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助けてください!天狼さん。  作者: 落田プリン
第ニ章 えっ?友達ですか!天狼さん。
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ホワイトクリスマス。(その6)

 天狼は、上へと階段を登った。

3階へと足を運ぶと、小さな足音が廊下から聴こえて来た。

廊下に出ると、小さな人影が通った。

迷い込んだ者がいるみたいだな…

人影を追おうとするが、天狼は足を引いた。

足元に黒蟲くろむしがいた。

黒蟲たちがゆっくりと動き出していた。

足元の黒蟲を踏み潰せば、この病内を埋め尽くすほどの、黒蟲が湧く。

黒蟲が湧けば、迷い込んだ者を導くことは困難になってくる。

ここからは、慎重に行動しなければならない。

この廊下の先に、迷い込んだ者がいるのは間違いない。

天狼は、天井に黒蟲たちの気配を感じていた。

黒蟲たちは、こちらを伺っている。

天狼は、少し息を吐いた。


 廊下のあちらこちらに、黒蟲が落ちていた。

それを踏まぬように、そっと歩いた。

天狼は、ある病室の前まで来た。

迷い込んだ者のにおいがここから来ていた。

先ほどの、小さな人影もこの病室に入って行ったみたいだ。

天狼は、病室の扉を開けた。

病室は、質素な個室だった。

天狼が病室に入ると、ある気配を感じた。

それは、ベットの下から感じていた。

天狼は、ゆっくりと腰を下ろし、柔らかな声音で声をかけた。

「怖がらなくてもよい、どうか姿を見せてくれまいか?」

「…………。」

「うん?」

ベットの下から、もそもそと動くのが分かった。

ベットの影から、にょきっと小さな手が出ていた。

天狼は、そっと手を差し出すと、その小さな手は天狼の手を取った。

ベットから出て来たのは、小さな女の子だった。

黒髪の白いワンピースの少女だった。

どこかしか、灯花に似ていた。

少女は、天狼の顔をじっと見ていた。

「わんわん?」

少女は、口を大きく開けて笑った。

天狼は、微笑みながら少女に言った。

「こんな所で何していたのだ?」

少女は、にぱあと笑いながら答えた。

「かくれんぼ!」

「かくれんぼ?誰とだ?」

「うんとね、えっとね、あの子とね、かくれていたの!」

「あの子?」

少女が指を指した。

指す方向は、私の後ろだった。

天狼は、後ろを振り向くと、そこにはもう一人の女の子が立っていた。

花柄のパジャマを着ていた。

ここの入院患者だろうか…

花柄のパジャマの少女は、私と目と合うと、廊下を走り去ってしまった。

「あっ!見つかっちゃったあ!」

目の前の少女は、しまったと言わんばかりに頭を抱えた。

天狼は、走り去った少女のことを考えていた。

迷い込んだ者は、この子で最後だ。

この幽世かくりよでの、においはほとんどかぎ取っている。

だとすると、あの子は…

「もう!わんわんのせいだよ!むうぅ!」

少女は、ほほをらませて言った。

天狼は、少し困った顔をして、少女に謝った。

「すまんすまん、まさか、かくれんぼしてるとは思わなかったんだ。どうか、許してくれ」

天狼は、少女のほほをそっと触れながら、許してくれるよう頼んだ。

「うん?」

少女は、そんな天狼に口をとがらせて言った。

「ぶううーー!」

「では、どうしたら許してくれるか?」

天狼が問うと、少女は口を大きく開けて言った。

「じゃあ!かくれんぼ手伝って!とーかが鬼なの!」

天狼は、少女の言葉に少し驚いたが、すぐに笑みをこぼした。

「わかった。灯花、私が手伝おう」

返事を聞いた少女は、にっこりと笑った。

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