ホワイトクリスマス。(その13) 夢の灯花(2)
幼い灯花が、病院内に戻った後。
灯花は、すぐに隠れる場所を探した。
廊下をウロウロとしていると、若い看護師さんを見かけた。
あっやばい!
看護師さんに見つかると、怒られると思った。
真夜中にこんな所にいるのは、さすがにまずい。
灯花は、看護師さんに見つからないように、足音を立てずにそっと通り去った。
途中、見つかりそうになったが、機転を利かせて階段を登ったのは良かった。
看護師さんがいきなり振り返ったのは、びびった。
冷や汗を掻きながら、階段をそのまま上がった。
トコトコと階段を登ると、階段の上に座っている松葉づえを持った男の人がいた。
男は、呆然と座っていて、こちらが近づいても気づきもしなかった。
へんな人…
灯火は、そう思いながら素通りした。
適当な階にたどり着くと、黒い蝶を見かけた。
あれは…
黒い蝶はこの階層の廊下を通って行った。
また、あの赤い着物の男の人がこの先にいるのかな?
灯花は、目を細めた。
行きたくないな~
赤い着物を着た男は、顔に花模様のあざがあった。
見るからに、近づいたらまずい人だとすぐにわかる。
だけど、あの女の子のことがある。
自分だけ帰るのは気が引けるし、何より、自分もあの黒い蝶が気になった。
…………。
黒い蝶は、ひらひらと舞うように飛んでいた。
灯花は、長い廊下をトコトコと走り、黒い蝶を追いかけた。
黒い蝶は、ひらひらとある部屋に入り込んだ。
灯花は、その部屋に入るとそこは、ベットが並べてあった。
どうやら、この部屋は病室のようだ。
黒い蝶を探すと病室の奥へと飛んでいくのを見かけた。
奥へと進むと、カーテンで隠された場所があった。
黒い蝶は、このカーテンの中に入って行ったみたいだった。
灯花は、ゆっくりとカーテンをめくった。
中に入るとそこには、きちんと整られていたベットがあるだけだった。
うん?
でも、ベットの上に画用紙があった。
灯花は、その画用紙を手に取って見ると、絵とは言えないものだった。
黒一色に描かれた絵は、殴り書きで何を描いていたのか分からないものだった。
うげ!
きっと、自分より幼い子が描いたものだろう。
自分なら、いろんな色を使って上手く描けると言うのに…
まったく、センスがないね。
やれやれお子様なんだから…
灯花は、そっと画用紙をベットの上に戻した。
あれ?
そういえば、あの黒い蝶はどこに行ったの?
確かに、この場所に入ったのを見かけた。
…?
きょろきょろと周りを見渡すがどこにも黒い蝶はいなかった。
しばらくして、廊下から足音が聞こえて来た。
もしかして、あの赤い着物の男の人?
ちょこっと廊下を覗くと誰もいなかった。
気のせい?
でも、確かに聞こえた。
灯花は、来た道を少し戻った。
廊下には、誰もいなかったが、階段から話声が聞こえた。
誰かがいるの?
ちょんっと階段の角から覗くと、さっき通りかかった松葉づえの男の人と誰かか喋っているみたいだった。
角で覗いているため、松葉づえの男の人と喋っている相手の姿までは分からなかった。
今度こそ、あの赤い着物の胡散臭い人と喋っているのだろうか?
会話の内容までは、わからないけど、随分親しげに喋っているようだった。
灯花は、しばらく様子を見ることにした。
すると、松葉づえの男の人が動き出した。
灯花は、慌てて角に隠れた。
階段を上がればすぐに見つかってしまうのに、松葉づえの男の人は、こちらに気づかず廊下を通り去ってしまった。
…?
だけど、もう一人のほうはしっかりと足音を立てて階段を上がって来た。
…っ!
やばいかも!
灯花は、廊下を走った。
そして、適当な病室へと入ってベットの下へと潜りこんだ。
投稿大分遅れて、すみませんでした。_(._.)_ぺこり。




