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助けてください!天狼さん。  作者: 落田プリン
第ニ章 えっ?友達ですか!天狼さん。
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ホワイトクリスマス。(その10)

 天狼は、なみと共に手術室へと向かった。

道中、なみの発音の練習をしていた。

「さ、し、す、せ、そ」

「さぁ、しぃ、すぅ、せー、そぉ」

なみは、さ行が苦手みたいだ。

「しゅ、じゅつ、しつ」

「しゅ、じゅう、ちつ」

廊下の天井には、黒蟲たちがうごめいていた。

ぱらぱらと黒蟲が落ちて来ても、私達は気にせず、前へと進んだ。

なみが描いた、大きなてんとう虫と言うのは、親蟲おやむしのことだろう。

なみは、手術室にいたと言っていた。

連れて行かれた、灯花もそこにいる可能性が高い。

闇雲やみくもに病内を探すよりも、可能性がある所から探したほうがいい。

例え、親蟲がいても、関係ない。

親蟲は、必ず滅するし、灯花を救い出す。

天狼は、そう思いながら前を向いた。


 私達は、廊下を歩いていると、掲示板を見つけた。

病内の地図が掲示されていた。

これは助かる…

手術室へと向かいたいが、病内のどこにあるのかはわからなかった。

手術室は、どうやら複数あるみたいだ。

第1手術室~第3手術室がある。

そのうちのどれかだろう。

天狼は、なみを抱き上げ、地図を見せた。

「なみ、どこの手術室なんだ?教えてくれ」

なみは、まだ地図の見方がわからなかったらしい。

なみは少しうなった。

「わかんない…」

「…そうか」

天狼は、なみに言った。

「てんとう虫がいた所は、たかい所?それとも、ひくい所?」

「う…ん、ひくい所?」

「なら、1階に向かうとしょう」

天狼は、なみを抱き上げたまま、階段へと向かい1階へと下った。

天狼は、なみのカンを頼りに進むことにした。

それに、幽世かくりよは、歪んでいる。

その通りにその場所があるとは、思えない。


 天狼となみは、1階の手術室の前に来た。

「しゅじゅつしつ!」

なみがそう言うと、天狼は、なみをめた。

「言えるようになったな。えらいぞ」

天狼は、なみの頭をひと撫でした。

なみは、天狼に褒められて嬉しそうだった。

そんな会話のあと、なみは気づいた。

天狼は、手術室の前で止まり、入ろうとはしなかった。

「はいらないの?」

なみがそう言っても、天狼は動かなかった。

「なみ。ここは、はずれだ」

親蟲の気配がない。

それに、入った所でわながある。

大量の黒蟲のにおいが手術室から漂っている。

「どうして、わかるの?」

なみが不思議そうに言って来た。

天狼は、なみを抱き直して言った。

「なみ。かくれんぼは、かくれるだけが遊びじゃないぞ」

「うん?」

「かくれるだけでは、すぐに見つかってしまうだろう?だから、おとりを使って時間をかせぐんだ。鬼があきらめるまで、かくれ続けるのが勝ちだろう?」

「うーん…」

「なみには、ちょっと難しかったか?」

「なんとなく、わかったような…うーん、わかんない」

天狼は、ふと笑い、なみの頭を撫でた。

「なみは、かくれても見つけてほしいのだな?」

「うん!」

「そうか…なみは、それでいい」

天狼は、なみの温かさを感じた。

とても、良い子だ。

だけど…

天狼は、少し寂しく感じた。

その場を一時してから、天狼は手術室からゆっくり離れた。

天狼は、手術室の扉を凝視しながら、一歩ずつ離れた。

私達が罠に引っかからなかったのが気にくわなかったせいなのか、分からないが、黒蟲たちが激しくうごめいているのがわかった。

「来る…」

だとしたら、どこへ向かう?

1階の手術室は、はずれだ。

その他の手術室も、きっとはずれだ。

だとすると…

隠している場所がある。

例えば、普段行かない場所だ。

行かない所、行きたくない所。

……地下か。

病内の地図に載っていた。

B1階。

「とりあえず、地下へ向かうか…」

天狼は、道を決めた。


バァン!

大きな音を立てて、手術室の扉が一気に開いた。

大量の黒蟲たちがなだれ込んできた。

天狼は、なみを抱えながら、大太刀を構えた。

黒蟲の群れが天狼たちに襲いかかって来た。

天狼は、大太刀を大きく振り下ろし、断ち切った。

黒蟲の群れが真っ二つに割れて散った。

次が来る前に、向かうとしよう。

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