ずるの結果。
全ての競技が終わった後、教室に戻るとクラスのみんなは教室の飾りつけをしていた。
そういえば、歓迎会するって言っていたな…
久遠先生…。
結果は、女子は全勝したけど、男子は敗北していた。
男子しぃー!
闇の組織でも、すでに負けていた結果は覆すことはできなかったか。
仕方ない…
みんなは、先生が辞めるなんて知らない。
この歓迎会がお別れ会になるなんて、誰も思わないだろう。
久遠先生に変な勝負しなきゃよかった。
せめて、じゃんけんにしとけばよかった!
勢いだけで勝負を吹っ掛けたのが、バカだった。
「朝峰さん!これ手伝って!」
折り紙で輪っかを作って、繋げる作業だった。
「ふんふん!久遠先生!まだかなー!」
「先生、学校来てんだよね?」
「来てるって!」
「久遠先生、早く来ないかなー!」
………言えない
…先生が辞めるなんて!言えない!
クラスの女子が優勝というプレゼント(わいろで勝った勝利)を用意しているのに!非常に残念だ。
しばらくして、先生が来る前に飾り付けが終わった。
折り紙だけの飾りつけだけど、なかなかパーティーが出来る空間になった。
突然、男子生徒がみんなに言った。
「おい!みんな!久遠先生が来たぞ!」
みんな一斉に、クラッカーを持って待機し、まだかまだかと待ち構えていた。
私は隅で大人しくしていた。
足音が近づいて、教室の扉が開くと。
パッパーン!!
「せーの!」
「「「「久遠先生!1年C組にようこそ!!!」」」」
再び、クラッカーが鳴り響いた。
パッパーン!!
たくさんのクラッカーの音に紛れて、久遠先生はポカンとしていた。
目が点になっている天狼さんは初めて見た。
「……火薬か?なぜ生徒が火薬を?」
別の所で驚いてない?大丈夫か?
「先生!ようこそ!」
「久遠先生!」
「先生!」
「あ、ああ…そうだな、皆、ありがとう。」
戸惑いながらの微笑みは女子生徒を魅了した。
さすが天狼さん…。
何度会っても、胸がぼんぼんする。
「先生!聞いてくださいよー!私達…優勝しました!」
「全種目ですよ!全種目!すごくないですか!」
「まあ、男子は負けていたけど!」
「うるせーよ!女子!」
「優勝一つぐらい取ってから文句言いなさいよ!」
「なっなんだと!」
「まあ落ち着いてくれ、皆よく頑張っていた。それは、男女関係なくだ。皆の結束が良かったのだろう、彼女たちの応援に駆け付けた彼らも十分、力になったからだろうと私は思う。だからこそ、言わせて頂こう…おめでとう!」
再び、久遠先生は私達を魅了した。
すると、今度は少し困った顔をして久遠先生は言った。
「…………私は皆に言わなければならないことがある」
騒いでいたみんなが急に静かになった。
私はゴクリと喉を鳴らした。
クラス全勝する約束だった。
それが破られたんだ、久遠先生は辞めてしまう。
汚い手で勝ったんだ。
夢はあきらめよう…
そんな時。
「先生、教頭先生が来てます…」
あっほんとだ…。
教頭先生が教室に来ていた。
久遠先生は教頭は廊下で話をしていた。
クラスのみんなはざわざわと様子を伺っていた。
しばらくして、久遠先生は苦笑いをしながら帰って来た。
「すまない、待たせたな」
なんだか様子が変。
「皆に言わなければならないことがある」
……?
「この度、田中先生が再び入院することになった」
「えっ?」
「田中先生?」
みんなどよどよしていた。
田中先生、元担任。
すっかりクラスのみんなは田中先生のことを忘れてしまったらしい。
………。
…………あれ?
「田中先生が重い病気にかかってしまってな…残念だ」
そうなんだ…あの田中先生が…
「よって、私がまたしばらくの間、このクラスの担任を続けることになった。皆よろしく頼む」
この笑顔見たことがある…しかも、目が笑っていない。
にっこり笑いながらのあいさつは、心の中は全く喜んではいなかった。
それでも、この学校に残ってくれた。
また、久遠先生と一緒にいられるね。
その日の放課後。
私は、久遠先生に職員室に来るよう呼び出された。
そこで、久遠先生にあるプリントを渡された。
未だに機嫌が悪いのか、笑顔のままだった。
「えっと…なんですか?これは…」
「補習の日程だ。」
「はい?」
「テストの点数が悪かったと思うが?」
「………えっと…私、明日…終業式…」
そう、明日終業式。
そして、明後日からは冬休み……だったはず…はず…。
「追試を受けるのだろう?」
「あは………そうでした。」
ええ、そうでした、そうでしたとも!すっかり忘れていました!
赤点取りましたとも!ええ、ばっちり取りました!
冬休み補習決定!!




