こわ、顔怖すぎ!
第110話の投稿になります。
しばらくは毎日投稿になります。
読んでいただけると幸いです。
テントを片付け移動の準備をした私達は、早速森の奥へ向かって移動をし始めた。
1日森を探索して、この森で遭遇する魔物しか会っていないけど。
森が通常に戻っているか気になった私は、アベルに聞いてみた。
「森の状態は元に戻ってると思いますか?」
私の質問に、アベルは顎に手を当て考える仕草をすると答える。
「今のところは落ち着いてきているんじゃないかな?」
アベルが答えると、マーナも頷きながら。
「そうね、今の所この辺りで遭遇する魔物としか会ってないわね」
アベル達の言葉を聞いて、私は頷きながらキャトルーを見て話しかけた。
「後はキャトルーの家が分かれば良いんだけど・・・」
私が言うとキャトルーは東の山を指さし。
「あの山の麓辺りにあるはずにゃ」
キャトルーが指した山を見るとかなり遠くに見えた。
全員そちらを見ると、アベルはその距離を見て真剣な顔をして呟いた。
「あの山までだとたぶん片道で2日掛かりそうだな、帰るのは多分5日後になるけどいいか?」
アベルは目測で距離を測って私に聞いてきた。
それを聞いて私は頭に孤児院の子達の姿が過ぎったけど、キャトルーの為にも行くことを決意して頷いた。
私が頷いたのを確認したアベルは自分も頷き。
「ならまっすぐあの山の麓を目指そう、その途中で魔物の生息地を確認していこう」
アベルの提案に私は頷き、アトムくんとマーナも頷いて返事をしてくれた。
そのまま山へ向かって進んでいた一行は、先頭を進んでいたアベルが突然「うぁ、ぷっ!」と変な声を出して止まり、その場でジタバタと藻掻きだした。
その様子に皆気を取られて、マーナが直ぐに声を掛ける。
「アベルどうしたの? そんなとこでジタバタして?」
マーナが質問すると、アベルが真剣な顔で後ろを向いて叫んだ。
「マズイ!たぶんビックスパイダーの巣だ!奴が直ぐに来るぞ!」
アベルの叫びを聞き、私は(探査)に意識を向けると、右からすごい速さで近づいてくる魔物の気配が感じられた。
直ぐに皆に注意するために声を上げる。
「右から近づいてくる気配があります!注意して下さい!」
私が叫ぶと同時に、右側にあった木の上から飛び降りてきた。
全長3メートルはありそうな、全身黒尽くめの蜘蛛が目の前にいた。
その顔にある6つの目は赤く光り、自分の罠にかかった獲物を捕獲しようと、迫って来た。
「こわ、顔怖すぎ!やっぱり虫系は顔が怖いわよ」
私がビックスパーダーの顔を見て引いていると、マーナが弓を弾き矢を放った。
マーナの放った矢は、吸い込まれるようにビックスパイダーの影に刺さり、それと同時にビックスパイダーの動きがピタリと止まった。
「ギギギギィ!」
ビックスパイダーはなんで動けないのか解らないように、うめき声の様な声を漏らしながら必死で動こうとしていたが、動けずにいた。
動けないビックスパイダーへアトムくんは駆け寄り、首と胴の間に双剣をねじ込んだ。
痛みから悲鳴を上げるビックスパイダーの首を、アトムくんは双剣をハサミの様に交差して首を切り落とした。
切り落とされた首からは、大量の紫色をした体液が溢れ出し、土に沁み込んで染め上げていた。
「ふう、怖かった、やっぱ虫系は苦手ね」
私がそんなことを呟くと、アトムくんがこちらを見て。
「マリアさんでも怖いものがあるんですね」
アトムくんは笑顔で言ってきた。
私は苦笑いをしてアトムくんに返事をした。
「虫は余り得意じゃないわね、特に動きの速いアレは大嫌いなのよ」
私が嫌いな物を答えていると、アベルがジタバタしながら話しかけてきた。
「おーい、終わったなら助けてくれるか?ベタベタしてなかなか取れないんだ」
アベルの情けない声に、私達は顔を見合わせて、マーナとアトムくんが助けに向かった。
私はビックスパイダーの死体をストレージに入れて、アベルを助ける手伝いに向かった。
蜘蛛の巣だらけになったアベルに近づき、アトムくんがアベルに絡まっている糸を切り、マーナと私がアベルに付いた糸を丁寧に取って上げた。
糸を取り終わったアベルは一息つき。
「ベタベタして取り難くて、本当に参ったよ」と頭を掻きながら呟いた。
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