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聖女様って呼ばないで  作者: 渡海
第1章
42/201

ゴブリンの腕輪


第40話の投稿になります。

しばらくは毎日投稿になります。

読んでいただけると幸いです。

アベル達に渡す前に一口味見してみる。

 う~ん、臭みと硬さは良くなってると思うけど、茹でたせいで灰汁と一緒に油も落ちちゃって、なんかパサパサしてるわね。

 食べた感覚が、鶏のささ身よりパサパサになってしまっていた。

 

アベル達に私ながら先ほどの感想も踏まえて一応注意しとこうと思い。


「もし食べるようでしたら、スープの中に入れた方が食べやすいかもしれません」


私が食べ方について説明をすると、アベルは頷いて。


「分かった、スープに入れるようにするよ」


それを聞いていたマーナも頷いて「わかった~」と元気に答えた。


調理に時間を取られ、もう日が傾いて夕焼けが景色を照らし始めていた。

 私たちは町に向かいながらこれからのことを話あった。

 その中で、今住んでいる宿のことに話が向いた。


「私は今、森の木陰亭で暮らしているんだけど、二人は何処に住んでるの?」


「俺達は穴熊亭って言う宿に泊まってるよ、宿代が安いから重宝してるんだ」


アベルが安い事を強調していたので値段が気になり尋ねてみた。


「いくらなの?」


「500ローン飯は別」


アベルが簡素に値段を言うとマーナが。


「でも余り雰囲気よく無いよね、この前も酔っ払いに絡まれそうになったし~」


マーナは不満そうに口を尖らせて文句を言った。

 それならばと思い今住んでいる森の木陰亭を紹介してみることにした。


「私の今住んでいる宿は衛兵のへインさんのご実家なので、余り変な客はいませんよ、いても宿の方で対処してくれますので」


私がそう紹介するとアベルは考えるようにしてから。


「でも高いんだろ?余り余裕がないからできるだけ節約したいんだ」


アベルはそう言うと自分の壊れかけの革鎧を撫でた。

 アベルの革鎧は彼が死にかけた時の傷が残り、お世辞にも防御力は高く無い。

 早急に買い替えなければならないだろう。


私はそれを見て悩んだ、確かに私のストレージには戦士の装備もあるけど、それを渡しちゃうと過剰だしな~だからってこのままはアベルの命に係わる。

 なら、私ができることは無いかな~やっぱ飴玉が一番楽かしら?でも毎回飴に頼るのもな~ならこれかしら。

 私はストレージの中から二つの腕輪を取り出した。


ゴブリンファイターの腕輪

草の蔓を編んだ腕輪ゴブリンの戦士の地位を示すためにゴブリンの戦士が付ける腕輪

効果 STR50 VIT50強化する


ゴブリンレンジャーの腕輪

草の蔓を編んだ腕輪ゴブリンの斥候の地位を示すためにゴブリンの斥候が付ける腕輪

効果 AGI50 DEX50強化する


効果は低いけど、あまり強すぎる物を渡しちゃうとな~それにこの腕輪も、前の古代都市ナスカで落ちるシリーズと同じで、強化の基礎素材になったりするのよ。

 この腕輪と魔物の素材を組み合わせて強化合成すると、効果と名前が変わっていくのよ。

 まあ、上がっても1000ぐらいまでだけど、なかなか落とさないレア装備だから個数確保してあったのよ。


私は腕輪をアベル達に渡すと、アベルとマーナは不思議そうな顔をして。


「これは?蔦でできた腕輪?なんだいこれ?」


「あたし、もうちょっとかわいいのが良い」


アベルは腕輪を回しながら眺め、マーナは唇を尖らせながら講義してきた。

 私はマーナの抗議に苦笑しながら。


「その腕輪は装備者の能力を上げてくれるのよ、アベルに渡したのは力と持久力を上げてくれるし、マーナに渡したのは敏捷力と器用度を上げてくれるのよ」


私がそう説明すると、二人は驚いた顔をして笑顔になった。


「俺たちのために、貴重な物を出してくれてありがとう」


「うん、ありがとう」


二人は私にお礼を言いながら、自分の腕を通して眺めていた。

 確かに、マーナが言っていたように、見た目は編んではあるけど蔦だからあまりかわいくない、好きな人は好きそうなんだけれどな~見た目太い蔦で三つ編みにしてあるだけだし、もうちょっとデザイン考えて欲しかった。


「話がそれちゃったけど、宿は今まで通りにする?」


私が聞くと、アベル達はすまなそうにしながら。


「そうだな、もうちょっと稼いでから移るよ」


アベルはそう言うので、マーナも頷いていた。

誤字脱字等がありましたらご報告よろしくお願いします。


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