手がかりを探そう! 3
「ちょうど来てくれたから確認するけれど、キャンディとメロディはどうやって小さくなったわけ?」
わたしが尋ねると、キャンディとメロディは同時に首を傾げた。
「なんのお話?」
「どのお話?」
「お前ら、この屋敷に来る直前に、どうやって小さくなったかってことだよ。あたしが眠っている間に何かあって小さくなったんだろ?」
リオナが尋ねると、嬉しそうにメロディとキャンディが大きく頷いた。
「そう! リオナちゃん小さくて可愛かった!」
「リオナちゃんネズミさんみたいだった! 手の上でなでなでしたらちょっと震えてたよ!」
「あたしのことはどうでも良いんだよ……」
リオナが少し恥ずかしそうに言う。
「うーんとね、キャンディ、言ったの。リオナちゃんと一緒にいたいから、キャンディも小さくしてって!」
「メロディ言ったの。キャンとリオナちゃんと一緒にいたいから、メロディも小さくしてって!」
「そしたらお姉さん、キャンディに飴玉くれたの!」
「メロディにもくれた!」
「飴玉?」とわたしとリオナは首を傾げた。その飴玉が小さくなった原因かとも思ったけれど、わたしも、そして多分リオナもそんなものはもらっていない。
「あなたたちはユーカンな子ね、って!」
「あなたたちはおねーさん思いの子ね、って!」
「ご褒美の飴ちゃん!」
「甘くて美味しかった!」
「お姉さんが先に食べて、それをキャンディにくれたの!」
「チューしながらメロディの口の中に入れてくれた!」
「そしたらすっごい眠くなっちゃった!」
「寝たら知らないところにいた!」
「でも、お家の中だったから良かった!」
「リオナちゃんも一緒にいたから良かった!」
2人の話を聞き終わって、わたしはリオナと顔を見合わせた。
「ねえ、リオナ。わたしたち4人の共通点あったわね……」
「あったな……。お前のチーズケーキ、多分ただ消化のこと考えて口移ししただけじゃねえぞ」
うん、とわたしは大きく頷いた。そもそもさすがに会話はできたのだから、自力で咀嚼するだけの余力は残っていたし。
「なんのお話?」
「楽しいお話?」
キャンディとメロディが一緒に首を傾げて尋ねてきたけれど、わたしもリオナもやっと見つかった手がかりの整理に必死になっていた。
「わたしたちはみんな、その女性にキスされて、そこで気を失って小さくなった」
「ああ。多分キスが魔法の発動条件なんだろうな」
わたしとリオナは同時にホッと息を吐いた。とりあえず、小さくさせる方法は理解できた。だけど、依然としてまだ小さくしたのが誰かということは謎のままだった。