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聖女様って呼ばないで  作者: 渡海
第1章
115/201

破壊の傷跡

第112話の投稿になります。

しばらくは毎日投稿になります。

読んでいただけると幸いです。


簡単な食事を済ました私達は、扉のあった近くを探し始めた。

 南西から北東へ向かって、半円に削り取られた100メートルほどの溝と、その端に飛ばされた木々が、その凄まじい破壊の傷跡をより凄惨に彩っていた。

 端に寄せられた残骸を、手がかりが無いか調べているとアトムくんが声を上げた。

 

「みんなー、ちょっと来てください!」


アトムくんの声を聞き、私達はそれぞれ何か無いか探して歩いて居たけど、一旦集まった。

 アトムくんが声を上げた場所に行くと、呼ばれた理由が分かった。

 そこには瓦礫に押しつぶされた熊の様な魔物が、横たわっていた。

 その熊の魔物は息をしていなく、死んでいることが直ぐに分かる。

 その魔物は辛うじて、頭と左腕が瓦礫から出ていたが、それ以外は瓦礫に埋もれていた。


「この体毛・・・マーダーベアか?こんな魔物も倒れてるってことはかなりの破壊力だったんだろうな」


熊の少し赤茶色の体毛を確認したアベルが、熊から目を離し抉られた大地の傷跡を眺めながら、何か考えているように呟いた。

 私はマーダーベアと言う魔物を知らなかったので、アベルに質問してみた。


「マーダーベアはどのぐらい強いんですか?」


私が質問すると、アベルは大地の傷跡を見ていた目を離し、こちらを見て話し始めた。


「マーダーベアは等級で言ったらワーラントと同じ金だ、スピードはワーラントに負けるが、パワーはマーダーベアの方が上だ。

 だから一撃貰ったら人なんて吹っ飛ばされちまう」


アベルの説明を聞いてマーナも話し始めた。


「でもこのクラスが死んでるのを見ると、ホントにシュトゥルムバイターってバケモンなんだね」


マーナの言葉に私達は頷き、アベルはマーダーベアの死体を見ながら私に聞いてきた。


「マリアこの状態でもこのマーダーベアの死体ってストレージに入れられるか?」


アベルの質問に私は頷き、マーダーベアの頭に触るとストレージにしまった。

 マーダーベアの死体が目の前から消えたのを確認すると、私に話掛けて来た。


「悪いな、調査報告する時に証拠として提出したくて」


アベルの説明を聞き「いいですよ」と笑って答えた。


それから辺りを探し回った私達は、他にも多くの魔物の死体を見つけ、それらもストレージに回収していった。

 でも積みあがった木々は退かすことができなくて、残骸の下は調べることができなかった。

 そうして辺りを調べている間に、キャトルーが目を覚ました。

 目を覚ましたキャトルーは、項垂れて落ち込んでいることが一目で分かるほどだった。

 私達はキャトルーにどう声を掛けて良いか悩んでしまった。

 

私は肩を落とすキャトルーを抱きしめ傍に寄りそう。

 そうしている間にアベル達は辺りを探索し続けた。


探索している間に日も傾いてきて、辺りも暗くなってきていた。

 私達は一度集まり、夕食にすることにした。

 

私は揚げるだけで作れる豚カツを作り、カツサンドにして夕食にした。

 焚火を焚き、その周りに集まった。

 

「それにしてもこれだけ探索したのに、魔物が全然いないな」


アベルが辺りを見回しながら話した。

 それに同調するようにマーナも頷いて話し始めた。


「そうね、全然魔物の気配が無いわ、動物もいないみたい」


2人がそう言うので私も(探査)で確認してみたけど、全然気配がなかった。

 この破壊で森の魔物が逃げて、トラットの町の近くまで行ったのね。

 原因も分かったから、その元凶もすでにここに居なそうだから大丈夫そうね。


「こんな状態なら逃げたくもなるよな」


アベルがそんなことを呟いて、焚火の火を枝で移動させていた。

 

「でも元凶が居ないみたいだから、その内魔物も戻って来るのかもしれないわね」


私は先ほど考えていた事を言葉にして言うと、アベル達は頷いて肯定してくれた。

 

「それにしても伝説の神獣の名は伊達じゃねーな」


アベルがそんなことを呟くと、アトムくんも話し始めた。


「レイクオーバーは転んだ痕が湖になっているって聞きますから、生きた天災ですよね」


アトムくんが言うと、アベルとマーナは頷き、私はその神獣のことが解らなくてぽかんとしてしまった。


相談が終わると、私達は見張りを立ててテントで休むことにした。

 キャトルーは私達と一緒に先に休むことになって、私と一緒に眠った。

読んでくださりありがとうございます。


 ブクマ、評価、感想、とても励みになっております。

誤字脱字等がありましたらご報告よろしくお願いします。


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