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聖女様って呼ばないで  作者: 渡海
第1章
26/201

野戦病院

第26話の投稿になります。

しばらくは毎日投稿になります。

読んでいただけると幸いです。

私たちは、南門を抜けさらに街道を南下して、30分もしないうちに先頭集団がゴブリンの大群を発見した。

 私はその報告を聞いて先頭へ走り、先頭に近づくとギルバートさんが冒険者たちに作戦説明をしていた。


「戦闘時はパーティー単位で動いてもらって構わない、ただし後衛職は囲まれない様に十分注意してもらいたい。

 では神官に神聖魔法を掛けてもらった者から戦闘に入ってくれ」


私はギルバートさんの話が終わると、神聖魔法を掛けるため前に出た。

 私のほかにも何人か法衣を着た神官たちが、前に出たパーティーごとに、神聖魔法を掛けていく。

 だが、時間が過ぎるにつれ神官たちは座り込み、魔法を掛けられなくなってしまった。

 その分のしわ寄せが私の方へ来て待っている列も多くなっていく。

 仕方ないので私は『エリアブレッシング』と『エリアリジェネレート』に切り替え列を消化していった。

 途中衛兵さんが運んできたMPポーションをがぶ飲みしながらさらに魔法を掛け続けた。

 MPポーションが届いてからは他の神官も頑張り何とか冒険者全員に魔法を掛け終わる頃には13時を回っていた。


私が一段落して休憩していると神官たちが話しかけてきた。


「それにしても、その年でそこまで神聖魔法を使えるなんて驚いたよ」


神官の一人がそう言うと周りの神官たちも頷いた。


戦闘は冒険者側がかなり有利に進めていた。

 ゴブリン達に後れを取る者はいなかったが、中に混じったゴブリンウォーリアやアーチャー、メイジなど、他にもゴブリンライダーがその機動力で後衛を狙い、ホブゴブリンが怪力で盾役の戦士たちを吹き飛ばして、戦況を撹乱していた。


私は手早く食事を取り、次にどうしようか考えていた。

 怪我人のテントへ行くと多くの冒険者が運び込まれ、治療の順番待ちをしていた。

 人数も多く一人づつ治療しているのは正直時間が掛かり過ぎる。

 確かこういう時に役に立つ装備が有ったはず。

 私はストレージを漁り範囲拡大の指輪、回復量増加の指輪、MP消費減少の指輪を取り出し装備する。

 そして防具も変える、大聖女の聖衣、白い布地に金糸と青糸の刺繍がされ、何時も来ている法衣よりかなり派手だけど、性能はこっちの方が断然上なのよね。


大聖女の聖衣

VIT1240 INT2400

魔法範囲拡大、魔法回復量増加、MP消費減少、MP自動回復、状態異常半減

プレイヤーマリアにより作られた法衣、ピュアユニコーンの鬣から作った糸で編まれた布を使い、オリハルコンの金属糸と聖青石を粉にしたものを染料として使った糸を使い刺繍して完成させた法衣。


インベントリーの装備欄から装備を変えて久しぶりに純白の法衣に身を包んだ。

 回復役に専念する時に良く着る装備だ。


私は負傷者を収容しているテントの真ん中に立ち、一気に回復するため魔法を唱える。

『エリアヒール』私が魔法を唱えると、光の円がテント内に広がり、白い光が降り注ぎ、怪我人は次々と光に包まれ、光が収まる頃には完全に怪我が治っていた。


「すげー」


「あっと言う間にこの人数を治癒してしまうとは・・・」


「奇跡だ!」


私は治癒が終わったことを見て、呆けている人たちに。


「治癒が済んだ方から戦線復帰してください!まだ戦闘は終わっていません!」


私の叫びに冒険者達はハッとして、慌ててテントを出て行った。

 残された私たちは、汚れた包帯や布などを洗濯するために回収したり、神聖魔法を掛けるために冒険者達と一緒にテントを出て行く神官たちがいた。


ギルバートさんからの指示は、怪我をした冒険者達の治療だったが、最初に掛けた神聖魔法が切れた冒険者が、怪我をしてしまっていたり苦戦している所が目立った。

 私はギルバートさんに、前線へ出る許可を貰いに、司令部のあるテントへ向かった。


司令部のテントを訪れると、ギルバートさんと冒険者ギルドの職員、そして衛兵長達が話し合っていた。

 私がテントに入るとレインさんが近づいて来て。


「マリアちゃんどうしたんですか?」と聞いてきたので。


「ギルバートさんに前線に出る許可を貰おうと思いまして」


私がレインさんに言うとレインさんは心配そうな顔をして。


「前線に出るの?危なくない?」と聞いてきた。


私は心配ないことを伝えるため。


「自分の身位は守れますよ」と答えたが。


レインさんはまだ心配そうにしていた。


「心配ですけど、どうしてもと言われるのでしたら、マスター呼びますね」


レインさんは心配そうにしながら、ギルバートさんを呼びに向かった。

 少し待つと、ギルバートさんがこちらに来てくれたので、私が前線に出ることを伝えると。


「前線に出なくても怪我人は運ばれてくるのだから、ここで治療に専念してくれんか?」


ギルバートさんの言う事も最もだけど。


「私が前線に出れば運んでもらえていない重症者もその場で治療できます」


私は真剣にギルバートさんに、前線に出る理由を伝えた。

ギルバートさんは一度目を閉じ考える素振りをすると。


「では、護衛を付ける、絶対護衛から離れない様に」


本当は護衛なんて必要ないけど前線に出る条件がそれなら仕方ないわね。

 私はギルバートさんに肯定の意思を込めて頷くと、ギルバートさんは一度頷いてから。


「ゼラーフ!お前のパーティーでマリア嬢ちゃんの護衛に付け」


ギルバートさんが呼ぶと、角刈りの顔も四角い鎧姿の30代後半位の男性が、地図から目を離しこちらに来ながら。


「この嬢ちゃんの御守りをしろって?ま~ここで戦況分析なんかしてるよりゃ、前線で戦えるんだいいぜ!」


ゼラーフと呼ばれた男性は右手を差し出しながら。


「俺はゼラーフ、パーティー黒剣のリーダーだよろしくな」


「私はマリア、神官をしています。こちらこそよろしくお願いします」


私はゼラーフさんの手を取りしっかり握手をしながら自己紹介をした。


誤字脱字等がありましたらご報告よろしくお願いします。

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