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聖女様って呼ばないで  作者: 渡海
第1章
20/201

私の思い

第20話の投稿になります。

しばらくは毎日投稿になります。

読んでいただけると幸いです。


今回の話はちょっと重いです。

冒険者ギルドを出て、夕日に染まり始めた大道りを歩く。

 夕方の喧騒を抜けながら、私は満足感に包まれていた。


助けることができた。

 私は子供の頃の嫌な思い出を、思い出したくない過去を、思い出してしまった。


私は4歳の頃、すごく仲が良かった男の子がいた。

 博くん(ひろし)っていう活発な子でいつも私を引っ張って行ってくれた。


ヒーローに憧れていていつも「ぼく、おおきくなったら、ヒーローになるんだ!」って言ってたっけ。


私も真似して「じゃあ、あたし、ぷり〇ゅあになる!」って言って、張り合ってたな~。


博くんは足が速くて、私はいつも追いつけなかった。

 でも置いてかれるのが嫌でコッソリ走る練習もしてた。


博くんは私の手を引き色々な所へ連れてってくれた。


ある日、私たちの通っている保育園のいつものお散歩の時間、何時も先生たちが私たちに言い聞かせながら、ご近所をぐるっと周って、帰って来るコース。

 私は博くんと手を繋ぎ楽しく散歩をしていた。

 でもこの日に限って、楽しい散歩は私にとって忘れられない、惨劇の記憶になってしまった。


何時もの、お散歩コースを歩いていると後ろから物凄いブオオオオオオンという音が迫ってきた。

 その音に気付いて先生たちが私たちを守ろうと車道側に出て来る。

 私も博くんも音の方を振り向き、立ち止まり子供たち同士で話し出す。

 その間にも激しい音は私たちに近づいてきて。


私の視界から博くんが居なくなった。それと同時に銀色の車が私の鼻先を掠めていく。

 車が壁に衝突する音、キャーと言う悲鳴、何かを叫ぶ先生たちの声。

 私は目の前が真っ白になりそうに成りながら何が起きたのか理解できず茫然として立っていた。

 周りの子達が泣き出し、釣られて泣き出してしまうが状況は全く理解できなかった。


直ぐに私の両親や他の子たちの親御さんが来て私たちは家に帰ることになった。


何日か保育園は休園になり、寂しい毎日が過ぎ、やっと保育園に行ける様になり、保育園へ行ったがそこには博くんはいなかった。

 何日待っても博くんは保育園に来る様子が無い、私は保育園の先生たちに聞いてみたが泣き出しそうな顔をしてしまうだけだった。

 先生に博くんのことを聞くと、先生たちは泣き出してしまいそうな顔になる為、私はそれ以上聞いちゃいけないんだと思うようになった。


そして、先生たちが集まって話しているのを聞いてしまった。

 博くんの死を、私は理解できなかったけど、大きくなり理解してしまった。

 博くんは帰って来ないってことを。


私は「何で?どうして?」どうして死ななければならないのか理解できなかった。

 泣いて、泣いて、泣き続けた。

 でも私が泣いていると両親も悲しそうな顔をするので泣くのを辞めた。


今では事故だと分かっている、私にはどうしようもない事だったと分かっているんだ!でも現実で助ける力のない私は、VRMMOのメビロの世界にその力を求めた。

 私はそのことを思い出した。


この世界に来て私は人を助ける力を手に入れた。


それにしても今日は色々あったな~色々ありすぎてホント疲れたわ。

 当たり屋に会い、商業ギルドじゃあ呼び出され、ボックスに言い寄られた。

 なんで、1日でこんなめんどくさい事に成っているの?当たり屋は気を付けて歩けば大丈夫よね?商業ギルドはこれ以上売れそうな物を見せるのは危なそうね、

ボックスは「俺は諦めねー」宣言されちゃたのよね~、あの人ドウシヨ?PVPでもして諦めてもらおうかしら?


過去や、これからのことを事を考えながら、森の木陰亭に到着した。

 扉を開くとアイナちゃんがカウンターから飛び出し私に飛び込んできた。

 私が優しく抱き留めるとアイナちゃんが私の顔を覗き込んで。


「マリアおねえちゃん、きょうね、おひるまえにリナちゃんがきてね、しらないおねえちゃんにおいしいものもらったっていってたの。

 でねそのおねえちゃんのかっこうが、マリアおねえちゃんみたいなの」


私はアイナちゃんの言葉に私は今日のお昼のことを思い出していた。

 え?あの子アイナちゃんのお友達なの?案外世間は狭いのね。


「マリアおねえちゃん、リナちゃんばかりずるいよあたしにもちょうだい!」


しかたないな~飴を上げるより危険は無いし良いかな?

 私は微笑みストレージからチロノレチョコを出しアイナちゃんに渡した。

 もっと躊躇しろ?飴より安全なんだから良いじゃない。

 でも、1個だけだ大量にあげても溶けるだけだものね。


私がアイナちゃんにチョコをあげていると、宿の扉が開き人が入ってきた。

 私たちがそちらに目を向けると、鎧を着たへインさんが帰って来た所だった。

 それに気づいたアイナちゃんが私から離れ、今度はへインさんに抱き着いた。


「おとうひゃん、おかえりなりゃい」


アイナちゃんは口にチョコを入れたまま、へインさんに話しかけた。


「うん?何か呂律が回って無いぞ?大丈夫か?」


へインさんは、アイナちゃんの口調がおかしいことに気付くと、心配そうに聞くが。


「だいじょうふ、マリアおねえちゃんにおいしいものもりゃった」


アイナちゃんの答えを聞きへインさんは私の方を見ながら。


「また、なんか貰ったのか?悪いな貰ってばかりで」


へインさんは、申し訳なさそうにこちらを見てきた。

 私はアイナちゃんにばかりあげるのは贔屓のし過ぎかな?と考えてストレージから5個チロノレチョコを出し。


「家族で食べてください。

 温めると、溶けちゃいますから、早めに食べてくださいね?」


私が、言いながらへインさんに渡すと、驚いた顔になり。


「いや、もらえんよ、これも凄い効果が有るんだろ?」と聞いてくる。


「いえ、これは体力を回復してくれるだけですから」


私はそんなにたいした効果は無いと伝えたが、へインさんは疑い深そうにしていた。


誤字脱字等がありましたらご報告よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 別の部分数(話数だと思ってる人が多い単位)で誤字報告しましたが「喧騒(けんそう)」を「謙遜(けんそん)」と入力してる箇所が多いというか、現状読んでいる範囲では全部そうです。これで3つ目…
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