表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
助けてください!天狼さん。  作者: 落田プリン
第四章 走らなきゃだめですか…天狼さん。
106/310

番外編 オオカミ達のクリスマス。(その2)

 牡丹雪がゆっくりと振り落ちる夜に、街の片隅を歩く。

年期が入ったビルとビルの隙間に入る。

換気扇から白い息が漏れ出ているのを見ては、少しでも暖を取ろうと手をかざす。

その路地裏に、タバコの吸い殻を見つける。

幾つものタバコの吸い殻の中から一つのタバコを拾い、人の痕跡(におい)を辿る。

「…間違いない、この先だ」

正俊まさとしは相棒に告げ、懐から携帯灰皿を出し、タバコを入れる。

「さすがだな」

そんな相棒を褒め、勝馬かつまは持っていた刀を渡す。

「ぐふふっ野良の知恵ってやつよ~、これっテストに出るから!」

「だそうだ」

二人の視線が青年の方に向いた。

「えっ俺っすか!」

後から着いて来た新米の青年。

「誰がいるんだ?わん子郎」

「そうだぞ」

「うわっマジすか」

二人に言われて、青年は困惑した。

「俺、その臭いは苦手で…あ、他の嗜好品(しこうひん)なら大丈夫なんですけど…」

「そっちじゃない」

「えっ?」

「お前、奴らの臭いには慣れておけ。微かな臭いでも足取りを辿れる」

正俊の言葉に青年は、目を見開いた。

「マジすか、あのタバコだけで…」

正俊はタバコ一つの臭いで地獄蟲の居場所を辿れる。

大抵の人狼は、臭いが濃いものと別の臭いを同時に嗅ぎ分けるのは難しい。

刺激臭を一気に鼻に入れているようなもので、濃い臭いに負けてしまうからだ。

青年は驚いていた。

「正俊さん、すごいっすね」

「でぇへへへ~☆」

「おい、あまり褒めるな。図に乗る」

勝馬の指摘が入る。

正俊は頭を掻きながら笑っていたが、道端にあった雑誌の山に足を突っ込むことになる。

「誰だよ!こんな所に雑誌置いた奴!はっ…まさか、エロ本か!」

スッと正俊は膝折り、雑誌に手を伸ばす。

勝馬は手の平に青い火を灯した。

「おい、正俊。それは不法投棄だ…そのまま燃やされたいか?」

正俊は素直に勝馬の言葉に従った。

「すいませんでした」

さすがに一緒に燃やされたくない。

あと、勝馬の鬼火おにびは火事が起きる。

「わかったな、こいつは馬鹿だ」

「はあ…」

青年は戸惑いながら返事をすることになった。

今後、正俊達はタバコに付いた地獄蟲の臭いを辿って行くことになる。



 ビルの窓から漏れる明かりを頼りに、暗い路地裏を進んで行く。

正俊は途中、味噌ラーメンの匂いがしたと、そっちの方に行ってしまった。

そんな彼を勝馬は、真面目にやれと頭を叩き、首根っこを掴み連れ戻す。

「さっき、食べただろう」

「それは、それ。これは、これ。ラーメンはデザートだ」

「言ってろ」

そのやり取りを聞きながら、青年は二人について行く。

二人は気が抜けた会話をしてるが、青年は気にならなかった。

青年にとっては、これが初の任務だからだ。

自然と気が引き締まる。

すると、ある喫茶店にたどり着く。

レトロな雰囲気がある喫茶店だ。

青年はあることに気づく。

「ここって、表通りにでも行けるっすよね。どうして、わざわざ裏から?」

その言葉に勝馬が答える。

「幽世に入るには三つ条件がある」

「その条件とは?」

「一つは、奴らが招きやすい条件を作ることだ」

「招きやすいって…俺ら、奴らを退治行くんっすよね。そんなわざわざ、下手(したて)に出るようなことするんすか?」

「退治するからこそだ。奴らの立場になって考えて見ればわかる。我々が表に立って、奴らは早々に巣に招き入れるか?」

「確かに、自分たちを退治しに来てますもん、よけい入れたくないっすよね」

「我々が迷った振りをして、奴らの目を誤魔化す」

「なるほどっす」

「二つめは、陰陽(いんよう)。簡単にまとめると、光と闇のようなもの。二つはあっての現世。闇側に奴らが棲んでいるとなると、我々もそれなりに道を歩まなければならない。要は、道を外すことだ」

「道を外す?えっ?」

「言っておくが、罪を犯す方じゃないぞ。人の道、表道から外れることを指す。今の我々のように表の道を使わず、裏道を使うことで、陰の道に入れるということだ。ただし、ここを間違えるな裏道を使ったって、幽世に入れんからな」

「えっと…要するに、出来るだけその闇の道に近づけることで、より幽世に入る確率を上げるため?ってことっすか?」

「その通りだ。正俊がよくわからんで突き通した条件二だ。賢いな」

「そうっすか…」

それを聞いていた正俊が、うるせぇとぼやいていた。

「そして、三つめは…」

勝馬がそう言うと、正俊は急に飛び出した。

「俺らが人間じゃないこと!」

正俊は喫茶店の方へと走って行った。

「あの馬鹿、人の話を…まあいい。行くぞ、遅れると迷子になるぞ」

「あっはいっす!」

勝馬と青年は正俊の後を追った。

正俊は喫茶店の正面の入り口に入らず、裏口に回った。

従業員入り口と書かれた扉を見つけては、扉を開けそのまま入った。

勝馬達もその扉に続いて入って行った。

ぼちぼち、投稿していきます。(/・ω・)/

分からない点や誤字間違え、文章間違えとかありましたら、気軽に教えてね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ