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助けてください!天狼さん。  作者: 落田プリン
第ニ章 えっ?友達ですか!天狼さん。
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ホワイトクリスマス。(その9)

 天狼は、怒気どきを押さえた。

この場で、怒りを出すのは冷静さを失うからだ。

灯花を神楽夜かぐやに連れて行かれた。

もう一人の私に…

天狼は、顔をしかめた。

パジャマ姿の少女は、天狼の着物の袖を引っ張った。

「みつけにいこう…」

少女の言う通りだと天狼は思った。

この場にいても、何も解決しない…

まずは、行動しなければ。

「わかった…」

天狼は、少女の目線に合わせてかがみ、名前を聞いた。

「お前の名は?」

「わたし、なみ…」

「そうか…では、なみ。一緒に灯花を見つけよう」

天狼は、少女を抱き上げた。

幼い灯花と同い年ぐらいの子供だ。

何かを探すなら、子供の目線にならないと見つけられないことがある。

「何か見つけたら、教えてくれ…」

灯花、無事でいてくれ…

必ず、見つける。


 天狼は、廊下へと出た。

黒蟲したちがうごめく音が廊下に響いた。

天井には、びっしりと黒蟲が湧いていた。

天狼は、そっと少女の頭を撫でて言った。

「出来るだけ、上を見ないでくれ…」

なみは、黒蟲に驚かず、大人しく天狼に掴まっていた。

本来ならば、私のような存在ものは、さわりがある。

子供や感がいい者には、恐れられる。

今のこの子に、障りがないのは、普通の子供ではないからだろう。

天狼は、廊下を歩いた。

神経を研ぎらせながら、いずれ襲ってくる黒蟲たちに、大太刀を構えた。

なみは、そんな天狼に気にもしなかった。

むしろ、天狼に気を許しているようだ。

「あっ!」

なみが、何かを見つけたようだ。

「どうした?」

天狼が聞くと、なみはバタバタともがいた。

天狼は、なみをそっと降ろした。

なみは、廊下を駆け出し、ある病室の中へと入って行ってしまった。

天狼は急いで、なみのあとを追った。

病室の中へと入ると、ベットの上に座るなみがいた。

なみは、画用紙を持っていた。

「みてみて!なみが描いたの!」

天狼は、なみが描いた画用紙を見て、既知きちを感じた。

この絵は、幽世かくりよに入る前に、国光と一緒に見た絵だった。

あの絵は、なみが描いた絵だったのだな…

「よく描けているな…この花柄の服を着ている人は、なみか?」

「うん!」

「そうか…実に可愛らしい。では、この黒いものは何かな?」

「これはねーでっかいてんとう虫なの!」

「ほう…では、このてんとう虫は見たことがあるのか?」

念のために聞いておこうと天狼は思った。

少女が描いた、てんとう虫は異常なほど、黒く塗りつぶすように描かれていた。

「うん!」

「………では、どこで見たのだ?」

「うんとね…えーと…どこかな?」

「よく、思い出してくれぬか?お前は、いい絵を描いているからな…どこか知りたい。」

天狼は、なみの頭を撫でた。

なみは、嬉しそうに笑った。

「うんとね…どこかな?うーん?」

やはり、思い出すのは難しいか…

天狼が、諦めようとした時。

「あっ!」

「…何か思い出したのか?」

「しゅじゅじゅつ!」

「しゅじゅじゅつ?」

「しゅじゅじゅつにいたよ!」

もしかして、手術室のことかな?

「なみ、しゅじゅつしつだ」

「しゅじゅじゅちつ!」

「しゅじゅつしつ」

「しゅうじゅつちつ!」

どうやら、なみは、さ行が言いにくいらしい…

「しゅ、じゅつ、しつ」

「「しゅ、じゅつ、しつ」」

もう少しで、言えるはず…

「しゅじゅつしつ」

「しゅじゅうちつ」

「練習しながら、手術室に向かうとするか…」

天狼は、なみの手を取った。

「さて、灯花を探す続きをしよう」

天狼となみは、発音の練習しながら、手術室へと向かった。

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