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助けてください!天狼さん。  作者: 落田プリン
第一章 助けてください!天狼さん。
13/310

ここは、どこ?(その1)

 私は、ある洋館のある部屋へと迷い込んだ。

ここまでたどり着くとき、ゾンビに襲われてしまった。

その時に全ての武器を落としてしまった。

やばい!

何かないか部屋を見渡した。

ナイフとか武器になりそうなものはないか探してみた。

必ず部屋になんか落ちてたりしてるからよく探せ私!

あっあれは!ショットガン!

結構いい武器じゃん!

ふっクリアしたぜ!

その武器を手に取って見た。

使い方はまあー説明書見なくても大丈夫だろう。

ガクッ

えっ何この音。

ゴゴゴゴゴゴゴー。

えっごごごってなに?

えっこの部屋なんか狭くない?

えっなんか天井が迫ってない?

これってやばくない?

ああああああああああぁー!!!


「なんかあ、あのおねえちゃんーあああっていってるー」

「それはね、夢の中でサンドイッチになっているんだよー」

「さんどいっちー?」

「そうそう、だからほっとこうねー」

小さいな子供の声と若い男の人の声が聞こえた気がした。


 目覚めて思ったことは、天井落ちて来ないよね?だった。

ふかふかのお布団から天井をずっと見ていた。

地味に天井のシミの数を数えている自分がいた。

明らかに自分の家の天井と違っていた。

見たかぎり、ここは一部屋の和室だった。

上品な畳に上座には掛け軸に壺が置いてあった。

そして、この布団はふかふかしていた。

やわらけー!

最近おかしな夢ばかり見てる。

お化けに襲われたり、毛虫に襲われたり、先生に襲われたり、ゾンビに襲われたり、天井に襲われたり、あれ、襲われることばかりじゃね?

それって…やばくない!

やばくない!

…だからってどうしょうもできないけど!

…………寝よ。

寝て忘れよう!

………………………………。

…………………………。

…。

ドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッ!

地響きする足音がした。

足音はどんどん近づいてくる。

ドンッドンッドンッドンッドン!

バン!

「いつまで寝とるんじゃあ!!」

「!!!」

突然、化け物じみた藍の着物のおばさんが出てきた。

声が出ないくらい恐ろしさに身体が震えた。

ガタガタ震えると布団を剥ぎ取られた。

「若いもんが!いつまで寝とるんじゃ!さっさと起きろ!」

ひいぃ!

布団と一緒に皮まで剥がされるんじゃないかと思った。

よく見ると私は、制服のシャツとスカートだけになっていた。

足には、しっかりと怪我の治療がしてあった。

震えて動けなくなっていると襟首を掴まれた。

「ぐえっ!」

「さあ!行くぞ!」

どこに!


 顔を洗えと桶に顔を突っ込まれたのは始めての経験だった。

服が破けるぐらい剥ぎ取られたのも、お腹を絞められて紺の着物に着替えさせられたことも、初めてだった。

「はい!これ大広間に持って行って!」

「………ごはん。」

おいしそうな鮭ともやしのお浸しと豆腐とわかめのお味噌汁と純白の白米にお漬物が乗っているお膳を渡された。

ぎゅるるるー!

これ!食べていいの?

「これ、あんたのじゃないから!」

なんだって!

じゃなんで渡したし!

「いいから行きな!」

「……はい」

お台所で恐ろしい藍の着物のおばさんに強く言われた。

おばさんの他に着物の女性が何人もいた。

それぞれお台所で立って料理を作ったり、お皿に盛ったりしていた。

大広間ってどこですか?

お膳を3段にして持っている女性がいた。

「こっちよ!」

と言われてついて行くことにした。

大広間にはお膳がずらりと並んでいた。

なっ!

ここは旅館か!

「こっちよ!こっちに並ばせて!」

呼ばれて行こうとしたら、座布団に引っかけて転げた。

持っていたお膳も一緒にひっくり返してしまった。

「もう!何やってるの!」

「…すっすみません!」

もう涙目だ。

「ぐずぐずしない!早く片付けて!」

「あっはい」

なんでこんなことに!

ここはあれか!

名前取られて働かす所かここは!

「うぐっ!」

「もう!泣かないの!」

泣きたいです!

「あーれー!ゆず子さんどうしたの?」

女性の怒鳴り声に背が高い道着姿の男性が現れた。

正俊まさとしさん、この子ったら!」

「まあまあそんなに怒らないの。怒った顔も素敵だけど、笑った顔ほうが俺好きだなー!」

「まあ!正俊さんったら!」

「それで、きみ誰?」

こっちが聞きたいです!

俯いて泣いていたら他の男性もこちらに来た。

「どうした?正俊」

「いやこの子」

「新しく入った手伝いの子じゃないの?」

「そんな話あったか?」

「いや知らん」

じろじろと見られて、最悪だった。

「ゆず子さん、俺腹減ったー!」

「あら、りん。」

「うん?どしたの?」

りん。

どっかで聞いたことがある名前。

そうどこかで…。

「あああ!!おっお前なんで!ここに!」

「りん、知り合いか?」

「知り合いとかじゃなくて!その、じいちゃんの!」

「天狼様がどうしたのだ?」

「あっいや、その」

「言え、りん!」

「じっじいちゃんのヨメだって!」

その場がシンっと静まった。

天狼さーん!助けてぇ!

その場を割ったのは、また知らない道着姿の男性だった。

「天狼様が奥方を召されたならこの場に居ないはずだが?何かの勘違いではないか?」

「そうだな、亜紺あこんの言う通りだ」

「どうなんだ」

ジーと視線が痛かった。

言わなければ、何をされるか怖かった。

「…ちっちがいます」

周りの空気が一気に緊張から和らいだ。

「それもそうね、こんな子が…ああでもびっくりしたわ!」

「びっくりさせんな!りん、まだお前は修行が足りん!」

「そうだな…またお前、任務先で粗相したそうだからな」

「いや!そうでも!ああーくそ!…お前ちょっと来い!」

道着姿の金髪の青年に手首を掴まれた。

「あっちょっと!りん!その子どこに連れて行く気なのよ!まだ片付け終わってないのよ!」

「わーったよ!お前っとっとにかく、今はゆず子さんの言う事聞いておけよ!」

金髪の青年は私を連れ出そうとせず手首を放した。

「話は終わった?早く片付けしてちょうだい!まだお膳を運ばなきゃなのよ!」

「…はい」

涙目で返事をした。

トンっと肩を軽く叩かれた。

「ほら、頑張って!ゆず子さん厳しいけど悪気あって言っているわけじゃないから、ね」

背の高い道着姿の男の人に言われた。

「正俊!さっさと食べないと任務に送れるぞ!」

「おう!勝馬かつま!」

さっきまで近くにいた人に呼ばれて並ぶお膳に着いた。

私は、ひっくり返したお膳を片付け始めた。

涙をぽろぽろ流していたが、また後から道着姿の男性たちが現れて一気に涙が引いた。

「あれ、新しい子?」

「新しい子ぽいよ~」

「頑張れー!」

なんだか笑われているようで嫌だった。

好きでやっているわけじゃないのに…

どうしてこうなったの…

天狼さん…

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