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助けてください!天狼さん。  作者: 落田プリン
第ニ章 えっ?友達ですか!天狼さん。
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ホワイトクリスマス。(その4)

 天狼は、再び歩き出した。

長い廊下を進むと、カウンターが見えて来た。

看護師がここで、患者の書類を扱っているみたいだ。

すると、どこからか足音が聴こえて来た。

天狼は、迷い込んだ者をまた一人と見つけた。

「巡回ですか?」

天狼が問うと、懐中電灯を持った看護師が言った。

「あなたは…えっと…確か、今日入院した…久遠さん?」

天狼は微笑みながら答えた。

「はい」

看護師は、目を見開いて近づいた。

「久遠さん!今何時だと思っているのですか!就寝時間ですよ!早く病室に戻ってください!」

天狼は、少し後ずさった。

灯花に会えば、真っ先に言われそうな言葉だ。

「さあ!戻りましょう!」

「…まあまあ、そう焦らず…」

「もう!あなた含めて二人目です。勝手に病室を抜け出すなんて」

「二人目?」

「203号室のおじいさん。どこかで見かけませんでしたか?」

天狼は、ふと先ほどの老人のこと思い出した。

老人も病室を抜け出していた。

「…もしかしたら、あのご老人はもう戻られていると思うぞ?」

「久遠さん!見かけたのですね!」

看護師は、ずいっと詰め寄った。

天狼は、また後ずさった。

この看護師は、本当にお強い方だ。

この幽世かくりよでも、はっきりと目的を持って行動している。

「でしたら!久遠さんも病室に戻ってください!」

「私は…」

「問答無用です!さあ戻りましょう!」

天狼は、困った。

こうも、強く言われるとはな…

だが、ここは引いてもらわねば。

天狼は、看護師の肩をそっと掴んだ。

看護師は、いきなりのことで驚いていた。

「なっ!」

天狼は、看護師の目を捉えて言った。

「すまない…私は、やらねばならぬことがあるんだ。ことが済み次第、すぐに病室に戻る。この天狼の名に誓って…」

看護師は、ほほを赤くした。

「…は、い…」

天狼は、看護師の髪をそっと撫でた。

「それに、随分とお疲れのようだ。幽世ここで休むより、ゆっくりと横になれる所で休んだ方が良い」

微笑みながら、看護師をゆっくり放した。

看護師は、先ほどより顔を真っ赤にしていた。

「…わっわかりました…久遠さんも用が…すっすんだら、すぐに戻ってくださいね…」

天狼は、理解してくれたことに感謝した。

「ああ、約束しょう」

「……っ!!わっわたし!行きますから!きっ気を付けてください!」

看護師は、そのまま振り返って走って行ってしまった。

可憐な看護師だったな…

天狼は、看護師を見送った。

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