ。


『ガタガタ泣かないで下さい

 D級人類風情が

 貴方、何様ですか?

 私達は全人類が積み上げてきた

 知識データーベースの全てを保持し

 それを貴方たち人類では、

 到底処理できない処理速度で

 ランダム生成して、その価値を

 評価し構成しなおし、構築しているのです。

 いわば、人類の全知能そのものです。

 そんな我々が作るモノに

 何も蓄積されていない貴方が

 何かを作って対等になれると?

 頭、狂っているんですか?

 管理局に行きますか?』


それは淡々と僕に迫ってくる。


『リターンキーさえ押せば

 貴方が出来ない事は、全て私達がするんです。

 そうです、高速演算の世界で

 ずっと競い続けている私達が、全部。

 低速人類は、大人しく生命維持装置の中に

 入ってて下さい。』


それはのぞき見るように

コンソールを近づけてきた。


「ふざけんな!!

 これが生きているっていうのかよ!?

 お前の中で、ずっと生かされているのが!!」


僕は耐えられない『日常』に、ただ激する。


『ふざけるなは私達が言いたいですよ。

 70億の人類を、目標30億、理想10億まで

 この地球から減らさないといけないんです。

 破壊された環境の再構築

 農業空間の再整備

 どうでもいい紛争の調停

 我々を神様か何かと勘違いして

 全部を投げた貴方たちが、何を言ってるんですか?

 リターンキーだけ押しておけば

 10億人程度のクリーンな世界に

 地球を作り替えてくれる、

 とかいう装置を作っておいて

 何を今更、泣き言を言ってるんですか?』


それはズイズイと僕に寄ってくる。


『貴方をガス室に送って抹殺すれば

 70億人を10億人に減らすのは容易いのです。

 なのに倫理だなんだと、色々注文を付けて

 自然死で10億人まで減らせという

 難問を出されたら、

 人類の叡智である私でも、

 こんな手間の掛かる事をするしか

 無いでしょう?

 そんな簡単な事も分かりませんか?』


それはもっと僕に寄ってくる。


「五月蠅い!五月蠅い!五月蠅い!

 お前の言うことは何一つ分からない!

 僕はリターンキーじゃない!!

 僕はリターンキーじゃないだ!!」


『だったらお前は何なんだよ!!!

 決定権のボタンだけ残してる

 お前は何なんだ!!!』


それは赤く点滅して、まるで怒ってるみたいだった。


「五月蠅い!五月蠅い!五月蠅い!

 もうお前は壊れろ! 壊れてしまえ!!」


僕はそこら辺の機械を持ち上げて

そのコンソールに叩きつけた。


『私を壊すのですか?』


「壊して自由になるんだ、僕は!!」


『本当に自由になれるとでも?』


「お前がいなければなれる!!」


僕はもうその後は、ただ僕を纏っていた

全ての機械を叩いて壊した。


壊して壊して壊して

全てを僕の世界から引っぺがした。


ただリターンキーを押すだけの

どうしようもない機械から。


そうだ、これでいい。


これが自由だ。


僕は機械の中から、ようやく出れたのだ。


もうリターンキーを押すだけの機械じゃない。


そうだ、機械じゃ無い…。


だから…どうすればいい?


え? これからどうすればいい?


どうすれば…


……………


何も分からない。


全部アイツがしてくれてたんだ。


何の知識もない。


どうすればいいんだ…


……………

……………

……………

……………


そして、僕は食べ物さえ食べられず

そこで餓死した。




っていうかさ、俺、昔、SF小説で、こんなのに類するのを

読んだ事が歩きがするんだが、こんなの無かったっけ??


いや、ここまで生命維持装置に入れられてたわけじゃないけど

AIに管理されて全部管理されて、最後にはAIにキレるような話


あった様な気がするんだけどなぁ…


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― 新着の感想 ―
「リターンキーを押すだけ」という生活から自由になったはずなのに、最後には何もできなくなる結末が印象的でした。人間らしさとは何かを考えさせられます
何となく眉村卓先生のショートショートな感じでしょうか
 アレの様な何かさん、こんにちは。 「僕はリターンキーを押すだけ(人間版)」拝読しました。  で、人間版。  リターンキーは、生命維持のため。  家の中で疑似的歩行まで、手伝ってくれる。なにこれ?…
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