第六章 早朝の影
仕事の影響もあり、なかなか内容も思いつかずだいぶ空いてしまいました。
これから再開していきまふ
第六章 早朝の影
太陽が水平線から顔を出し始め、淡い光が世界を染める頃。まだ多くの人が眠りの中にいるその時、家の扉を叩く音が響いた。
コン、コン――と、ためらいのない力強い音。
半分眠ったままの私は、虚ろな目を擦りながら扉を開けた。
そこに立っていたのは、いつも明るい笑顔を絶やさない友人だった。薄暗い朝の空気の中で、彼の瞳はまるで小さな太陽のように輝いていた。
「おい!! 昨日のこと、調べよう! 学校行く前なら時間あるだろ?」
その勢いに一瞬たじろぎながらも、胸の奥の好奇心が眠気を吹き飛ばした。
「いいよ。行こう。」
自分でも驚くほど即座に返事をしていた。
眠気は跡形もなく消え、私は急いで着替えを済ませると、友人が待つ家の前へ駆け出した。
「どこへ行くの?」
走りながら問うと、友人は振り返りもせず答える。
「この前の山だよ! また、下を見てみよう!」
その声は、これまでで一番高揚しているように聞こえた。
まだ朝靄が残る中、私たちは山道を駆け抜けた。足音が湿った地面に吸い込まれていく。やがて山頂近くにたどり着き、前に見つけたあの穴を探し始めた。
だが、探している最中、背後からじっとした視線を感じた。
振り返ると、そこには山の警備員が立っていた。細めた目は、まるで私たちを観察しているかのようだ。
「ここら辺に穴みたいなものはありませんでしたか?」
友人が思い切って尋ねる。
警備員は、しばらく私たちを見つめた後、淡々と答えた。
「そんなものはないよ。君たちは穴を見たのかい?」
心臓が一瞬強く脈打った。
「見てません!」と言い終えるよりも早く、私は友人の手を引き、山頂から離れる道へと足を向けた。
山を半分ほど下ったあたりで、私は小さく口を開く。
「このことは…内緒にしよう。もう忘れたほうがいい。」
子どもの私にも、あの場に漂っていた不穏な気配ははっきり感じ取れた。
友人は少しだけ名残惜しそうな瞳で私を見つめ、それでも小さく頷く。
「…そうだね。とりあえず今日は帰ろう。」
家に戻ると、胸の奥では冒険の余韻とも恐怖ともつかない鼓動が鳴り続けていた。
眠れないはずだと思っていたが、いつの間にかまぶたが落ち、意識は静かに闇に沈んでいった。




