あんずモラトリアム串カツ
精神に支障をきたすものがぼちぼちとおります
理解の上に読んでください
または、小説を理解しないでください
串カツを食べていました
実においしい、甘い、辛い、もしくは退屈な串カツを
私は食事という行為がこの上なく退屈でつまらない事であるが故に
よく、食事中に思慮にふける事や、インタネットでくだらない映像を見ます
思索の中ふと私は気づきましたこの串カツも、この動画も、
非情に退屈で大した味もせず、なんら私自身の幸福度に貢献していないのだと
先ほどまでに非情においしかった、楽しかった動画や串カツは
ただただソースの味のみであり、そのしょっぱさやうまみが理解しがたい怪異で
その映像の面白さも気づくと、ただまぶしいだけの害悪光線でしかない
面白い、おいしい
このような抽象的で個々で意の変わる概念を
私は理解できなくなった
他人が褒めた物を褒めます、他人が好きと言った読み物を好みます
他人がおいしそうに食べる者をおいしいと復唱します
他人が部屋は綺麗な方が良いと唱えた為に掃除をします
他人様の都合の良いようにに動く事が良い行いと理解します
ああ、私自身が考え、得た良さ、もとい好みはどこにあるのだろう
他人が経験が形づくると唱えます、私はそのように復唱します
私が本質的に好き、良いと感じる物はなにか
それを探したい、見つからない
なぜならものを探す場合、大概他人からの紹介やおススメされたものが
我々が手に取るような表層に浮かぶのだから
所詮、誰かのおススメという手垢からは脱却できない
大衆に流されない、私自身の楽しい、嬉しい、良い
どこにあるだろうか
本やネットで情報を集めます
一日に１５刻は情報に触れ続けます
新たな情報を吸収し、より新鮮な情報を探します
より、大衆から離れた思想を求めます
より優れた人間になろうとします
はぁ、息が詰まる、
解に気づきます
なにも考えなければ良いと
串カツを頬張ります、おいしいと復唱します
頭は働かせません、違和感を覚えないように
おいしいと復唱します、おいしいと復唱します
制作者の笑顔を享受します
こういった時は幸せと、言うのでしょう
幸せを享受します、にこやかな気持ちになります
幸せです、幸せです、幸福です
はぁ、馬鹿らしい、などとは考えません
復唱します、幸せです、おいしい、幸せです
疑念符や疑心、自己顕示を錠剤にして飲み込みます
今日も飲みこます、不満、不平、怒り、悲しみ、涙、疲労
全て錠剤にまとめて、飲み込みます
ごくり、ごくり、さようなら。
拝読ありがとう
どうか君の錠剤が少ない事を祈るよ
あぁ、そうだ、これも誰かにそうしろって言われたんだっけな。
