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助けてください!天狼さん。  作者: 落田プリン
第四章 走らなきゃだめですか…天狼さん。
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小さな波紋。(その1)

 天狼は神酒が入った盃に口をつけては、盃に浮かぶ小さな波紋を見ていた。

すると、正俊は口いっぱいに食べ物を詰め込んでは、喋り出した。

「てんほう…もぐもぐ、さん、もぐもぐんぐ」

「正俊、口の中の食べ物を飲み込んでから喋りなさい」

話はちゃんと聞くから。

正俊は、甘酒と一緒に口の中の食べ物を飲み込んだ。

「ぷはっ…で、天狼様、あの参拝客いったい何もんですか?やけに、怪しい恰好してますけど~」

「ん?正俊は今回が初めてだったか?」

「いや、何度か護衛になったことがありますよ。そうっすね~ちょっと気になって、あれって人じゃあないっすよね?」

正俊の言う通り、参拝者のほとんどが人ではない。

人狼が存在しているのなら、人狼以外のも存在している。

笠や布で人の形はしているものの、中身はまったくの別物で、物の怪や獣などが人に化けていることが多い。

彼らは、土地神や地位がある種族には従順だ。

こうした日には、参拝者として敬意を示してくれる。

「なんだ、気になる者でもいたか?」

「そんなとこ」

正俊の視線が、探りたいと訴えていた。

「今は、祝いの日。表立ってすることではない…………だが」

正俊は、腰を上げ膝を着き頭を垂れた。

「怪しき者なら探れ」

正俊はニヤリと笑い言葉を出した。

「承知」

言葉を述べるとその場から立ち上がった。

「あっ天狼様!勝馬が来たら、そう伝えといて!」

「わかった、くれぐれも無茶だけは…」

「わーてるよ。それと、あけおめ!」

天狼は微笑んで言葉を贈った。

「あけましておめでとう」

正俊は天狼の言葉を聞いてから去った。

天狼は瞼を閉じて、神としての役目を再び始めた。

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