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File.42「危惧・捜索」

◆御角 陽彩 (みかど ひいろ) 15歳(高1)

 本作の主人公。運動神経抜群だが能天気。瀕死体験をきっかけにクロッカスを志した。

 ヒュドール学園高等部戦闘護衛部隊"クロッカス"に所属している。


◆明智 柚葉 (あけち ゆずは) 15歳(高1)

 フレンドリーなクラスのムードメーカー。可愛いものが大好き。

 ヒュドール学園高等部戦闘護衛部隊"クロッカス"に所属している。


◆桔梗 レエナ (ききょう れえな) 16歳(高2)

  本作のメインヒロイン。口数が少なく、感情表現が苦手。陽彩の専属コーチ。

 ヒュドール学園高等部戦闘護衛部隊"クロッカス"に所属している。


◆翡翠 蘭 (ひすい らん) 17歳(高2)

  お淑やかな性格で、ヒュドール学園高等部の生徒会長を務めている。

 ヒュドール学園高等部戦闘護衛部隊"クロッカス"に所属している。


◆徳川 柊 (とくがわ しゅう) 16歳(高2)

 筋肉バカだが面倒見が良い先輩。

 ヒュドール学園高等部戦闘護衛部隊"クロッカス"に所属している。


◆月下 人美 (つきした ひとみ) 17歳(高3)

 ギャルメイクと"うずらっち"が趣味の姉御肌。

 ヒュドール学園高等部戦闘護衛部隊"クロッカス"に所属している。

 ここは、ヒュドール学園生徒会室。


 朝10時、広々とした室内で二人の少女と一人の少年が、プロジェクターで映し出された映像を眺めている。


「今年も……始まりましたね」


「だねっ♪」


 意味ありげに一拍置いた物静かな少女、桔梗 レエナに対し、生徒会長の翡翠 蘭は相も変わらず太陽のような満面の笑みを向けていた。


「そういえば、柊くんが生徒会室に来るなんて、珍しいねっ」


 蘭の視線の先、鍛え上げられた腕を組みながら微笑む好青年、徳川 柊が自慢の上腕二頭筋で力瘤を作った。


「はっは!なんせ僕が育てた後輩くん達の集大成だからね!フンッ!!」


「ふふっ♪柊くんらしいねっ」


「……ですね」


 上機嫌な徳川を、二人の少女は微笑ましく見つめた。


 それから間もなくして、生徒会室の扉が何者かによって開かれる。


「ヨッ!3人とも!蘭とレエナは久しぶりだなっ!」


 堂々たる佇まいで颯爽と入室したのは、クロッカス3年のリーダー、月下 人美だ。姉御肌でクロッカス最強と謳われている彼女は、校内に留まらず世間でも非常に高い評価を受けている。まさに、”現クロッカスの顔”と称される存在だ。


「あら♪人美先輩っ、お久しぶりですっ」


「お久しぶりです、月下先輩」


 久々の再会に、生徒会メンバーは目を輝かせて月下の来訪を歓迎した。


「おはようございますっ!月下先輩っ!」


 徳川も少し遅れて月下に対し深々と頭を下げる。


「おぉ!柊もこの間はサンキューな!」


「いえいえ!お安い御用ですよ!フンッ!!」


 月下と徳川のパッション全開コンビは、閑静な生徒会室の空気を瞬く間に変貌させていった。


「何だか……お二人が揃うと、わたくし達の元気も吸い取られちゃいそうだね~」


「……ですね」


 生徒会メンバーの二人は呆気にとられつつも、普段とは様変わりした生徒会室の雰囲気をどこか愉しんでいる様子だ。


 そんな中、蘭は思い出したかのように月下に疑問を投げかける。


「そういえば……人美先輩っ、本日は一体どんな御用でしょうか?お仕事でご多忙のはずでは……」


「あぁ、確かに依頼が溜まってて本来なら立ち寄る暇は無かったんだが……」


 多忙を極めるクロッカスのリーダーは、ため息交じりにプロジェクターに視線を向ける。


「新チームのメンバー決めが控えてるからな、ちょっと偵察に来たんだよ」


「なるほど……確か、人美先輩のチームメンバーは推薦で決めるのでしたよね?」


「ああ、ウチのチームは特に忙しいからな。折角なら、お前たちみたいな優秀な後輩を入れたいものさ」


 月下は机に置かれたタブレット端末で1年生の名簿を一人ずつ確認する。月下の様子を遠目で観察していたレエナは、少し躊躇いつつも口を開いた。


「……もう、目星はついているのでしょうか」


「うーん、そうだな……」


 顎に手を当て考え込んでいると、ある人物のプロフィールを読んでいる途中で月下の口元が僅かに緩んだ。


「へぇ~、中々おもしれーヤツがいるじゃないか!」


「あっ、その人は……」


「ん?」


「いえ……何でもございません」


 言い淀んでしまったレエナは視線を月下から逸らした。何かを察したのか、月下も深入りするつもりは無さそうだ。


「……まあ、いいや!お前らも、育てた後輩ちゃん達の勇姿をしっかり見届けるんだぞっ!」


 月下は蘭と徳川の肩に両手を置き、ニカッと笑いながら白い歯を輝かせた。


「ええ、もちろんですわ♪」


「筋肉は!!!裏切らないっ!!!!!」


「……」


 第三者からすれば、平和な青春の一コマのように見受けられるだろうが、生徒会メンバーの二人は、この時”ある事象”が試験中に発生することを心底警戒していた。


 むしろ、ほぼ確実に発生してしまうことを覚悟するしか無かったのだ。彼女らとて、この試験に干渉することは固く禁じられている。


 ”ある生徒”による解決――それだけを願いつつ互いに目配せをすると、口元を引き締めて映し出された映像の前へと腰を下ろした。



————————————————————◇◆



 試験開始から5分経過――


「はぁ……はぁ……はぁ……」


 俺の息遣いに合わさるようにして、生い茂る雑草を一定間隔で踏み抜く音が人工森林に木霊している。


 剣を片手に走り続ける俺の20メートル後方では、チームメイトの明智柚葉が俺を追尾している。


『御角くんっ、その先の分かれ道を左ですぅ~!!』


 インカム越しに明智の溌剌(はつらつ)とした声が聞こえてくる。


「おう、サンキュ!周囲にトキシーはいるか!?こっちは……見当たらねぇ!」


『明智も……見当たらないですぅ~!』


 試験開始直後、怪我人の位置情報がメモリング内のマップに表示され、俺たちは木々を掻き分け指定のポイントに突き進んでいた。マップ内には、チームメイトと怪我人(クローネちゃん)の位置情報しか表示されず、他のチームやトキシーの位置情報は、現時点では明かされていない。


 第一ミッションは、《 10分以内に怪我人を保護せよ 》だ。制限時間以内に怪我人を見つけられなかった時点で即不合格となるわけだが、俺以外のクラスメイトは訓練で何度も人工森林を探索していたこともあり、俺は明智のガイドを頼りに目的地へと向かっていた。


『あと……100メートルくらい真っ直ぐですぅ~!!』


「よーし、もうすぐだな……って、おわっ!!」


 茂みを掻き分けた先、俺の目の前に立ちはだかったのは因縁の相手だった。


《Golem Toxic 25pt 100% ■■■■■■■■■■ 》


「いきなりコイツかよっ……」


しかも、最終試験の時よりも獲得ポイントが半減しているじゃないか。


「わーっ!おっきい敵さんですぅ~!」


 俺の背中を追いかけてきた明智は、突如現れた敵を前にして何故か目を輝かせていた。


 いや、それよりも今考えるべきなのは……


「明智さんっ、このままコイツを相手しちまうと、間違いなくクローネちゃんの救出は間に合わねぇ!どうする!?」


「うーん……じゃ、明智がクローネちゃんを連れてくるので、御角くんは敵さんをよろしくですぅ〜!!」


「んえっ!?ちょっと明智さ――」


「ですですぅ~!!」


 明智は親指を立てると一目散に駆け出してしまった。自分の利益のことは全く考えていないのだろうか。だが、損な役回りをさせてしまった以上、目の前のコイツを始末しないわけにはいかない。


「さあ、かかってこい!パワーアップした俺を魅せてやるぜ!」


『グォォォォォォォ……!!』


 俺は剣の柄を握りしめ、唸り声を上げているゴーレム型の背後に向かって走り出す。


 ゴーレム型は俺の残像を追うようにして片腕を振り上げて俺に照準を合わせる。


 コイツの背面は硬くてロクに攻撃が入らない。狙うは……


「そこだぁっ!!!!」


『グォォォォォォォ……!!』


 俺は死角になっていたゴーレム型の脇腹をピンポイントで突き刺した。不意打ちを食らったゴーレム型は体勢を崩し、その巨体が左右に大きく揺れている。


 俺はその隙に斬撃を繰り返し、比較的ダメージの通りやすい関節や頭部を集中的に狙う。入試では全く歯が立たなかったが、攻撃パターンさえ把握しておけば、意外と隙の多い敵だ。


《Golem Toxic 25pt 46% ■■■■■ 》


「よしよしっ!イイ感じだぜ!」


 俺はものの2,3分で攻撃を一切受けることなくゴーレム型の体力を半分以上削ることができた。自分で言うのもなんだが、入学時と比較しても俺の戦闘能力は正にうなぎ登りだ。これも桔梗先輩の厳しい指導の賜物だな。


 この調子でポイントゲットだぜ!と意気込んだところで、突如としてインカムから明智の声が飛んでくる。


『……くんっ!御角くんっ!聞こえますでしょうか!!』


「んおっ、どうした明智さん?」


 彼女の取り乱したような口調に、俺は困惑しつつも明智の話に耳を傾けようとゴーレム型から一度距離を置いた。


『今すぐ、明智の居る場所まで来てくださいっ!理由は後で!時間が無いですっ!』


「んっ??よくわかんねーけど、了解だ!すぐ向かう!」


『よろしくですぅ〜!』


 俺はすぐさまメモリングを起動してマップを確認する。


 明智の位置情報は、現在地から100メートルほど南下した地点、つまりクローネちゃんの位置情報とピッタリ重なっている。


 明智の焦りっぷりからするに、既にトキシーがクローネちゃんに攻撃を仕掛けている可能性が高い。となれば、目の前のコイツにかまけている場合では無いな。


「ちっ、今回だけは見逃してやるぜっ、脳筋野郎!」


『ヴゥゥゥゥゥゥゥ……』


 深紅色の眼球を光らせながらまじまじと見つめてくる獲物をよそに、俺は明智の元へと向かった。

こんばんは!ProjectAI.【プロジェクトアイ】です。


いよいよ幕を開けた公式ライセンス取得試験。陽彩と柚葉に襲いかかる最初の壁とは……


そして、他チームの結果は如何に。


YouTube&ニコニコ動画にてビジュアルボイスドラマも公開中です♪


↓下記URLよりご覧いただけます☺️↓

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