放課後のたこ焼き。後半
身体が冷えた時に食べる、たこ焼きの味は最高にうまかった。
外はカリッとして中はトロッしていた。
味がしっかりしていて、中にあるタコがいい味を出していた。
「うまうま!」
「機嫌が直ってなりよりだよ、まったく」
私達は公園のベンチに座って、たこ焼きを食べていた。
元はというとりんの悪態によるものだけど、ゴチになったので今回のことは水に流そう。
「…それで私に何か用ですか?」
「俺は、なんでお前を追いかけていたんだろう…」
「……警察に行きますか?」
「人を犯罪者扱いしてんじゃねー!」
「じゃあ、なんです?」
天狼さんの知り合いじゃなかったら、相手したくないんだけど…
りんさんを半目で見た。
「なんだよ!その目は!」
「すみません、あなたみたいな人に関わってろくなことあってないので…つい」
「ついじゃねーよ!なんだよ、年上に向かってよ!失礼だろ!」
「いくつなんです?3歳ですか?」
「犬の年齢と一緒にするんじゃねーよ!18だ!18!」
「ぶっあはははは!」
笑い声がした。
灰色の髪の男性が笑っていた。
「愁さん、笑うとこじゃないっすよ!今こいつに説教を!」
「お前も十分ガキだろ」
「なっ!」
言われてんの。
「ほらっよ!りんもだ」
「わあ!」
「おう」
いきなり渡されたのは、アップルジュースだった。
「あ、ありがとうございます」
りんさんも同じものを渡されたようだった。
「店はいいのかよ」
「いいのいいのってお前ら以外誰もいないし」
公園は閑散としていた。
「ところで、君名前は?天狼様を知っているってことは、天狼様のアレってこと?」
「……あれって?」
「花嫁」
「ぶっ!こいつはねーよ!俺も最初は思ったけど、天狼様全然だしよ!」
ジュースを吹き出しながら言われた。
なんだろう…これ、傷口に塩ってこれのこと?
「りーん。今この子と話しているんだけど、斬られて焼かれたいか?」
「うぐっ!」
「ごめんなー!りんの悪い癖のもんで、すぐ思ったこと言っちゃうタイプなんだよ。ようは考え無しのバカって思えばいいから」
「…はあ」
どうやらこの人、りんさんにとっては頭が上がらないらしい。
「俺さー、君をどっかで見覚えあるんだわ」
私みたいなのは、どこにでもいそうなんだけど…
「それがあんまり思い出せなくてなー」
「ナンパすか?」
「ちげーよ、バカ野郎!」
りんがちょいちょい、ちょっかいを出してくる。
「そんで、君の名前は?」
「…朝峰灯花です。」
「灯花ちゃんか、俺は梓川愁、好きに呼んで構わない」
「…愁さんでいいですか?」
「ああ、いいぜ。」
「あなたも…山犬なんですか?」
「なんだ、そんなことも知ってるのか?ああそうだ、俺も山犬だ」
やっぱり、山犬だったんだ。
「蟲退治も?」
「そうだ。灯花ちゃんは、なに天狼様に助けられたのか?」
「はい、もう何度も…」
「ふーん、あの天狼様がね…」
「…?」
どこかしら、にやにや笑っているような感じがした。
「天狼様、結構世間知らずのことあるだろ?しまいには頑固な所があって、面倒くさい性格しているからさ。まあーなんだ…これからもよろしくってことだ」
「あっはい、わかりました」
「ところで、りん!」
「わっはい!」
りんさんは呼ばれて立った。
「お前は刀はどうしたよ!」
「ああやべっ!学校に置いて来た!」
「バカ野郎!刀は常に持ってろって言われなかったか!」
「すみません。」
オオカミ姿だったら、絶対尻尾が垂れている。
りんさんは、それぐらいしゅんっとしていたからだ。
「たっくよ!今日ぐらいは貸してやる、その子をきちんと家に帰せよ。そろそろ、逢魔の時だからよ。」
もう夕暮れとなっていた。
日が暮れるのが早いなと思った。
「りん!ほらっ!」
愁さんは車から黒い細長い袋をりんさんに投げた。
中に入っているのは、黒刀だ。
「お前は山犬だ。油断するなよ」
「はい!」
りんさんは、さっきと違って真剣な面持ちで返事をした。




