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聖女様って呼ばないで  作者: 渡海
第1章
113/201

こわ、顔怖すぎ!

第110話の投稿になります。

しばらくは毎日投稿になります。

読んでいただけると幸いです。

テントを片付け移動の準備をした私達は、早速森の奥へ向かって移動をし始めた。

 1日森を探索して、この森で遭遇する魔物しか会っていないけど。

 森が通常に戻っているか気になった私は、アベルに聞いてみた。


「森の状態は元に戻ってると思いますか?」


私の質問に、アベルは顎に手を当て考える仕草をすると答える。


「今のところは落ち着いてきているんじゃないかな?」


アベルが答えると、マーナも頷きながら。


「そうね、今の所この辺りで遭遇する魔物としか会ってないわね」


アベル達の言葉を聞いて、私は頷きながらキャトルーを見て話しかけた。


「後はキャトルーの家が分かれば良いんだけど・・・」


私が言うとキャトルーは東の山を指さし。


「あの山の麓辺りにあるはずにゃ」


キャトルーが指した山を見るとかなり遠くに見えた。

 全員そちらを見ると、アベルはその距離を見て真剣な顔をして呟いた。


「あの山までだとたぶん片道で2日掛かりそうだな、帰るのは多分5日後になるけどいいか?」


アベルは目測で距離を測って私に聞いてきた。

 それを聞いて私は頭に孤児院の子達の姿が過ぎったけど、キャトルーの為にも行くことを決意して頷いた。

 私が頷いたのを確認したアベルは自分も頷き。


「ならまっすぐあの山の麓を目指そう、その途中で魔物の生息地を確認していこう」


アベルの提案に私は頷き、アトムくんとマーナも頷いて返事をしてくれた。

 そのまま山へ向かって進んでいた一行は、先頭を進んでいたアベルが突然「うぁ、ぷっ!」と変な声を出して止まり、その場でジタバタと藻掻きだした。

 その様子に皆気を取られて、マーナが直ぐに声を掛ける。


「アベルどうしたの? そんなとこでジタバタして?」


マーナが質問すると、アベルが真剣な顔で後ろを向いて叫んだ。


「マズイ!たぶんビックスパイダーの巣だ!奴が直ぐに来るぞ!」


アベルの叫びを聞き、私は(探査)に意識を向けると、右からすごい速さで近づいてくる魔物の気配が感じられた。

 直ぐに皆に注意するために声を上げる。


「右から近づいてくる気配があります!注意して下さい!」


私が叫ぶと同時に、右側にあった木の上から飛び降りてきた。

 全長3メートルはありそうな、全身黒尽くめの蜘蛛が目の前にいた。

 その顔にある6つの目は赤く光り、自分の罠にかかった獲物を捕獲しようと、迫って来た。


「こわ、顔怖すぎ!やっぱり虫系は顔が怖いわよ」


私がビックスパーダーの顔を見て引いていると、マーナが弓を弾き矢を放った。

 マーナの放った矢は、吸い込まれるようにビックスパイダーの影に刺さり、それと同時にビックスパイダーの動きがピタリと止まった。

 

「ギギギギィ!」


ビックスパイダーはなんで動けないのか解らないように、うめき声の様な声を漏らしながら必死で動こうとしていたが、動けずにいた。

 動けないビックスパイダーへアトムくんは駆け寄り、首と胴の間に双剣をねじ込んだ。

 痛みから悲鳴を上げるビックスパイダーの首を、アトムくんは双剣をハサミの様に交差して首を切り落とした。

 切り落とされた首からは、大量の紫色をした体液が溢れ出し、土に沁み込んで染め上げていた。


「ふう、怖かった、やっぱ虫系は苦手ね」


私がそんなことを呟くと、アトムくんがこちらを見て。


「マリアさんでも怖いものがあるんですね」


アトムくんは笑顔で言ってきた。

 私は苦笑いをしてアトムくんに返事をした。


「虫は余り得意じゃないわね、特に動きの速いアレは大嫌いなのよ」


私が嫌いな物を答えていると、アベルがジタバタしながら話しかけてきた。


「おーい、終わったなら助けてくれるか?ベタベタしてなかなか取れないんだ」


アベルの情けない声に、私達は顔を見合わせて、マーナとアトムくんが助けに向かった。

 私はビックスパイダーの死体をストレージに入れて、アベルを助ける手伝いに向かった。

 蜘蛛の巣だらけになったアベルに近づき、アトムくんがアベルに絡まっている糸を切り、マーナと私がアベルに付いた糸を丁寧に取って上げた。

 糸を取り終わったアベルは一息つき。


「ベタベタして取り難くて、本当に参ったよ」と頭を掻きながら呟いた。

読んでくださりありがとうございます。


 ブクマ、評価、感想、とても励みになっております。

誤字脱字等がありましたらご報告よろしくお願いします。

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